奥武蔵 有間山・蕨山

2020年1月11日()


有間山は奥武蔵の中でも最奥に位置し、高校時代に見たガイドブックでは交通の不便さよりランプの宿の有間小屋に泊まり一泊二日の山であることが紹介されていました。ランプの宿のロマンチックな響きから一度は行ってみたいと思っていましたが、有間小屋の閉鎖や名栗湖の完成により足が遠のいていました。

現在、有間林道が有間峠を越え伸びており自動車で有間峠まで行き、約30分で最高点のタタラノ頭に立てることがネット上で紹介されています。しかし、昨年の台風19号による被害で当分,通行は難しいそうです。

今回、以前より行きたかった蕨山と共に私にとってハードな行程でしたが訪れて来ました。

名郷行きへの2番目のバスで名郷へ行きました。バス停には水洗トイレやハイキングルート看板が設置されていました。

バス停より左方の道に入り急な林道を上がり、しばらく行くと林道の終点となりその脇より右手の小沢を渡り登山道となる。急な斜面を沢沿いに登り、沢の左岸に渡ると尾根へ登る急な斜面となる。

沢の中は台風19号による倒木が至る処にあり、迂回を強いられた。尾根に上がり、小さなピークをいくつも上下すると尾根が痩せてきて岩場が現れ、ロープを張られた箇所が多くなる。背後に6日前に登った伊豆ヶ岳の尖ったピークが望まれた。登り切ったところがさわらびの湯に続く金比羅尾根であった。この間、先行するおばさんような単独行者に追いつこうとするが、蕨山頂上まで一本も休憩を入れず登ったのにもかかわらず追いつけなかった。体力の低下をまざまざと実感する。

同所より5分程登ると蕨山の最高点があるが看板はなく、三角点のみであった。佐藤八郎さん達が登られ、写真を撮られた蕨山の標識は分岐点を少し降りた展望台にあることを後で知った。

蕨山最高点の三角点

汗でファインダーが曇りこんな写真になってしまいました。

三角点から霜柱で滑りやすい坂道を15分下ると逆川乗越で、林道が横切っている。祠と東屋があった。

逆川乗越より橋小屋ノ頭まではこれまでと比べてはっきりとしない登山道となり急登が続いた。途中、下山に使う鳥首峠よりの登山者に会うが、皆一様に疲労感が見られた。

橋小屋ノ頭。有間山とあるが最高点はこの先。

橋小屋ノ頭からは緩やかな登り下りを繰り返し、最高点のタタラノ頭を目指すが強い風に樹氷が風花となり舞っていた。タタラノ頭までは思っていたより時間がかかり到着した。

稜線上の木々に氷結が認められた。

タタラノ頭
タタラノ頭より先の稜線

橋小屋ノ頭に戻り、鳥首峠に向かって下降するが直ぐに急な登りとなる。ヤシンタイノ頭,滝ノ入り頭を含め大きな登り下りが4カ所あり、鳥首峠から来る登山者は一様に疲れている。

道は稜線に沿って鹿柵が設置されているため巻き道がなく、稜線を忠実に辿っている。また、登山道はしっかり踏まれてはいるが両脇からススキの枯れ草に覆われた処が随所にあり、最近、歩いている登山者が少ない印象が感じられる。

大きな4カ所のピークを過ぎ、下りに入ると鳥首峠への道標が下を向いていた。木の根の張る非常に急な坂で木の根をつかみ後ろ向き降りた。その後もロープにすがりながら急な尾根を100m程下る。下りは高圧線の鉄塔の立つ場所まで急な坂が続いた。逆コースで登ってくる登山者が疲れる理由が納得できる下りであった。

鳥首峠への稜線から有馬山を望む

鳥首峠の稜線から両神山の遠望

鳥首峠は杉林に囲まれ、大きな祠が奉られていた。

鳥首峠からは暗い杉林の急斜面を九十九折りに下降した後、沢に沿って左側の山腹を縫うように下っていくが台風による道の崩壊が随所に認められた。下りに疲労感を感じる頃、白岩部落に達するが部落は廃屋となっており、壊れた家屋が点在しており不気味な雰囲気である。

部落からは上部の石灰石の採石現場より続く運搬用と思われるレールに沿ってしばらく下ると舗装道路にでた。舗装道路を約25分下ると名郷バス停につき、出発5分前の飯能駅行きの「ヤマノススメ」のイラストが描かれたバスに間に合った。途中、入間市在住の獨協大学山岳会の遠藤雄悦氏に連絡を入れ、飯能駅で待ち合わせし駅周辺の呑み屋にて山談義をした後、帰京した。

飯能駅行きの「ヤマノススメ」バスの車内

S49年卒 柳澤孝嘉


コースDATA

池袋駅6:50―飯能駅7:32 8:00―名郷9:05―蕨山10:50―橋小屋ノ頭11:40―タタラノ頭12:15―橋小屋ノ頭12:40 12:50―鳥首峠14:05―名郷15:40―飯能駅16:50―池袋駅20:26

1997320日のOB会定例会の蕨山の記録はこちらから

 

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