ニューデリー共同によりますと、12月8日ネパールと中国にまたがるエベレストの標高をともに8,848.86mであることを発表したということです。両国が独自に測量した結果ではありますが、これによると今までのエベレストの標高より86センチ高くななったということです。高くなった原因は測量技術の向上か隆起によるものかはは分かりません。
エベレストの標高は今まで一般的には8,848m としていますが、歴史的にも測量した国や組織によって諸説あったようです。お膝元の中国とネパールでは測量結果に基づいた認識に違いもあったようですが、今回両国の共通認識が図られたようです。
エベレストはチベットではチョモランマ、ネパールではサルガマータとそれぞれ呼ばれていたようですが、東インド会社では1760年代からインド各地の地図を作成しており、1810年代には統合されたインド測量局はヒマラヤ山脈周辺の地図の作成も手がけていました。1849年には経緯儀望遠鏡で測量を行なっていたそうです。
1954年にインド測量部のインド人技師がエベレスト周辺12ヶ所で三角測量を行い、「ピーク15」としてこの山が8,848mで世界最高峰であることを発見し、ネパール政府も認めていたようです。(この時は氷雪の厚みも含めた値だったようです。)その後、ピーク15はヒマラヤ周辺を測量していた技師で、後に測量局長官になったエベレスト氏の名に因んで1865年に命名されています。
1992年には山頂にGPSを設置して測定して8,846.10mという結果も出ており、1999年には全米地理学協会が山頂にGPSを設置して測定した結果では8,850mとなっていました。
これまでネパールは1954年にインドが測量した8,848mを公式としてきていましたが、中国では2005年に再測量し、氷雪部分を除き8,844.43mと公表しています。
ネパールは昨年2019年に測量のための登山隊を登頂させてレーザーゼオドラライトとGPSおよび地中探知レーダーにより氷雪の厚みを測定して地質部のみの標高を測定しており、中国も今年2020年に衛星測位システムと登山隊によりGPSを使って測定した結果として、両国ともに先の,8848.86mであるとの発表だったようです。この標高が今後エベレストの正式な標高になるということです。