メールマガジン2月号 / 2020

獨協中学・高等学校ワンダーフォーゲル部OB会メールマガジン 2020/2/25

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DWVのOBを山の話題で結ぶメールマガジン2月号の配信です。

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【1】フランスアルプスのメール・ド・グラース氷河

【2】南極で過去最高気温18.3度を記録

【3】バックカントリースキーでの遭難事故が多発

【4】「ココヘリ」の携行を義務付け

【5】茶臼岳雪崩遭難事故の発生状況と原因

【6】御嶽山の王滝ルート

【7】樋口明著「北岳山小屋物語」

【8】行ってきました 山行Now

【9】編集後記

【10】記事の募集とマガジンについて

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【1】モンブランのメール・ド・グラース氷河

アルブス山脈のモンブラン(4810.9m)を最高峰とするモンブラン山塊にはグランドジョラス、エギーユ・デ・ミディ、ドリュなど日本でもお馴染みの山々がありますが、マクロン大統領は氷河を視察し、気候変動の影響から生物の多様性を守るということでモンブランの入山規制をする事を発表しました。

「我々が目の当たりにしているこの氷河の状況は、(地球)温暖化と(環境)不均衡、そして全生態系の変化の痕跡を裏付ける紛れもない証拠だ」と語ったそうです。

モンブラン山塊にあってフランス最大の氷河がメール・ド・グラース氷河ですが、シャモニーからも近いということもあって氷河観光のメッカになっています。この氷河がどんどん縮小しているということで、温暖化の象徴にもなっています。

このメール・ド・グラース氷河は標高2400mから1400m地点までの長さ7km、深さ200mに渡たっており、流速は年速90mということです。

シャモニー駅から登山鉄道、ロープウェイを乗り継ぎ、遥か下の氷河まで長い階段を降りて行くと氷河の上に降りられ、氷河に開けられた横穴の中を歩いて観光することが出来ます。温暖化の影響で階段が下へ下へとどんどん増設されており、氷河は過去30年で700mも縮小したということです。

「絶景を歩く」モンたんベール・メールドグラス氷河の記事

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【2】南極で過去最高気温18.3度を記録

WMO(世界気象機関)は、南極半島北端の沿岸部で今月6日、観測史上最も高い18.3度が観測されたと発表しました。

南極の年間の平均気温は沿岸部のマイナス10度から内陸部のマイナス60度までいずれも氷点下ですが、今回観測された気温は2015年に記録された最高気温17.5度を上回ったということです。夏季でもこのような高温にはならないということです。

南極の巨大な氷は4.8キロの厚さで世界の淡水の90%を占めているとされ、もしすべて溶けた場合、海面はおよそ60メートル上昇すると言われています。温暖化の影響と思われる現象が色々なところで現れています。

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【3】バックカントリースキーでの遭難事故が多発

長野県の白馬・八方尾根や栂池、飯山市の鍋倉山、群馬県の谷川岳、山形市の蔵王温泉スキー場、青森県の八甲田山、北海道の大雪山系旭岳など全国各地のスキー場周辺のバックカントリーでのスキーヤーやスノーボーダーの遭難事故が多発しています。

その半数近くが外国人のようですが、短時間で目的地に行き着くことも出来き、頻繁に降雪があることでふわふわの雪で浮くような感覚で滑ることが出来るバックカントリースキーは海外の人から”ジャポウ”JAPOW(Japan+powder snow)と呼ばれて人気があり、今やニセコやトマムあたりから全国各地に広がっています。

インバウンド人気にあやかって人集めだけに気を取られることなく、雪崩や滑落、ドカ雪などの危険もあることをしっかり伝えて事故防止に努めていくことも必要なのでしょう。

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【4】「ココヘリ」の携行を義務付け

雪不足で、すでに営業を終了しようとしているスキー場も出て来ているようですが、日光の丸沼高原スキー場ではロープウエイを利用して積雪期や残雪期に日光白根山へ登る登山者やバックカントリーのスキーヤーやスノーボーダーに対して遭難者捜索サービスの「ココヘリ」発信機の携行を義務づけています。

川場スキー場では2019年4月からすでに上州武尊に登る際には「ココヘリ」の携行を義務づけいたということで、群馬県では2例目になるということです。

「ココヘリ」は発信機になっている会員証を携行することで、遭難などの場合に捜索位置が特定でき、捜索用ヘリコプターの3フライト、9時間までが無料になるサービスです。スキー場ではレンタルも可能のようです。

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【5】茶臼岳雪崩遭難事故の発生状況と原因

栃木県那須町で2017年3月、登山講習会に参加した県立大田原高校の生徒ら8人が死亡した茶臼岳雪崩事故で雪崩の発生原因を栃木県教委の検証委は事故の最終報告書で「自然発生か人為的かを特定することは難しい」としていましたが、この度防災科学技術研究所の研究員ら専門家による調査チームは「雪崩は人為発生の可能性が高い」という見解をまとめ、学会で報告しました。

事故前日の9時には陸地から離れたところにあった南岸低気圧が当日3時に突如として新たに発生した低気圧が短時間で大雪を降らせ弱層を形成し、雪崩が発生しやすい状況になっていたことがテータによって明らかにされています。

しかし、南岸低気圧が急激に発展したとは言え、前日朝から気象庁は大雪に対する注意報を発令していたことから、予想できなかったことではないと考えられています。

さて、雪崩の発生原因について、調査チームは雪崩発生から6日後に上空から現場を撮影した写真を解析するなどして、亡くなった8人を含むグループ(A班)と別のグループ(B班)の足跡や雪崩発生位置を調べました。

その結果、雪崩発生域は茶臼岳山腹の大岩「天狗の鼻」から数十メートル離れた場所と推定しています。そして、足跡からA班は斜面を上方に向かって歩き、天狗の鼻直下(標高1465メートル程度)で発生推定域の近くに到達していたことが分かったということです。

B班もA班の近く(標高1430メートル程度)を歩いていたそうで、A、B班ともに発生推定域の数十メートルの地点にいたとみられることから、「登山研修中の班が斜面に入り込むことで表層雪崩が生じたと考えるのが自然」として、雪崩は人為発生の可能性が高いと結論づけています。

雪崩発生域と推定される場所は、県教委が17年に設置した検証委員会のヒアリングでA、B班の生徒らが証言した内容と矛盾がないということです。この調査チームの結果は2019年9月に山形市で開かれた雪氷研究大会で報告されたということです。(2月7日の毎日新聞より)

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【6】御嶽山の王滝ルート

御嶽山の登山口になる木曽郡王滝村は2月14日、2014年9月の御嶽山噴火災害以降立ち入りが規制されていた王滝口登山道の9号目から王滝頂上までの300m区間の規制を7月初めに解除することを発表しました。

解除の期間は10月13日まで、時間は午前7時〜午後2時になります。なお、王滝頂上にある王滝頂上山荘は解体されるということです。

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【7】樋口明著「北岳山小屋物語」

北岳にある山小屋のいろいろな話題を集めて著された山と渓谷社刊の「北岳山小屋物語」を読んでみました。

白根御池小屋、広河原山荘、北岳山荘、北岳肩の小屋、両俣小屋などの小屋開けから小屋仕舞い、1日の行動など小屋番のいろいろな仕事や人柄について面白く読ませていただきました。

国内2位の標高の北岳は富士山や北アルプスと違って高山病になる人が少ないそうです。何故か?その信憑性はどうか分かりませんが、「へーっ。」と思わされました。

山で犬を飼うと長生きするそうです。なんと27歳まで生きた犬もいたということですが・・・。それも本当でしょうか? お化けが出たというのは「黒部の山賊」にもありましたが、これは山ではよくありますね。

小屋ごとの基本姿勢やアルバイトの仕事と指導、山岳遭難事故、北岳診療所の先生のことなど話題も豊富でした。副題は「山に会いにゆく、それ以上に、この山にいる人々に会いたい」

「北岳山小屋物語」 樋口明著 山と渓谷社刊 ¥1,540

【8】行ってきました 山行Now

外秩父 官の倉山 2020/2/23

奥多摩 戸倉三山  2020/2/9

柳澤孝嘉氏の山行記録が新しくアッブされました。2月のものではありませんが今月のメールマガジンにリンクを貼りましたので、是非ご覧下さい。

奥多摩 笹尾根  2020/1/16

奥武蔵 有間山・蕨山  2020/1/11

奥武蔵 伊豆ヶ岳・子の権現 2020/1/5

西上州 荒船山  2019/11/17

過去の2月分山行記録は以下からご覧下さい。

岩殿山 雲龍渓谷 妙義山 奥久慈男体山 丹沢表尾根 伊予ヶ岳 高尾山 鎌倉アルブス 棒ノ折山

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【9】編集後記

新型コロナウィルス(COVID-19)の市中感染が広範囲に拡大してきており、不安も高まってきています。また、厚生労働省の対応に対して不安や不満も増幅・拡散して来ています。

先日もLINEで「お湯を飲むといい」というデマ情報が拡散によってこちらにも届いて来ました。知り合いから送られて来たりすると冷静に考えてみれば文化系の自分でも「おかしいよな。」と思うことが、安易に「そうなのか。」と思い込んでしまったりしてしまう危うさがあります。気をつけるべきは気をつけながら冷静に対応することが必要なのでしょう。

さて、庭の梅の花が散り始め、フキノトウがふっくらと膨らんできて食べごろになって来ました。今年も”ほろ苦い春の味”を,フキ味噌や天ぷらでいただこうと思っています。

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【10】記事の募集とマガジンについて

このメールマガジ ンは毎月1回(発行日は不定)、OB 会会員にお送りしているものです。次号以降配信が必要ない方は、メールでその旨お知らせください。また、記事はホームページにリンクしていますので、今後別のアドレスへの配信を希望される方はその旨連絡下さい。

本ホームページでは記事を募集しています。投稿・寄稿をどうぞお寄せ下さい。山行記録は当時のものでも個人の新しい記録でも結構です。当時の写真だけでも記録として蓄積したいと思っていますので、宜しくお願いします。山行記録のほかに、紀行文、コラム、近況報告などの直接投稿やメールでの寄稿もよろしくお願いします。

※投稿やお問い合わせメールは dokkyo.wvob@gmail.com 担当手島までお願いし ます。

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