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満開のスズラン(入笠山)

2017年6月23日(金)

入笠山(1955m)

DATA:山麓駅13:20 山頂駅13:40 入笠湿原14:00 入笠山14:50 入笠湿原15:35 山頂駅16:00 山麓駅16:20


急遽、休みが取れたので入笠山に行ってきました。今回は、往復ゴンドラを利用した「楽ちんハイキング」です。

中央道の諏訪南ICから富士見パノラマリゾートスキー場に着いたのは、午後の1時過ぎ。金曜日ということもあり駐車場はガラ空きでした。切符売り場で乗車券と花の説明ガイドブックをもらいます。ゴンドラ乗り場にはマンテンバイクを持った人が2人並んでいるだけでした。

約20分の空中散歩で山頂駅に着きます。

出発です

山頂駅の案内図のところで、ガイドのおじさんが、今咲いている花や咲いている場所などを詳しく説明をしてくれました。駅下のドイツスズランは終わりに近いが、湿原の日本スズランは満開とのこと、期待が持てます。

広い林道を進み入笠湿原の標識を左に入り鹿除けの鉄柵を開けて入ると、写真でお馴染み光景が広がります。

木道を降りて行くと、すずらんの香りがします。今を盛りに100万本のスズランが咲き誇っています。ただし、下から見ないと良く見えません。

黄色い花がたくさん咲いています。ウマノアシガタと呼ばれている花です。遠足の子供達でしょうか、入笠山に登って山野草公園方面に向かっているようです。

ウマノアシガタ

木道(上)の斜面がスズラン群生地

山彦荘の前から山道をいきます。切符売り場でもらった花のガイドブックで花々を確認しながら歩きます。クリンソウやサンリンソウ、シロバナベニイチゴが咲いている道を花を見ながら進みます。

サンリンソウ
クリンソウ
シロバナベニイチゴ

ツマトリソウも咲いています。ガイドブックが役に立っています。

ツマトリソウ(右)とソロバナベニイチゴ(左)

この周辺はカゴメ(株)が山野草の生育に力を注いでいるらしく、係の人が手入れしていました。クリンソウの群落を見ると林道に出ます。

クリンソウの群落

ここから、御所平の斜面の道にはシバザクラやスズラン、レンゲツツジが咲いている中を登っていきます。花の咲いているこの場所も、鹿除けの柵で守られています。

御所平

シバザクラ
御所平のスズラン

御所平から山道に入ります。途中で岩場コースと迂回コースの分岐に出ます。

岩場コースを進むと、クサリ場が一か所ありましたが、問題にならない岩場です。ここを通過しツツジの中を抜けると広々とした山頂に到着です。

時間も遅いこともあり、山頂にはだれひとりいません。八ヶ岳が目の前に広い裾野を広げています。南アルプスは多少雲がかかっていましたが、大きく見えます。

八ヶ岳
南アルプス方面

下山は迂回コースから下ります。途中にサルオガセやズミがありました。

ズミ

入笠湿原からは、ガイドのおじさんが教えてくれた山野草公園の方に向かいます。湿原の斜面の木道の脇にオオアマドコロが一輪咲いていました。

オオアマドコロ(ピンボケです)

林道を渡り、山道に入ると今度はマイズルソウが咲いています。小さな花なので、見逃してしまいそうです。

マイズルソウ

山野草公園に向かう道すがら、ズダヤクシュと思われる花も見られました。

ズダヤクシュ

山を周っていくと山野草公園に入ります。ここには、アツモリソウが咲いているので是非見てくるように、とガイドさんからアドバイスをもらっていたので、行ってみると柵に保護されていましたが、アツモリソウとクマガイソウが咲いていました。

アツモリソウ

始めてみる花で、まるで食中植物のようです。

クマガイソウ

ゴンドラの最終時間まであまりないので、周りにはだれひとりいません。山麓駅で山野草をいただいて、入笠山を後にしました。

午後から3時間のお手軽ハイキングでしたが、満開のスズランや多くの花々を愛でることができ、静かな山を満喫し、楽しいひと時を過ごしてきました。

S46年卒 碓井

スリルと変化を求めて(毛無山~十二ヶ岳)

2017年6月17日(土)

御坂山塊 毛無山1500.1m  十二ヶ岳1683m

DATE:駐車場9:15 長浜分岐(1061m)9:35 長浜分岐(1313m)10:25 毛無山10:50-11:05 吊り橋12:10–12:20 十二ヶ岳13:00-13:30 地蔵14:05 文化洞トンネル方面分岐14:30-14:40 駐車場15:10


梅雨の晴れ間を期待して、スリルと変化に富んだ山に行ってきました。場所は、御坂山塊で一番ごつごつした岩尾根を持つ十二ヶ岳です。今回は、職場の山仲間との山行です。7時に中央線の日野駅に集合し、河口湖に向かいます。中央道の相模湖あたりで事故渋滞があり、駐車場に9時に着きました。

ここから、まずは毛無山を目指します。正規のルートは文化洞トンネルの脇の登山口ですが、駐車場の裏手の道から入り、消火栓のあるところから山道に入ります。墓地の中を入っていくと戦没者の碑のある先で、登山道に合流します。

戦没者の碑付近

合流地点から左へ登山道に入ります。ほどなくすると長浜への分岐の道標です。

登山道を左へ登る

1つ目の分岐

次第に登りが急になってきます。毛無山までは前半の道程が一番急な道なので、ゆっくりと登って行きます。植林ではなく雰囲気のいい松林の道が続き、春ゼミの声を聴きながら徐々に高度を上げていきます。

1時間ほどで2つ目の長浜への分岐です。ここまでが勝負どころです。

2つ目の分岐

二つ目の分岐から、15分ほど登ると後方に富士山と河口湖が一気に飛び込んできました。遠くに山中湖も見えました。

河口湖

やっと、たどり着いた毛無山の山頂です。

ここからが本日のハイライトである十二ヶ岳までのアスレチック的な縦走の始まりです。気を引き締めて歩きます。最初は緩やかな登り下りを繰返し一ヶ岳、二ヶ岳、三ヶ岳を通過します。

三ヶ岳からの下り

四ヶ岳からは、眼下に西湖が見えました。これから登る十二ヶ岳がそそりたっています。ここからアップダウンの連続が続きます。四ヶ岳あたりから露岩が現れ、ロープをたよりに5mほどの岩場を下降していきます。

西湖と富士山

十二ヶ岳

四ヶ岳からの下り

五ヶ岳、六ヶ岳は確認できましたが、七ヶ岳の標識は発見できず、八ヶ岳に着いてしまいました。八ヶ岳と書いて「はちがたけ」と読むそうです。道は山腹の右側をトラバースぎみに下降していきます。

「はちがたけ」

登り返したところが九ヶ岳かと思いきや、いきなり十ヶ岳になってしまいました。九ヶ岳も発見できませんでした。十一ヶ岳へは、岩場を登りきるとピークに着きます。

ここからが、核心部の始まりです。一気に眼下のキレットに架かる吊り橋まで50m程の岩場を下降していきます。

長い下降が続く

下降が続く

十一ヶ岳のピークから十二ヶ岳への長い岩場が垂直に見えます。これを登り返さなくてはなりません。

十二ヶ岳の岩場

ロープを頼りに慎重に降りていくと、長さ10m位のアルミの吊り橋です。この吊り橋は、高さは4~5m程度ですが結構揺れます。ひとりずつ渡ります。

吊り橋

ひとりずつ慎重に

渡りきると最後の岩場が50m程続いています。クサリとロープの連続する岩場で、落石に注意しながら登っていきます。なかなか気が抜けない所です。

十二ヶ岳の岩場

落石に注意

振り返ると三つ峠や御坂山、黒岳が見えてきます。岩場を登りき、桑留尾の分岐の先を進むと十二ヶ岳の山頂に飛び出します。
十一ヶ岳の後方に黒岳と御坂山

最後の登り

山頂からは桑留尾の分岐まで戻り、ロープにつかまりながらの急下降が始まります。かなり滑るので慎重に足を運ばなくてはなりません。木々の間から、本栖湖が見えてきました。

遠くに本栖湖

30分ほど下り、地蔵の標識まで来ると傾斜も次第に緩くなり沢を渡り、気分のいい林の中を下っていきます。

古びた文化洞トンネル方面の標識に着きます。標識に従って山腹を巻きながら、通学路の標識を過ぎしばらく下っていくと、舗装された道路に出ます。この道の先を進むと駐車場に到着しました。

毛無山から十二ヶ岳へと続くアップダウンの多い岩場交じりの尾根道を、クサリやロープを頼りに登ったり下ったりの連続や、キレットに架かる吊り橋など、スリルと変化に富んだ、面白い山でした。

S46年卒 碓井

山の桜は咲いたでしょうか?(浅間嶺)

平成29年4月30日(日)浅間嶺(903m)

DATE:払沢の滝駐車場8:45 時坂峠9:40 峠の茶屋10:00 浅間嶺11:35~12:40 浅間休憩所12:55 時坂峠13:50 払沢の滝14:50 駐車場15:00


山の桜は咲いたでしょうか。かなり以前に奥多摩の浅間嶺で桜が満開の時期に登り、お花見山行をしたことがあります。遠くの山もいいけれど、近くの山で花見でもしようかということになり、浅間嶺に行ってきました。今回は、払沢の滝の駐車場からのピストンです。

時坂峠周辺では、4月10日ツキノワグマが出没したとの看板がありました。気をつけて行ってきます!

時坂峠から、林道をしばらく歩くと峠の茶屋です。写真はありませんが、茶屋の前の開けたところから馬頭刈尾根、大岳山、鋸尾根が目の前に広がります。

峠の茶屋から山道へ

峠の茶屋から山道に入って行きます。すぐに左側の「そば処 みちこ」を過ぎるとコンクリートの道はなくなります。

昔の名残り道

その昔、この道は武蔵国と甲斐国を結ぶ交易路だったそうです。山道に入りしばらく沢筋を登り、ニリンソウの群落を見ながら、徐々に高度を上げて行きます。

沢筋から山腹にかかる尾根道を行くと緑のシャワーを浴びているような気持のいい山道を緩やかに登って行きます。

右手には、木々の切れ間から御前山と大岳山の山稜が見えます。

左:御前山 右:大岳山

小岩バス停への分岐から、展望台経由で浅間嶺を目指します。

松生山を望む

松生山の分岐を過ぎ、浅間嶺の尾根に出ると、桜が咲いていて正にお花見山行です。

ピンクや色の濃い桜の背景には、大岳山と御前山の山容が青空の下にクッキリと姿を現しています。

浅間嶺の山頂標識の周辺では、多くの登山者が休憩していました。

山頂らしくない山頂

我が隊も富士山の見える場所を確保し、お昼ご飯をいただきます。

富士山

雲ひとつない晴天で、遠くに雲取山を始め石尾根の稜線や奥多摩の主要な山々が望めます。

奥多摩の山々

南側は富士山から丹沢方面の山々も、今日は春霞もなく良く見えました。

丹沢方面

風もなく、お天気も良く昼寝でもしたい気分ですが、そろそろ下山にかかります。浅間尾根休憩所経由で来た道を引き返します。

浅間尾根休憩所

駐車場にザックを置いてから、払沢の滝を見学してきました。

払沢の滝

新緑の奥多摩で山の桜にも逢え、お天気にも恵まれ気持ちのいい一日でした。

S46年卒 碓井

仙人ヶ岳

2017年4月23日(日)

DATE:岩切駐車場9:10 生不動10:00 熊の分岐10:45 仙人ヶ岳11:20 熊の分岐11:50 犬帰り岩場13:30 猪子峠15:00 岩切駐車場15:20


例年、この時期は西上州に「アカヤシオ」(別名:ひとつばな)を見に行っていましたが、今回は足利にある仙人ヶ岳のアカヤシオ情報を得たので行ってきました。関越道から北関東道の大田桐生ICで降車します。駐車場のある場所は、「岩切」という所ですが、ナビを入れてもヒットしないので、「ふるさと学習・資料館」を目標地点として入力しました。資料館を先に進むと左側に車が数台止まっており、ここが岩切の駐車場です。

案内図(時計回りに周遊ルートを行きます)

支度を整え9時10分にスタートです。県道の左手から登山道があり、沢沿いに登り帰路は尾根道を通り、猪子峠から降りてくる周遊ルートです。

 

歩き始めは山菜のこごみやニリンソウが咲いている緩やかな道を登って行きます。戦時中に乾電池のマンガンを採掘した跡がありました。

マンガン鉱採掘坑跡

 

次第に沢沿いの道になり、岩場や丸太の橋が出てきます。

不動滝

しばらくすると、朽ちかけた生満不動に到着します。ここから、熊の分岐までは急な道が始まり、山腹の斜面をゆっくり登って行きます。ミツバツツジが咲き始めていました。

生満不動

 

熊の分岐に出ると、足利の山々が望めます。

熊の分岐

稜線を左へ登って行くと、アカヤシオが咲いていました。もう1週間早ければ、きっと満開だったかもしれません。

 

 

右手に日光の男体山が見えてきました。

遠くに男体山

 

しばらくすると仙人ヶ岳の山頂に到着です。日光や赤城の山々が木々の間から望めます。

仙人ヶ岳(662.9m)

下山は熊の分岐まで戻り、尾根道を猪子峠を目指します。熊の分岐からは岩場交じりのアップダンウが続く稜線歩きになります。

尾根道

 

右側の山腹は、新緑とヤマザクラやツツジなどが咲いていて、春の息吹を感じさせる景色が広がっています。アカヤシオも所々に咲いています。

松田川ダムが左下に見える景色のいい場所で昼食です。ここからスカイツリーや新宿のビル群が遠くに見えました。ここで地元の登山者から、この周辺の情報を得ることができました。
松田川ダム

東京方面

この先、犬帰りまではアップダウンが続く細い道になります。

犬帰りの岩場は下りになるので、迂回路を行きました。

まだまだ、尾根道は続きます。なかなか猪子峠までの道程は遠いです。

やっとの思いで猪子峠に到着です。峠から広くなった山道を県道まで下り、10分程度歩くと出発地点の駐車場に着きました。

猪子峠

 

 

岩切の駐車場

今回の仙人ヶ岳は、標高は決して高くはないですが、景色にも恵まれ、この時期は花々も多いなど目にはいい山でしたが、思った以上にアップダウンのある岩場交じりの尾根道が長く、なかなか侮れない山でした。

 

S46年卒 碓井

 

 

 

 

2016年登り納め(パノラマ台)

2017年12月30日

暮れも押し迫った12月30日。2016年の登り納めは、富士山が良く見える御坂山塊のパノラマ台(標高1325m)に行ってきました。登山口から1時間少しで登ることができ、寒い冬でもお手軽ハイキングを楽しめる場所でした。

県営精進湖駐車場に車を停め、10時に歩き始めます。

登山口はパノラマ台入口のバス亭から階段を上がっていきます。山腹に付けられた道を登っていきます。左側の木々の間から富士山を望み、精進湖が徐々に全体の姿を現し、高度が上がって行くのが分かります。

精進湖

何回かジグザクを繰返し、左に登って行くと少し開けた場所から、大室山を抱いた子持ち富士が正面に鎮座しています。ここで小休止をとります。

大室山を抱く富士山(子抱き富士)

山道を登って行くと右手に三方分山からの稜線が見え始め、根子峠からパノラマ台へと続く稜線が見え始めます。

三方分山

二か所の橋(桟道)を過ぎると、根子峠に到着です。この橋の下にもう一つ橋があります。

桟橋

三方分山からの稜線に出ました。根子峠に到着です。尾根の反対側から木々の間越しに南アルプス北部の白峰三山や甲斐駒ケ岳の山々の白い峰々が見えます。

根子峠
白峰三山(右から北岳、間ノ岳、農鳥岳) 一番右に甲斐駒ケ岳(写真では見えませんが)

標識に従って左に10分程度進むと旧下部町方面への道が分岐している場所です。道標には「千円札の逆さ富士」の撮影所の標識がありました。ここからパノラマ台までは目前です。

下部町への分岐

広い台地の左手に東屋が見えるとパノラマ台に到着です。正面に富士山がドーンと大きなすそ野を広げています。

パノラマ台から右側の山々です。南アルプスの赤石岳や悪沢岳、聖岳が白く輝いています。

右から赤石岳、悪沢岳、聖岳

本栖湖の上にダイヤモンド富士で有名な竜ヶ岳と雨ヶ岳が見えます。元旦の朝は、竜ヶ岳が混みそうです。

本栖湖と竜ヶ岳(左)、雨ヶ岳(右)

今度は、パノラマ台から左側の山々です。

富士山から左側の景色

富士山の左下には青木ヶ原の樹海、左手に精進湖と西湖、遠くには河口湖まで望めます。

足和田山、西湖の奥に河口湖

御坂山塊の山々では、三つ峠山から十二が岳、鬼が岳、王岳、三方分山などが一望です。

右から十二ヶ岳、王岳

三方分山の左奥には瑞牆山と金峰山をはじめとする奥秩父連山から大菩薩連嶺も見えます。正にパノラマ台の名にふさわしい絶景が広がっています。

遠くに奥秩父連山
瑞牆山(右奥)

ゆっくりと景色を満喫し、13時に駐車場に戻って来ました。帰路、富士吉田の名物「吉田うどん」を食べてから帰ってきました。

今回は、お天気にも恵まれ、期待していた雪山ではありませんでしたが、短時間で登れパノラマ台の名にふさわしい景色を眺めることができました。

(昭和46年卒 碓井)

 

 

天空のマンウテンビーチ(日向山)

2016年11月4日(金)

天空のマンウテンビーチから眺める紅葉と周囲の山々の景色を堪能することを目的に、南アルプス前衛の日向山に行ってきました。

中央高速道を長坂ICで降り、道の駅「はくしゅう」を目印に車を走らせます。ここで南アルプス天然水と同じ水をボトルに汲み、日向山に向かう細い林道に入って行きます。この林道は約4.5kmの区間、道幅が狭くすれ違いが難しい道ですが、早い時間であれば降りてくる車はないでしょう。また、登山口(矢立石)の駐車場と言われている場所は、せいぜい15台程度しか停められません。登ってくる途中の避難場所にも所々に駐車している車があり、既に駐車場は満車の状態でした。登山口から少し先に進むと、道幅もやや広くなり縦列駐車が可能な場所があります。どうにか車を停め、身支度を整え8時50分スタートです。

さて、今回のルートは錦滝から日向山に登り、矢立石に下ってくるコースを歩きます。歩き始めてすぐのゲートには、北杜市による通行制限の看板があり、日向山から錦滝に下る道は通行禁止。これから歩くルートは通行注意と書かれています。あくまでも自己責任の山のようです。

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ゲートを過ぎ林道に入ると、荒れた部分もありますが左側の尾白川渓谷を隔てて頭上には少し雪を被った甲斐駒ケ岳が見えます。周りの木々も秋の気配を漂わせ、紅葉をめでながら歩くので、平凡な林道もさほど苦になりません。約45分で東屋が見えると錦滝に到着です。

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dsc03287

dsc03288錦滝からいよいよ急登の連続が始まります。ロープ、クサリ場、階段があり変化に富んだ道です。最初からいきなり急な登りで、木の根を掴みて手、足をフルに使わなくては体が持ち上げりません。

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ハイキングコースの標識がありますが、ハイキングのレベルではなく登山そのもです。ロープのある急斜面を行くと、今度はクサリ場のトラバースが待っていました。谷側に振られないよう慎重に歩きます。

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クサリ場の次は垂直に近い階段を登ります。まだ急登が続きますが、振り返ると木々の間から鳳凰三山や富士山が見え、このあたりの紅葉が見事な色づきを見せてくれます。

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dsc03314富士山

急登も終え少し平坦な場所で小休止です。この場所には小さな道標が木に打ち付けられています。本来は右に登って行くのが通常のルートです。我が隊は鞍掛山に続く直登の急な道を進みます。

雁ヶ原の岩峰群

しばらくすると左右が切れ落ちたやせ尾根に変わり、ここから右に曲がり下って行くと、目の前に雁ヶ原の白砂の風景が突如として目の前に飛び込んできました。

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これまで森林帯の中にいたので、いっきに視界が開け白砂の白さと空の青さと山頂付近で滅多にお目にかからない景色が重なり、感動の瞬間です。このルートを登っていた他のパーティーも、歓声を上げていました。

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dsc03374

雁ヶ原の白砂の斜面を登り左の道に入ると、大明神の石碑が建つ岩の上から、新たに八ヶ岳や蓼科山を望み、雨乞山から甲斐駒ケ岳、鳳凰三山、富士山が抜けるような青空をバックに凛々しい姿を展開してくれます。

dsc03365蓼科山と八ヶ岳

dsc03333雨乞山

dsc03329甲斐駒ケ岳と鞍掛山

dsc03330鳳凰三山と黒戸尾根

dsc_0004富士山と鳳凰三山

紅葉と落葉松の黄葉と岩と白砂の白さと空の青のコントラストは、言葉では言い表せないほど素晴らしい景色になっていました。この白砂の山は、花崗岩が風化して砂になったもので、まるで山の上の海岸にいるような錯覚を起こします。正にマンテンビーチと言っても過言ではありません。

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風もなく雲もなく暑くも寒くもない小春日和。あまりの気持ちよさに昼食を1時間以上も摂ってしまいました。さて、重い腰を上げて山頂に向かいます。山頂からの眺めは、奥秩父方面の山々や角度の違った八ヶ岳が見えます。八ヶ岳山麓の紅葉が見事なようです。

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dsc03377八ヶ岳

山頂から矢立石までは、林間の道で景観は得られませんが、傾斜も緩いため子供でも登ってくることができます。ゆっくり歩いて1時間半で矢立石の登山口に14時20分に戻ってきました。

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お天気にも恵まれ、秋の山を思う存分に楽しむことができ、目的を達成した山行でした。

(46年卒:碓井)

秋の安達太良山

2016年10月12日(水)

ご無沙汰しております。1971年(昭和46年)卒の碓井です。OB会のホームページがリニューアルしたとの連絡を一年後輩の手島君からいただき、数十年ぶりに再会し、青春時代が戻ったようなひと時でした。

今でも月1回のペースで山に登っています。今回は、10月に登った安達太良山をご紹介します。

東京から福島県までの道のりは遠く、安達太良山の登山口までは約250Kmあります。東北道に入り栃木県内の日光連山や那須岳あたりは、雲もなく山頂付近が見えましたが、福島県に近づくにつれ雲行きが怪しくなり始め二本松ICを降りるころには安達太良山は雲に隠れ、その姿が見えません。「ほんとうの空」に会えるでしょうか。

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平日で天気もイマイチですが、駐車場には続々と車が埋まっていきます。身支度を整え、ロープウェイへ乗り場に急ぎます。ロープウェイ(ゴンドラ)は待つこともなく乗車でき、高度が上がるにつれ、窓に水滴があたりガスの中に入って行きます。山頂駅に着くとガスが濃く身体に水滴が付くほどだったので、早速、雨合羽を着込み多くの登山者と一緒に9時40分に歩き始めました。

薬師岳山頂の「みはらし台」から眺める紅葉の絨毯はこの天気では望めないので、「みはらし台」には寄らずに先を急ぎます。霧の中を黙々と歩くしかありませんが、登山道脇の木々が紅葉しているのが、唯一の慰めです。

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仙女平からは岩が多くなってくる道に変わり、峰の辻への分岐を過ぎる付近から、最後の一登りがあり、多くの登山者が登って行きます。安達太良山の山頂の標識では、登山者が記念写真の順番待ちをしていました。

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乳首の上に登ります。山頂の標識から、乳首へはクサリ場を一か所通過し、1700mの頂上に出ます。ここは行き違いが難しいので、登り優先が基本ですが、団体グループが下山優先でどんどん下りて来ました。山のルールは守っていただきたいものです。 クサリ場を抜けると強風の洗礼が待っていました。まるで冬山に登っているようで、耐風姿勢をとらないと飛ばされてしまいそうです。早々と山頂を後にします。

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天気の回復の兆しが見えないので、ロープウェイで降りるか、はたまた計画どおり先に進むか、思案のしどころです。まだ11時20分なので、雨が降らないことを願って先に進みます。

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峰の辻についてもガスが濃く景色も見えないので直接、勢至平に下る道を探したが視界が悪いため、どこが正規ルートなのかよくわからないので、計画どおりくろがね小屋を目指すことにしました。こちらのルートは登山者が前後を歩いているし、道もよく踏まれているので迷うことはありません。山腹をトラバースぎみに小屋へと降りて行く途中、ガスが切れ始め一面の紅葉が目に飛び込んできました。ここぞとばかり、シャッターチャンスです。

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下るに従い徐々にガスが上がり、安達太良山の紅葉の幕開けです。くろがね小屋が見え始めたころは、山稜部分はいまだにガスっていましたが、目の前に錦の絨毯が広がってきました。

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小屋の周辺では紅葉の最盛期と思わせるような景色が広がり、思わず歩くペースが落ちてしまいます。青空だったら、どんなにきれいでしょうか。

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遅い昼食の後、ジープの通れる林道を下って行きます。この林道は途中から旧道に入れますが、この旧道はぬかるみの細い道であまりおすすめできません。

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歩くこと1時間半で「あだたら自然遊歩道」の入口に到着。

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遊歩道を散策して、駐車場に15時50分に戻ってきました。

今日は安達太良山の「ほんとうの空」を見ることができませんでしたが、紅葉もそこそこ見ることができ、満足な山行でした。