会長あいさつ 富樫 克己(昭和43年卒)
1985年10月、霞が関ビルで創部の礎を築いた打矢先輩のリーダーシップのもと、OB会がスタートしました。
私はその後のOB会に参加させていただきましたが何よりも小諸、日新尞の「秋の親睦会」がその最初の機会になりました。中学時代の林間学校の記憶があったからです。初めて会うOBの方々の中に高梨、飯島、神林先生がいました。そして、あの時代から長い年月に思いを馳せました。上野から夜行列車で左沢駅に着き、明け方の土砂崩れトロッコ線を歩き始めた朝日連峰縦走は私に達成感を与えてくれましたし、その未知の世界を経験させていただいた高梨、飯島先生には今でも感謝しております。
その後、数々のOB会のイベントに参加させていただきました。日帰り山行や泊りがけの大きなイベントもありました。七が岳、会津駒ケ岳、四阿山などのほかに日光白根山は感動的でした。獨協卒業後はそれほど山行もせずそもそもマニアックに登山していたわけでもない私にはOB会で企画された渋い山々にはシビレました。これに刺激されて個人的な山行を始め百名山も含めいくつかの山々にも登りました。これらの動機には熱心なOBの方々が熱意をもってOB会を盛り上げた努力がありました。思うに中高年登山の先駆け?今の登山ブームの先駆けだったか?年相応の山、しかし決して初心者ではないセレクトがありました。これはやはり昔から獨協が持つ男子校のダンディズムが背景にある?他より早くトレンドは掴みそれも獨協流のアレンジを必ずしているという感じでしょうか。
スキーにも行きました。そもそもOB達の学生時代はスキーブームでありました。先日、過去のDWVの活動を紹介するFacebookでも昭和37年5月連休の飯豊の山スキーなどの記事もありましたが当時こんな事をしてたのは、ほんの一部の人たちとませた獨協生くらいだったと思われます。越後湯沢、丸山高原、みつまた/かぐら等のOBゆかりの宿に泊まり昔の一級OBとも滑る機会がありました。また、昭和35年卒のクナイスル杉島先輩の民宿で親睦会の後、伊豆が岳など登った事もありました。
昨年から昭和47年卒、手島さん尽力によるOB会ホームページ作成により過去のデータも公開されるようになりました。昔の山行はそれなりに興味深いのですがOB会データの中に昭和49年卒の中野さんの名前が必ずある事です。私の経験からOB会というものは5年単位くらいで熱心な会員がいないと若い人に継続されにくいと思います。
OB会が今後、存続するにはこういう後輩達の存在が大きいと思われます。さらに言えば、レガシー(遺産)?若い人を惹き付ける金字塔が欲しい..ヒマラヤやヨーロッパアルプス遠征とか。今の現役は文化人類学的フィールドワーク中心?OBでも求めるものはそれぞれ異なっておりその名の通り「渡り鳥」トレイル的なものを目指してたヒトやサミット(最高)、著名な山のアルピニズム登山を目指してたヒトなど(カッコイイを目指していたヒトも?)バリエーションがあって良いと思います。
今度はその中野から会長を引き継いだわけですが、OB会の歴史を次にまたつなげていければと思っています。
いずれにせよ新たなOB会が30年間、今日まで継続してきた事に奇跡を感じると共に今後ともに発展する事を願っております。
(30周年記念誌の原稿をもとに「会長あいさつ」として編集掲載させていただきました。)
OB会の設立と現在まで
1955年(昭和30年)、近代登山の草創期においてドイツに興ったワンダーフォーゲルの運動に喚起された5名の生徒が中心となり、獨協学園において初めてワンダーフォーゲル部が創部された。装備も知識も経験も乏しい中で、勇気と様々な工夫と団結力をもって活動は進められ歴史が作られていった。そして年を追って後輩たち新しい部員も加入し、ワンダーフォーゲル部を作った部員は次々に卒業していった。しかし、活動は次の世代へと引き継がれていった。加えて、OBの何人かは現役の山行に帯同していくようになり、それが伝統になっていった。そんな中、OB会としての設立を望む声が湧き上がり、OB各位の親睦と後輩に対してのサポートを目的として1986年4月の総会を経て設立されるに至った。設立に至る経緯の詳細については高梨富士三郎氏設立集会でのあいさつ並びに常盤雪夫氏ワンゲル創部とOB会の設立を参照されたい。
本会は獨協学園ワンダーフォーゲル部OB会として設立以来、年1回の総会、月例会としての山行やスキー、秋の大親睦会と様々な活動を展開している。その歴史はすでに設立以来30年を超えるものになっている。しかし、残念ながら新しい会員の参加がなかなか得られず、卒業した部員と本会の間には数十年の隔壁ができてしまっているのが現状である。また、会員の高齢化も進んできており、総会や親睦会などへの参加も少なくなってきているのが現実である。獨協学園ワンダーフォーゲル部の草創期から現在までの長きにわたる歴史とそれぞれの世代を築いてきた部員会員の思いや記録を新たな世代に引き継いでいくためにも、新しい世代の本会への参加を願うものである。