田部井淳子 人生の生き方と終い方

先日、NHKで「田部井淳子 人生のしまいかた」というタイトルの被災した東北の高校生を富士山へ連れて行く「登ろう!日本一の富士山へ」という田部井さんが発起人のプロジェクトを中心に据えて田部井さんの最期5年間をまとめたドキュメンタリー番組が放送された。

ご存知のように田部井淳子さんは女性初のエベレスト登頂、女性初の七大陸最高峰登頂(セブンサミッター)の記録を残した登山家である。

「あー、おもしろかったと言って死にたい。」乳ガンを発症し、転移した腹膜ガンで余命3カ月と宣告されても、重い足を引きずりながらもこの思いを通し、77歳を生き切ったタフな彼女からはいろいろと学ぶことがある。

田部井さんはたくさんの本を出しているが、もう絶版になっているもののタイトルに惹かれて「人生は8合目からがおもしろい」(主婦と生活社 2011) を図書館で借りて読んだ。

「もう少し人生を楽しんでもいいんじゃない。」「きっと見方も変わるかも。」「ハードルを低くしてわがままに楽しむ」「人の誘いにはまず乗ってみる」 「新しい人との交わりを積極的にと」と田部井さんは誘う。

還暦を過ぎ、子育てが終わり、まるごと自分の時間の幸せと感じ、山登り、シャンソン、ピアノ、ギタレレ、エステ、ピアス、マッサージ、ブログ、競馬、iphone と、思いついたことにどんどん挑戦する姿勢に、女性はかくも逞しいのかと思う。どちらかというと男は体裁を考えたりやせ我慢したり、いろいろとややこしいところがあって立ち止まってしまいがちなものであるが。

人生の先が見えて来た時、田部井さんの人生の生き方と終い方は一つの指針かもしれない。

苦しかったこともたくさんあるだろう。しかし、それも含め「面白かったと言える人生」を歩みたいものである。「損しないで生き切る勧め」なんだろと思う。 S47年卒 手島


本HPに田部井さんの亡くなられた時の記事があります。下記から参照下さい。

田部井淳子さんのこと

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