野川源流を訪ねて

2018年4月1日

野川の源流は荒川や多摩川と違い、山奥にはありません。

古多摩川の侵食によって現在の多摩川からはかなり離れていますが、かつて多摩川の左岸だった所に国分寺崖線(ハケ)と呼ばれる河岸段丘が立川から大田区あたりまで続いています。水はけ良い台地の水は粘土質の難透水層に当たって崖下から染み出して流れとなります。

野川の源流はそんな国分寺崖線から染み出す湧水群が源流になっています。その代表的な源流が国分寺駅の北にある日立中央研究所に端を発します。研究所内にあるために年に春と秋の2回だけ一般に開放されており、今年は4月1日(4月の第1日曜日)が公開日だったので野川の源流になる3箇所の遊水池を訪ねてみました。

駅から見学者とみられるたくさんの人が歩いてきます。

日立の中央研究所は広い敷地面積の中にあり、豊かな武蔵野の自然が保全されています。国分寺崖線に位置していて、敷地内に複数の遊水池があり、そのうちの1箇所を公開しています。敷地内の湧水は元々湿地帯だったところを造成し湧水は大池に集められて中央線の線路をくぐって谷筋を流れて行くいくことになります。

直線部分が中央線線路でその右の窪地が中央研究所の大池
右側の線が国分寺崖線

水源地

底は粘土状原土

数カ所の湧水が元は湿地帯だった大池に集められ、水門から中央線の線路下を通って徐々に太い流れとなって下って行きます。

二つの流れが合流する水門

第二の湧水群 真姿の池からお鷹の道 そして野川

中央研究所からの流れは線路の下をくぐって住宅地の中を通って行きますが、真姿の池のからの湧水と不動橋の所で合流し国分寺崖線に沿って小金井方面に流れていきます。

湧水は真姿の池に集められます。

お鷹の道(解放されている私有地)

不動橋

第三の湧水地になっている都立殿ヶ谷戸公園

殿ヶ谷戸庭園は崖線に位置して高低差をうまく利用して庭園が造られています。ここにも崖の途中に水が湧き出しており、池に注いで行きます。

崖の北向きの斜面にはカタクリの群生地があります。カタクリは夏場の地中温度が高くなると夏越しできないので水を集めて地中温度が高くならない斜面に群生します。カタクリは開花するまで7〜8年かかりますが、それほど広い面積ではないものの発芽したての1年生(マツの葉のような1本棒)から1枚葉などのいろいろなステージのカタクリが見られました。

駅ビルで遅い昼食を食べて、今回の野川源流紀行は終わりです。次の日立中央研究所の公開日は11月18日(日)になります。

S47年卒 手島達雄


コースDATA

国分寺駅11:15 日立中央研究所(見学)11:30  12:10     真姿の池12:50 お鷹の道12:55 殿ヶ谷戸庭園(見学)13:25 13:55    国分寺駅14:00

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