警察庁から昨年全国で発生した山岳遭難についての統計「平成30年における山岳遭難の概況」が6月13日発表されました。
それによりますと全遭難件数は2,661件、遭難者数は3,129人で、ともに統計史上(1961年以降)最多であったことが分かりました。死者・行方不明者は計342人、無事救出されたのは1,586人でした。
発生件数が一番多かったのは長野県の297件で330(死者・行方不明は57)人、続いて北海道201件で243件(死者・行方不明は19)人、東京都147件で158人(死者・行方不明は7)人でした。新潟県、群馬県、神奈川県、富山県がそれに続いています。
遭難事例のうち入山目的で一番多かったのがやはり登山、ハイキングですが、山菜や茸採りなども1割を占めています。遭難の原因としては道迷いが40%程度で、滑落・転倒が30%程度、病気・疲労が15%程度でありました。年齢別では60歳維以上が50%を占め、60代、70代がそれぞれ20%程度を占めています。単独登山者が遭難したケースは全遭難数の4割近くでした。
外国人の遭難者は169人に上り、過去5年間で約5倍に増加した。このうち、111人が訪日観光客で、半数を超える61人はスキー場が管理していない雪山でのスキーやスノーボード目的だったということです。
発生件数の80%近くが遭難現場から携帯電話等によって救助を要請していたようです。携帯電話などの通信手段が有効であるものの、通信可能エリアに制限があることと、バッテリー切れに留意することが大切であると伝えています。報告書では万全な装備品の用意や登山計画書の提出などについても注意を促しています。