エベレストの渋滞

エベレストの登山シーズンは4月から5月の「プレモンスーン」と9月から10月の「ポストモンスーン」というモンスーンをはさんだ2期になります。約4ヶ月のシーズン中でルート開通時期と気象状況を考慮すると登山可能の日数は1年に2ヶ月程度になってしまいます。

ルートはネパール側とチベット側にありますが、ネパール政府だけで今年は5月19日現在で381通の登山許可を発行しているそうです。

昨年のプレシーズンは天候が安定していたので、5月の登頂者数は過去最高の807人でした。ルートの内訳としてはネパール側から563人、チベット側から244人ということでした。

例年5月中の登頂可能日は10〜15日ほどのようでしたが、今年はサイクロンの影響でシェルパがロープをフィックスしての開通が遅れていて、さらに天候もよくなかったので登頂を目指すたくさんのパーティーが待機させられていたようです。

5月15日に8人のシェルパが頂上までのルートを開いたと同時に、30人以上が登頂したもようです。しかし、5月24日には天候が悪化するとの予報になったため、22日には250人以上が登頂し、サウスコルには同じかそれ以上の人が待機していたようです。

2時間待ちの渋滞状態で後ろにも50人が控えていたとの話も伝わっており、登ることも降ることもできずに身動きできない状態が何時間も続いていたようです。

8,000mを超える雪の山中で待機する時間が多いということは酸素ボンベの調整などもあり、高山病や体調悪化のリスクも高まるとことなります。以前にも大渋滞が発生していたことがあったようですが、今シーズンのエベレストでの死亡者数は11 人に及んでおり、まさに生死に直結した問題になります。

近年は公募登山(ツアー登山)が主流になっているので経験が浅く実力のない人も金を払えば行かせてしまう主催者やガイドのリーダーシップの問題、チベット政府の問題、気候の変動などもあり、エベレスト登山のあり方が問われています。

今回のエベレスト大渋滞については衝撃的な画像が配信されています。著作権の問題もあるので画像を添付することは避けますが、Face Bookの記事をシェアしましたのでご覧ください。

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