獨協中学・高等学校ワンダーフォーゲル部OB会メールマガジン 2019/11/29
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DWVのOBを山の話題で結ぶメールマガジン11月号の配信です。
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【1】ドローンを活用した山岳救助の実験
【2】コロンビアスポーツの”マザー”逝く
【3】バック型携帯基地局で遭難者救助
【4】ドングリが不作で熊の出没に注意
【5】登山家の田部井さんを記念して
【6】朝日連峰に新しい登山基地が出来る
【7】行ってきました 山行Now
【8】編集後記
【9】記事の募集とマガジンについて
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【1】ドローンを活用した山岳救助の実験
11月の雪の積もった富士山に軽装で登り、インターネットでライブ発信していた人が滑落して死亡したという事故が話題になっています。
インバウンドを含めて観光気分で富士登山をしていて高山病や低体温症、疲労などで救助が必要になるケースが年々増えています。2019年の2カ月の開山期間中、御殿場消防署山岳救助隊では18回の出動要請があったということです。
そんな中、御殿場消防署では11月から1ヶ月間遭難者捜索のために実験的にKDDIの「スマートドローン」が導入されました
。昨年10月、KDDIは富士山御殿場ルートでスマートドローンを使った「ドローン山岳救助支援システム富士山実証実験」を実施し、同年11月には御殿場市と「包括連携協定」を締結して富士登山の安心・安全への取り組みを進めてきており、本年11月より1ヶ月間、御殿場消防署にスマートドローンが配備されることになったということです。
KDDIのスマートドローンはコンパクトでありながら、標高の高い場所で強風の中でも飛行できるよう大型のプロペラを備えており、上空から地上を捜索するために光学30倍ズーム機能を持つフルHDカメラを搭載した山岳用にカスタマイズされた物だということです。
救助隊はスマートドローンとともにクルマで出動し、登山口で上空にドローンを飛ばし、同時に並行して人力でも捜索行います。ドローンの映像は登山口に残った隊員と消防署の両者でモニタリングするということです。ドローンを活用したより迅速で精度の高い捜索を目指して実証が進められているということです。
この山岳救助にドローンを活用しようとする取り組みは御殿場署だけでなく京都府福知山消防本部でもドローンを使って捜索し、救助隊が現着してヘリコプターで搬送するという一連の合同訓練を実施しているということです。
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【2】コロンビアスポーツの”マザー”逝く
コロンビアスポーツウェアカンパニーの会長で“マザー”として慕われたガート・ボイル氏が去る2019年11月3日に亡くなりました。(享年95歳)
ガート・ボイル氏は社長としての業務はもちろん、同社のアイコンとして広告塔にもなって活躍されていた人です。ガート・ボイル氏は創業者ポール・ラムフロムの娘で、二代目社長に就いた釣り好きの夫のためにポケットのたくさんついたフィッシングベストを考案し同社のベストセラー商品になったのを始めとして、早逝した夫の後を継いで社長になり息子に後を任せるまで50年以上に渡って責任者として業績の拡大に努めた人です。
このガート・ボイル氏については以前本ホームページで取り上げているので、下記を参照ください。コロンビアスポーツのゴッドマザー
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【3】バック型携帯基地局で遭難者救助
KDDIではバッグ型(可搬型)の携帯電話基地局を開発。新潟県魚沼市消防署の協力を得て、遭難者を携帯電話の電波を使って捜索するという実証実験を行ったということです。
魚沼市にある荒沢岳は登山者に人気だそうですが、携帯電話の電波がつながらない所にあります。年間10件ほど遭難者の捜索に出動しているということです。
そこで遭難者を探すため、このバッグを持ったスタッフがヘリコプターに乗って上空から携帯電話の電波を発射。圏外の場所でも遭難者の居場所がタブレットの地図上に表示され、GPS情報を取得することで位置情報の詳細も確認でき、現地指揮本部に緯度経度を伝達することが出来ます。さらに遭難者に対してSMSを送信したり、ヘリコプターの基地局を経由して、音声通話することも可能になるということです。
上空300mでヘリコプターが飛んだ場合、横方向に1.6kmの範囲で音声通話が可能で、SMSや携帯電話のGPS情報を取得するのであれば、2kmの範囲まで電波を飛ばすことができるということです。
遭難者の捜索をより迅速に効率的に行えるアイテムが増えてきているのは喜ばしいことです。
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【4】ドングリが不作でこの秋は熊の出没に注意
ドングリ(ミズナラ、コナラ、クリなど)の豊凶作とクマが目撃される頻度には関係があると言われています。クマは冬眠前にエネルギー源になる大量のドングリを採食するということですが、ドングリが不作または凶作の場合にエネルギー収支を補うために里山に出でくるケースが多くなるのではないかと考えられています。
群馬県内では8月には177件、9月にも123件のクマの目撃情報や出没が確認されています。現在の統計で最も多かった12年度の777件を大幅に上回っており、今後さらに増える見込みだということです。岐阜県でもクマの目撃件数は昨年は286件ありましたが、今年は9月末までで481件となっているそうです。
群馬県では9月上中旬に利根沼田地域でブナ、ミズナラ、コナラ、クリ、ミズキを対象にドングリの実り具合を調査しており、ミズナラ、コナラ、クリは不作、ブナは大凶作となっているとして、5種の合計を不作と認定しています。
食料が乏しいことで、クマの行動範囲が広くなる可能性が高いとして、「山に入る際は複数人で行動したり、鈴やラジオなど音の出るものを携帯してほしい」と警戒を呼び掛けています。
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【5】登山家の田部井さんを記念して冥王星と日和田山に田部井さんの名が記されました
女性初のエベレスト登頂や7大陸最高峰登頂など数々の山歴を持ち、2016年に77歳で亡くなった田部井淳子さんを記念して国際天文学連合は冥王星にある山に「タベイ山」と命名することを決めたということです。
タベイ山は、特徴的なハート形をしたスプートニク平原の南側に位置するということです。命名を扱う作業部会メンバーの渡部潤一・国立天文台教授によると、冥王星の地形を撮影した米探査機ニューホライズンズのチームが提案したということです。
さらに、日高にある日和田山の登山口にはこの度、田部井さんの記念碑が地元有志によって建てられました。田部井さんは若い頃から日和田山に岩登りの練習に訪れ、また晩年ガンを発症した後も自宅の川越市から毎週のように訪れ、リハビリを続けていたということです。
田部井さんの月命日になると、田部井さんを慕う登山愛好家が集まり「思い出登山」を実施しているそうです。登山道口の脇にある駐車場に設置した記念碑は、エベレストをモチーフにした「山型」で、笑みを浮べる生前の田部井さんの写真と感謝文が刻まれているそうです。
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【6】朝日連峰に新しい登山基地が出来る
かつてDWVではアルプスのように混んでいたり、危険な箇所もなく時間をかけてゆったりした縦走を経験することができるということもあって夏合宿では朝日連峰や飯豊連峰によく登っていました。当時は小学校にテントを張ったり、トラックをチャーターしたりとアプローチもなかなか不便なものでした。
そんな朝日連峰の登山口になる古寺に宿泊可の「大江町朝日連峰古寺案内センター」が完成したそうです。来年5月からの営業を目指して準備が進められているそうです。
案内センターは木造2階建てで、延べ床面積は約276㎡。和室1室に25人の宿泊が可能で食堂や会議室も備えており、防災拠点や山岳救助の前線基地としても使用される予定だということです。
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【7】行ってきました 山行Now
「行ってきました」で今まで掲載してきた山行記録を一覧表にまとめてリンクを貼ったページをホームページの上メニューに加えました。下記からもご覧いただけます。「行ってきました」過去山行記録一覧
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【8】編集後記
今回取り上げた御殿場消防本部や福知山消防本部だけでなく香川県ほかでもドローンを使った山岳捜索や物品の輸送などの実証実験が盛んに行われています。熱感知カメラにより要救助者を見つけやすくするなど、より高度な捜索も可能になってきているようです。
しかし、そもそもドローンは軍事目的で開発された物です。第二次世界大戦中に開発が進められましたが製品化するまでには至らず、1995年に軍事用ドローンの「RQ-1 プレデター」が偵察機として開発されました。これを基にさらに開発が進められ、今やシリアなど戦闘の最前線で攻撃用無人機として戦闘機に代わるものとして使われている背景を考えると複雑なところがあります。
飛行機やロボット、コンピュータやインターネットのようにどのように使っていくかが問われるのでしょうが、いずれにしても世の中を変えてしまうアイテムの一つになっていくのかも知れませんね。
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【9】記事の募集とマガジンについて
このメールマガジ ンは毎月1回(発行日は不定)、OB 会会員にお送りしているものです。次号以降配信が必要ない方は、メールでその旨お知らせください。また、記事はホームページにリンクしていますので、今後別のアドレスへの配信を希望される方はその旨連絡下さい。
本ホームページでは記事を募集しています。投稿・寄稿をどうぞお寄せ下さい。山行記録は当時のものでも個人の新しい記録でも結構です。当時の写真だけでも記録として蓄積したいと思っていますので、宜しくお願いします。山行記録のほかに、紀行文、コラム、近況報告などの直接投稿やメールでの寄稿もよろしくお願いします。
※投稿やお問い合わせメールは dokkyo.wvob@gmail.com 担当手島までお願いし ます。
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手島様 今年も一年間メールマガジンをありがとうございました。 8月の白馬山山行記録を拝読して何回か同じコースを歩きましたので懐かしく想い出しました。50年前に栂池と岩岳の間に位置する原野に友人たち10人(内、独協卒6人且つワンゲルOB4人)と小屋を建て遊びましたが建物は健在ですがメンバーのうち8名が逝去され80歳を過ぎてから後継者もなく維持管理の継続に限界を感じておりましたところ幸い地元の方が引き継いでくださることになり安堵しました。
そんな小屋があったんですか。行ってみたかったです。
今年も残り少なくなってしまいましたが、どうか良い年をお迎えください。