獨協中学・高等学校ワンダーフォーゲル部OB会メールマガジン 2020/1/30
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DWVのOBを山の話題で結ぶメールマガジン1月号の配信です。
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【1】昨年と年末年始の山岳遭難事故
【2】あの人も山を楽しんでいます
【3】駒ヶ岳ロープウェイが運休
【4】ダイポールモード現象
【5】オールフリー ワンプッシュ
【6】山岳遭難と伝書鳩
【7】行ってきました 山行Now
【8】編集後記
【9】記事の募集とマガジンについて
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【1】昨年と年末年始の山岳遭難事故
長野県警山岳安全対策課によりますと、昨年1年間に県内で発生した山岳遭難は265件で、前年より大幅に減少し、おととしより32件減ったということです。遭難者数も290人で、2012年以来7年ぶりに300人を下回ったそうです。
これは夏が天候不順だったために、きのこ採りなどの入山が減ったことや、登山者が天候を確認するなど安全意識の向上が効を奏したとみられています。
また、年末年始の山岳遭難事故は全国各地で15件発生し、9人が亡くなられています。(12月30日~1月3日)
西穂高岳 1件1名死亡、槍ケ岳 1件2名負傷、八方尾根 1件1名重体、伊那前岳 1件1名死亡、宝剣岳 1件1名重傷、北岳 1件1名死亡、甲斐駒ケ岳 1件1名死亡、小赤石岳 1件1名負傷、雁坂峠 2件2名死亡、富士山 3件2名死亡 1名負傷、八ケ岳 2件1名死亡 1名重傷
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【2】あの人も山を楽しんでいます
登山もハイキングや縦走、ライミング、トレールランニング、スポーツクライミングなど楽しみ方も多様化し、年齢も若い人から超高齢者まで多層化しています。そんな中、皆さんもよく知っている人も山を楽しんでいるのをご存知ですか。
市毛良枝さん、石丸健二郎さん、釈由美子さん、小野寺昭さんなどは山関係のTVやラジオにもよく出演しているのでよく知られいますが、その他にも芸能人や作家でよく山に行っている(いた?)人も多いようです。
芸能人では吉田類さん、岡田准一さん、杏さん、小島聖さん、藤井フミヤさん、高橋一生さん、堀ちえみさん、中谷有紀さん、金子貴俊さん、宍戸開さん、工藤夕貴さん。作家では夢枕獏さん、駄星周さん、椎名誠さん、湊かなえさんなども山を楽しんでいます。片山右京さんは今は自転車のようですが、レーシングだけでなく本格的に登山もしていました。杏(渡辺)さんなどは20歳の時に奥穂からジャンダルムを経由して西穂高を登ったそうです。
これらの人がプライベートで登山を楽しんでいるのに対して”プライベートでは山には登りたくない”、と言いながら山に登っているのがタレントのイモトさんです。イモトさんは日本テレビの「イッテQ!」登山部で仕事として、「やだー!怖い、怖い!」と言いながらもマッターホルンやアイガーを始め厳しいアルペンコースを踏破しています。下山はヘリを使うなどして批判もされたもしていますが・・・。
完全なサポートを受けながらの登山ではありますが、その勇気と体力、スキルは見事なものだと思います。ある意味でプロの登山家とも言えるのかも知れません。
イモトさんの登山歴をWikipediaの記事からまとめHPに掲載しましたのでご覧ください。
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【3】駒ヶ岳ロープウェイが運休
中央アルプス駒ヶ岳ロープウェイはメーカーの点検によりロープウェイ支柱下部の部材の変形が見られたことから当面の間運休することになりました。修繕工事が必要なものの冬季のために修理作業は困難であるため工事開始及び完了の見通しは立てられない状況のようです。ロープウェイが運休のため、ホテル千畳敷の営業も休止となっています。
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【4】ダイポールモード現象
去年の夏は天候不順で、今年の冬は各地で雪不足が続くなど異常気象が顕著になってきています。山岳地帯でもだいぶ積雪が少ないようですし、ぬかるみになっている所もあるようです。
この異常気象は日本だけのことではなく、オーストラリア南東部では昨年秋から山火事が多発し、かつ広範囲に広がっています。オーストラリアでは毎年のように山火事が多発していますが、昨年からの山火事は特別のようです。落雷や放火などが直接的な原因となっているようですが、基本的には高温乾燥が続いていることにあります。本州の半分ほどの面積の森林や家屋が焼失し、たくさんの動植物が死傷し、なお被害が続いています。20人近くの死者も出ています。
このオーストラリアの高温乾燥も日本のかつてない暖冬もインド大陸の西部と東部の海面温度の異常であるダイポールモード現象によるものだということです。逆にインド北部では大雪で各地で雪崩が起き、パキスタンやアフガニスタンも含めると160人以上の死者が出ているということです。アンナプルナでは降雪による雪崩が起き、200人以上が巻き込まれ、韓国やネパール人7名が行方不明となっています。また、カナダでは大雪が続いていて、東のニューファンドランド・ラブラドール州は非常事態を宣言しています。
日本に来ない寒気がカナダやロシアにドッと流れ込んで来ているためのようです。海面温度の異常が気流の流れを変えて、地球規模の異常気象をもたらしています。正負のダイポールモード現象やエルニーニョやラニーニヤなどの異常気象が地球規模の気候変動、大地や動植物の変動をもたらしています。
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【5】オールフリー ワンプッシュ
オールフリー、ワンプッシュ、ロープソロという言葉をご存知でしょうか。
ビールやお酒ではありませんよ。クライミングをやっている若い人はご存知かも知れません。2018年アカデミー賞ドキュメンタリー映画賞を取った「フリーソロ」というアレックス・オノルドが2017年にヨセミテのエル・キャピタンの挑戦をまとめた映画を観た方はご存知かも知れません。
近年のクライミングは登山からは半ば独立し、スポーツクライミングのボルダリングやリードなどのように壁を登ることだけを目的としたスポーツスタイルに変わってきています。特に落ちた時に身を守るための道具以外は使用しないで岩を登るフリークライミンングが流行ってきています。室内人工壁のボルダリングから登山を経験しないで岩場に臨む人もいるようです。
さて、「オールフリー」と言う言葉ですが、全てのルートをフリースタイルで登り通すことを言います。また、「ワンプッシュ」とは一度壁に取り付いてから一度も下りることなく完登することを言います。「ロープソロ」はロープを各ピッチの出発地点のアンカーにリードロープを固定してブレーキのかかる補助具などを使いビレイパートナーを置かず一人で登り切ることを言います。
また、先の映画のタイトルにあった「フリーソロ」とは、ビレイや中間支点(プロテクション)などを一切使用せずに空身で登り切ることを言い、万が一落ちた時に自分を止めてくれるものは何も無いというスタイルのクライミングを言います。
映画の舞台となったヨセミテのエル・キャピタンは垂直に切れ立った1,000mの一枚岩ですが、アレックス・オノルドはバンに寝泊りしながらロープをつけて何度もトレーニングを積み重ねた後ではありますが、ロープなしで落ちたら命はないと言う途方もないリスクを背負ってのクライミングを成功させました。3時間56分で完登したそうです。
映画「フリーソロ」はアマゾンPrime videoでも配信されています。
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【6】山岳遭難と伝書鳩
今でこそ山岳遭難事故でも携帯電話で救助要請をすることが一般的になっていますが、1960年代あたりまでは伝書鳩がその役割を担ってもいたようです。伝書鳩は明治時代になってから軍事目的の通信手段として導入されて以来、広く使われるようになっていました。
1960(昭和35)年9月19日に谷川岳一ノ倉沢の衝立岩で起きた登山者2人の宙吊り事故がありましたが、その時にも事故の写真をいち早く伝えようと新聞記者が土合小屋の遭難救助用の伝書鳩を借りてフィルムのパトロネーを鳩の体に結びつけて飛ばしたそうです。
山岳遭難の防止と救助を目的に伝書鳩を利用しようとしたのは、北アルプスの登山基地である大町で三田旭夫が伝書鳩を使うために昭和11年(1936)に中部山岳鳩協会を設立し、昭和16年まで大町駅前で登山者に伝書鳩を貸し出していたのが最初のようです。
上越線の開通とともに谷川岳は一ノ倉沢をはじめバリエーションルートでの遭難事故が多発しており、「魔の山」として名を馳せていました。谷筋のために無線もなかなか通じない所でもあったために、いち早く事故を伝える手段として昭和33年に土合駅近くに鳩小屋を作って500羽もの鳩を飼育し、登山者に無料で伝書鳩を貸し出していたそうです。登山者は鳩の入っている箱を担いで登ったそうです。鳩は麓の鳩小屋まで3分くらいで帰着出来たと言うことです。鳩によって助けられた登山者も多かったのでしょう。
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【7】行ってきました 山行Now
今月も新しい山行記録はありませんので、過去ログから1月の山行をピックアップしてみました。
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【8】編集後記
近頃、オンラインのオークションサイトやフリマサイトが賑わっていますが、小生も先日「メルカリ」デビューしました。
まだまだ使えるけどもう使わないと思う山道具なども結構あるので、出品してみました。
エスビットのアルコールストーブ五徳付きは2,200円、モンベルのヘルメットは4,800円、チェーンスパイクは1,000円、エバニューのkanteen&kettleは3,000円、グレゴリーのZ35ザックが5,000円、アルミのケトルが1,400円で売れました。
梱包材料費のほか売り上げから手数料や送料などの経費が引かれますが、リサイクルセンターに持って行くよりも高い値で直接欲しい人に売れるので結構いいかもしれません。
50年近く前のグランテトラのビンテージ水筒は4,000円から7,000円くらいが相場のようで、5,500円の値を付けて出品していますが、まだ買い手は付きません。
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【9】記事の募集とマガジンについて
このメールマガジ ンは毎月1回(発行日は不定)、OB 会会員にお送りしているものです。次号以降配信が必要ない方は、メールでその旨お知らせください。また、記事はホームページにリンクしていますので、今後別のアドレスへの配信を希望される方はその旨連絡下さい。
本ホームページでは記事を募集しています。投稿・寄稿をどうぞお寄せ下さい。山行記録は当時のものでも個人の新しい記録でも結構です。当時の写真だけでも記録として蓄積したいと思っていますので、宜しくお願いします。山行記録のほかに、紀行文、コラム、近況報告などの直接投稿やメールでの寄稿もよろしくお願いします。
※投稿やお問い合わせメールは dokkyo.wvob@gmail.com 担当手島までお願いし ます。
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