メールマガジン8月号 / 2020

獨協中学・高等学校ワンダーフォーゲル部OB会メールマガジン 2020/8/29

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DWVのOBを山の話題で結ぶメールマガジン8月号の配信です。

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【1】 熊との遭遇が増えています

【2】山小屋エイド基金

【3】米カリフォルニア州の山火事

【4】下山中の遭難事故が多発

【5】「石丸謙二郎の山カフェ」

【6】剱岳チンネの白骨死体

【7】行ってきました Now

【8】編集後記

【9】記事の募集とマガジンについて

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【1】熊との遭遇が増えています

この夏、温暖化や長雨で熊の食料となる動植物が少なかったことに加えて、コロナ禍により野良や里山と奥山の境界が判然としなくなっことも合間ってか、今まで来なかったところまで熊が下りて来ているようで、各地で目撃情報や遭遇により怪我を負うような事故が多くなっています。今年は日高山系で起きた福岡大学ワンダーフォーゲル同好会のヒグマによる執拗な襲撃により3人が殺された衝撃的な事件から50年になるそうです。(事件の様子はこちらか)

8月9日午前0時ごろ、上高地の小梨平キャンプ場では、テント泊をしていた50代女性が、食料をあさりに来たとみられるツキノワグマ1頭に襲われ、右脚を10針ほど縫う怪我を負いました。

周辺では7月下旬から熊が目撃されており、環境省中部山岳国立公園管理事務所がわなを設置し、8月4日に1頭が捕獲され、奥山放獣するなどして警戒を強めていたところだったそうです。前日にも複数のテントが荒らされていたということです。

熊は体重80キロ程度の雄の成獣とみられ、1人用テントを20メートルも引きずり、内にいた女性は外から貫いた熊の爪で脚に怪我を負い、トイレに逃げ込んだということです。テントの中にあったレトルトカレーは完食されていたとのことです。襲った熊は13日に捕獲されましたが、キャンプ場は引き続き閉鎖されているようです。

熊はこれから冬眠に備えて食料確保のために活動が活発になることから、人間と遭遇する機会も増えてくることが予想されます。テント泊や行動中の熊除けに気をつけなくてはならないようです。

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【2】山小屋エイド基金

山小屋エイド基金は登山の自粛が続く中、宿泊場所、登山道の保守、避難場所としてお世話になっている山小屋を応援するため「山と溪谷社」が立ち上げた募金のプロジェクトです。

募金は8月13日に締め切られましたが、活動には9,442人が応募し、96,871,982円の支援金が集まったということです。寄せられた支援金は、リターン制作費、手数料など(約10%)を差し引いた金額を分配先となっている山小屋に均等に分配するということで、参加登録されている100軒の山小屋に約80万円ほどが分配されるということです。

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【3】米カリフォルニア州の山火事

アメリカやオーストラリアなどの乾燥地帯では毎年のように大規模な山火事が発生していますが、現在アメリカ西部カリフォルニア州で起きている山火事は、焼失面積が記録的な規模に拡大し、死者も7人に上っているようです。(現況は少し違っているかも知れません。)

落雷が原因と見られますが、現在も600を超える山火事が発生していて、これまでに東京都の2.5倍にあたる5,600平方キロメートルが燃えたということで、州全域に非常事態が宣言され対応にあたっているということです。

S46年卒の笠原氏はカリフォルニア州のアーバイン(デズニーランドや大谷の所属するエンジェルスの本拠地のアナハイムの近く)に居住しているのでメールで聞いたところ、山火事の影響はないものの、コロナの影響が残っているとのことでした。

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【4】下山中の遭難事故が多発

長野県警ではこの夏の登山におては比較的危険性の少ない場所で起きた転倒・滑落事故が多いことを指摘し、集中力を高めて油断のない行動をするよう促しています。

事故の多くは、疲労がたまりやすい下山中に発生しており、転倒・滑落の多くが、ハシゴや鎖が設置されている「危険箇所」よりも、比較的危険性の少ない登山道上で発生しているとのことです。これは視覚的に危険性が明らかな場所では、自然と緊張感が増して、慎重な行動を心掛ける一方、一見すると危険性が見えない登山道では、つい油断をしてしまうことからのようです。また、この季節は厳しい暑さによる脱水や疲労により、注意力が散漫になってしまったりすることなども挙げています。

8月の第3週だけでも、槍ヶ岳の槍沢、蝶ヶ岳の槍見台、白馬岳の大雪渓、八ヶ岳の夏沢峠、奥穂高岳のザイテングラート、上田市太郎山の裏参道、雨飾山の笹平付近、中央アルプス将棊頭山の桂小場、甲斐駒ヶ岳から北沢峠への登山道、南アルプス鋸岳の山頂付近、後立山唐松岳の扇雪渓で、それぞれ下山中の転倒、滑落、疲労事故が発生しています。

疲れやちょっとした気の緩み、油断がレスキューを呼ぶ事故に直結するので気を引き締めて望まなければならないようです。

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【5】「石丸謙二郎の山カフェ」

NHKラジオ第1では毎週土曜日の8時05分から9時55分まで、山好きの石丸謙二郎さんと局アナの山本志保さんがMCを務めるの「石丸謙二郎山カフェ」という番組を放送しています。

“ 朝日に輝く山々を眺めながら、COFFEEを片手にほっとひと息…。すがすがしい空気とともに、山のトピックや山を愛する人たちとの語らいをお届けする「カフェ」” が番組のコンセプトになっています。

8月29日は「山の滝を探して」をテーマに放送されました。1週間は「聴き逃し」番組としてネットで聴くことができるので、一度聞いてみて下さい。

「山の滝を探して」前半

https://www.nhk.or.jp/radio/player/ondemand.html?p=4750_01_1523168

「山の滝を探して」後半

https://www.nhk.or.jp/radio/player/ondemand.html?p=4750_01_1523171

NHKラジオインターネットアプリ 「らじる⭐︎らじる」のダウンロードはこちらから

https://ja.popsilla.com/app/nhk-radio/download/?gclid=Cj0KCQjw1qL6BRCmARIsADV9JtaYNX7FQHu1lpap1CprMKaSeWOUgdRnA42S6qonUd79ToHbTYqgIQEaAnq1EALw_wcB

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【6】剱岳チンネの白骨死体

8月27日、剱岳を登山中に行方不明になっていた単独行の男性を捜索していましたが、チンネ付近で富山県消防防災ヘリが岩場で横になっている男性を発見し、収容されjましたが、残念ながら死亡が確認されました。外傷があ流ことから、滑落したものと判断されました。

また、この収容中、現場から50mほど下で、ほぼ全身分の白骨化した遺体が発見されました。警察が身元や死因など捜査しているということです。剱岳では2016年にも富山県警山岳救助隊が訓練中、偶然に一部白骨化した死体が発見され、1年前に行方不明になっていた人であることが確認されています。

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【7】行ってきました Now

高尾山  いろはの森(8月3日)

燕岳(8月6日〜7日)

8月の過去ログから

会津駒ケ岳   唐松岳   岩木山   八甲田山   白馬岳   立山

9月の過去ログから

雨飾山  御嶽山  雁ヶ腹摺山

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【8】編集後記

コロナ禍の中、皆さんお元気でお過ごしでしょうか。感染のピークは過ぎたということですが、タレントやアスリートなど広い範囲で感染が広がって来ているようで心配しています。

8月も終わりですが、まだまだ暑い日が続いており、熱中症にも気をつけなくてはなりません。

熱中症と新型コロナの症状とは共通するものが多いということです。全身倦怠感、頭痛、吐き気や食欲がないといった消化器症状、筋肉痛、関節痛、発熱などは新型コロナの中等症の症状でもあり、熱中症の症状でもあるということです。

新型コロナに特徴的だと話題の味覚異常も、熱中症でも起こるそうです。また、街中や登山中などで倒れるなどした人と遭遇した場合、一般の人でも熱中症なのか脳梗塞なのかを判断しなければならない状況に立たされることもあるかも知れません。2018年にHPに掲載した「熱中症と脳梗塞の見分け方と対処の仕方」の記事はこちらから。

皆さん、コロナが潜む日常に負けないでいきましょう。 打矢さんからの「残暑お見舞い」

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【9】記事の募集とマガジンについて

このメールマガジ ンは毎月1回(発行日は不定)、OB 会会員にお送りしているものです。次号以降配信が必要ない方は、メールでその旨お知らせください。また、記事はホームページにリンクしていますので、今後別のアドレスへの配信を希望される方はその旨連絡下さい。

本ホームページでは記事を募集しています。投稿・寄稿をどうぞお寄せ下さい。山行記録は当時のものでも個人の新しい記録でも結構です。当時の写真だけでも記録として蓄積したいと思っていますので、宜しくお願いします。山行記録のほかに、紀行文、コラム、近況報告などの直接投稿やメールでの寄稿もよろしくお願いします。

※投稿やお問い合わせメールは dokkyo.wvob@gmail.com 担当手島までお願いし ます。

高尾山(上り いろはの森 下り 6号路)

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昨秋からの腰痛とコロナの影響で半年山から遠ざかっていたが、腰痛は治らないものの痛みに慣れていかなければならないのではと思い、足慣らしから始めてみようと高尾山に出掛けた。

JR高尾駅から小仏行きのバスで日影で下車。バス道の516号をしばらく進むと左手に日影林道の入り口がある。現在、日影林道は大雨による崩壊でキャンブ場から先の通行が制限されている。

あまり人が少ないうちに登ろうと、朝早く中央線に乗った。日影バス停で降りる人はなかった。バスに乗った登山者の多くは小仏まで行くようだ。

登山口

登山口には登山届けのポストも設置されていた。

日影沢は入り口近くでも大雨被害の爪痕が残っていた。

いろはの森の登山道については、問題なく通行可能となっている。

キャンブ場

この先、日影林道は交通止めとなっている。

いろはの森のコースは登山道に沿っていろは48文字で始まる木が登山道に沿って植えられていて、木の名前に因んだ和歌が表示されているちょっと趣のあるコースである。日影沢の名前のように薄暗い登山道である。

4号路と交差するが、いろはの森コースはそのまま突き抜けて行く。

最後に木階段がしばらく続く。

舗装された1号路に出て、いろはの森コースはここで終了。1号路をしばらく行くともう高尾山頂上になる。いろはの森コースでは朝が早かった事もあるが、誰にも会うことはなかった。

時刻は8時半。人はまばらで、十分過ぎるソーシャルディスタンス。

マスクを着けて登っている人もいたが、高尾山はバフ(フェイスガード)を着けた人も多かったので、試しに着けて「一丁平」まで登ってみることにしたが、息苦しいし、口にペタついてやはり鬱陶しい。

一丁平園地に到着。今回はここでUターン。

「もみじ平」や山頂へは向かわずに、トラバースルートを選択。このルートは登山道が狭く、植物が生い茂っていて、あまり歩く人はいないようだ。

トラバースルートが3号路と6号路と交差する地点から琵琶滝のある6号路から下山することにした。このあたりからハイカーがたくさん上がって来た。

6号路は沢沿いの自然豊かなルートだが、大雨の影響で飛び石も流されてしまったようだ。

琵琶滝

薬王院の水行道場である琵琶滝。

弘法大師ゆかりの岩屋大師の祠が琵琶滝のすぐ下にある。祠の少し下に小さな滝も流れている。

岩屋大師

ケーブル駅に到着。天気も良く、久しぶりのハイキングで大汗をかき、パンツまでぐっしょり濡れてしまった。替のズボンまで持って行っていなかったので1時間くらいベンチに座って乾かすことになってしまった。

s47年卒 手島達雄


コースDATA

いろはの森登山口  7:30    キャンブ場  7:35    交差点  8:15    木階段8:23    1号路  8:30    高尾山頂上  8:30    もみじ台  8:50    一丁平園地  9:15    6号路  10:00    琵琶滝  10:40    岩屋大師  10:42    高尾山駅  11:05

燕岳(2,763m)

202086()7()

東京を4時に出発し、安曇野ICで高速を降り中房温泉へ。

すでに登山者用第1、第2駐車場は一杯で、有明荘のすぐ上の第3駐車場に駐車しました。

登山相談所で登山届けを提出。登山者は非接触体温計で計測してから入山になります。

登山口のすぐ脇にある無料トイレ
湯原の湯

登山口のすぐ脇には中房温泉の日帰り温泉施設の「湯原の湯」があり、700円で入浴できます。燕山荘と同じグループの有明荘の入浴料金は620円で、燕山荘に宿泊すると有明荘入力の100円引きクーポンがもらえます。

登山口から登って行くと、すぐに北アルプスの三大急登(劔岳の早月尾根、烏帽子山のブナ立て尾根)と呼ばれる合戦尾根の急登が始まります。およそ高度200mぐらいの間隔でベンチが設置されています。

第一ベンチには唯一の水場がありますが、登り始めで水を補給するまでもないので、わざわざ水場に降りる人はいないようです。

第二ベンチ
第三ベンチ
富士見ベンチ

天気もよく、大汗をかいて合戦小屋に到着。

合戦小屋はスイカと肉うどんが名物な宿泊を伴わない山小屋で、ひと息つきました。

地元産のスイカで、従来1カット800円だったようですが、今年はその大きさを半分にして500円で販売していました。

この小屋までは荷揚げ用のリフトが敷設されています。

モミジカラマツ
ミヤマゼンコ
ウサギギク
セリバシオガマ

合戦小屋を過ぎると、比較的なだらかな風化した花崗岩の尾根になりました。

ハクサンフウロ
タテヤマアザミ

合戦の頭の三角点

「合戦の頭」を過ぎると森林限界を超えてハイマツなどが広がる明るい稜線に出ました。遠くに燕山荘の赤い建物も見えて来ました。いろいろな夏の高山植物も楽しませてくれます。

ハイマツ
ハクサンシャクナゲ
チングルマの綿毛
ゴゼンタチバナ
コバイケイソウ
オンタデ
ミヤマトリカブト
テガタチドリとハクサンフウロ

クロトウヒレン

ヤマハハコ
アキノキリンソウ

燕山荘のすぐ下にテントサイトがあります。

熱中症なのか、高山病なのか途中から気持ちも悪く吐きそうになりながら、14:10に燕山荘に到着しました。

今年は新型コロナの影響で燕山荘は完全予約制になりました。1泊2食付で11,000円 。

3畳の2段になった蚕棚が廊下の両脇に並んでいて、通常は4枚の布団を敷いて提供していたようですが、半数の2人に定員を絞っていて、しかも真ん中にスクリーンカーテンが設置されていました。指定の場所までスタッフが案内してくれました。

換気も徹底されていて、共用スペースの窓などもスタッフが1時間ごとに開け閉めしていました。

穂高や槍ヶ岳を始め、北アルブスのパノラマを一望できました。

落ち着いたところで、空身で燕岳を往復して来ました。

コマクサ
イワギキョウ
クルマユリ

花崗岩の奇岩とハイマツがとても綺麗でした。

イルカ岩
ワレモコウ

燕山荘に戻って夕食。6人がけのテープルはアクリル板で仕切られていました。食後、お湯を沸かしてコーヒーを飲もうかと外のベンチに出ましたが、風が急に強くなって戻ることにしました。

シーツになるものを持って来ることになっていましたので、敷き布団と毛布の間にシーツをセットして寝る準備をして早くも就寝してしまいました。

翌朝、あたりはすっかり霧に包まれており、近くの燕岳も見えませんでした。昨日、登っておいて良かったでした。小屋の情報では1日霧ということで、6時の朝食後、下山することにしました。

フジバカマ

朝イチで登ってくる登山者が多く、交わすのに時間がかかってしまいました。

マイズルソウ

9時15分、登山口に無事帰着しました。北アルブスは数日前まで雨が続いていたようで、今日も小雨まじりの霧になってしまっていたので、丁度わずかな晴れ間に燕岳に登れたようで、とてもラッキーでした。

S47年卒  手島達雄(文責)   S49年卒  柳澤孝嘉


コースDATA

燕岳登山者用第3駐車場 8:10   8:25 燕岳登山口 8:35 8:45 第一ベンチ 9:25 第二ベンチ 10:05 第三ベンチ 10:45 富士見ベンチ 10:30  合戦小屋 12:10 12:45    燕山荘 14:10   15:40 燕岳 16:15   燕山荘 16:45 (泊)

合戦小屋 6:40 合戦小屋 7:13    第一ベンチ 8:50    燕岳登山口 9:15 燕岳登山者用第三駐車場 9:35

燕山荘    1泊2食付き  1人11,000円 完全予約制 持参品  マスク  インナーシーツ  体温計  アルコールジェル  ジッバー付ゴミ袋