熱中症と脳梗塞の見分け方と対処の仕方

脳梗塞による症状の場合には右か左か半身に症状が出るようですが、国立循環器病研究センターでは「FAST」という診断方法を推奨しています。

①”F”はFACEの略で「イー」と口角を上げさせ、左右対称に上げることができるかをチェックします。


②”A”はARMの略で手のひらを上にして両手を水平に上げさせ、両腕が同じように水平に維持できるかを見極めます。脳梗塞の場合片腕だけが回転しながら下がっていってしまうようです。(すでに倒れこんでいる場合は両手をまっすぐ上げで放して、両腕が下がらないかチェックします。)


③”S”はSPEECHの略で呂律(ろれつ)が回らないかどうかをチェックします。「太郎が花子にリンゴをあげた」など特にラ行がきちんと言えるかどうかが判断しやすいということです。


④”T”はTIMEの略で上記した3つのチェックで疑わしい場合は直ちに病院を受診しなければいけないということになります。


したがって熱中症なのか、脳梗塞なのかを顔の表情や喋り方、両手両足のしびれや力の入り方などをチェックして判断し対処する必要があるようです。


次に対処の方法ですが、熱中症の場合は涼しい所で足を少し上げて寝かせ、衣服を緩ませ濡れタオルやハンカチなどに包んだ保冷剤を両首筋(脇の下、足の付け根)などに当て、団扇や板などであおいで早く体温を下げてあげる必要があります。自動販売機などが近くにあれば冷えた飲料水のペットボトルなどをタオルに包んで首筋に当てて冷やしてあげます。また、経口補水剤などで早急に水分を摂取することも必要ですが、意識が鮮明でない場合には誤嚥する可能性もあるので無理やり飲ませることは避ける必要があるようです。


また、熱中症がもとで血液がドロドロになって脳梗塞を発症する場合もあるので、中高年の登山者が多い昨今、熱中症や脳梗塞など症状をよく見定めて対処する必要があるようです。


脳梗塞の場合は立たせないで日陰に移動させ、頭を水平にして寝かせ、衣服を緩めます。吐き気のある場合は横向きに寝かせます。一過性の発作の場合はすぐに症状が治まる場合もあるようですが重篤な場合は一刻も早く病院での受診・治療が必要になりますので、その場の状況に応じた判断が必要になるでしょう。

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