この時期スズメバチに注意

この時期、熊と同じように山で遭遇したくないのがスズメバチです。8月下旬には高尾山の6号路や4号路でもスズメバチの巣が出来て、撤去済みではあるものの通行注意情報が出ています。

スズメバチは秋に巣が最大になり、活動も活発になります。春に越冬から覚めた女王蜂は巣を作り始め、働き蜂を産み続けて巣を大きくしていきます。働き蜂は全て雌で、毒針を持っています。女王蜂候補として選ばれた雌にはロイヤルゼリーが与えられます。秋になると毒針を持たない雄が現れ、女王蜂候補と結婚飛行に出て後尾します。その後、女王蜂、雄蜂、働き蜂は寿命を終えます。唯一生き残るのは女王蜂候補だけで、巣から離れて暖かい朽ちた倒木の中などで越冬します。(ミツバチは働きバチも越冬します。)

さて、スズメバチの毒は強力で、アレルギー反応で死に至ることもあるので気をつけなくてはなりません。「蜂の一刺し」と言われますが、スズメバチの針は抜けない構造で、何度でも刺すことが出来き、また空中に噴射することも出来ます。散布された毒液は警戒ホルモンの働きがあり、他の蜂を興奮させ、呼び集めさせます。1匹で飛んでいる時は攻撃性はそれほど強くありませんが、巣を守ろうとする時には攻撃性が強く、巣に近づくことはとても危険です。10m以内に近づくと警戒行動をとり、接近者の周囲を飛び回りはじめます。また、刺されたり、毒液が発射されると仲間を集めてより興奮して攻撃してきます。スズメバチの巣は土中や木洞などに作ることが大半なので気づかないことも多いので、蜂の出入りなどに気を配ることが必要になります。

蜂の接近に驚いて声高に騒いだり、はたき落そうとしたりすると、却って蜂が興奮して危険度が増します。スズメバチは巣に近づいたり、睨み合ったりなどすると左右の大顎を噛み合わせて打ち鳴らし、「カチカチ」という警戒音を出し威嚇してくることもあります。これは最後の警告の段階であり、それでもその場から立ち去らないと、仲間の蜂を呼び寄せて集団で攻撃してくるのです。

香水には警報フェロモンと同じ物質が含まれているので、仲間を集めてしまうようです。また、黒い服は、幼虫やさなぎの捕食者として攻撃の標的と見間違いたり、ヒトを含む大型哺乳類の弱点となる黒色部分(眼や耳孔など)を狙って攻撃を仕掛けてくると考えられ、避けるべきと言われています。

スズメバチが1匹で飛び回っている場合は急に動いたり、むやみに手で振り払ったりしないようにして屈むようにしていれば飛んで行ってしまうことが多いですが、巣を見つけた場合は静かに体を低くして後ずさりして巣から離れる事が肝心なようです。

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