「トピックス」カテゴリーアーカイブ

山岳スポーツ愛好者の皆様へ

新型コロナウイルス感染被害は拡大の一途をたどり、ついに緊急事態宣言対象地域が全国に拡大しました。

山小屋の従業員を感染から守り、宿泊登山者の3密による相互感染を防ぐため、多くの山小屋やスポーツクライミング施設の閉鎖が相次いでいます。

新型コロナウイルスは、潜伏期間が長い、感染しても自覚症状がでない、一度陰性になっても再度陽性反応がでる感染者が多く見られます。このような潜在的感染媒介者には若年・壮年層が多いのも特徴です。

全国民が、外出制限、商業施設の相次ぐ閉鎖あるいは在宅勤務等々、日々逼迫した窮屈な生活を強いられています。このような現況下で、都市を離れ、清浄な空気と自然を求めての登山やクライミング行為は、出先の方々への感染を広め、山岳スポーツ愛好者自身が感染するリスクを高めます。

この緊急事態に対処するには、山岳スポーツを愛する皆様の他者への思いやり、そして何よりご自身の感染防御に専心され、事態の収束を見るまで山岳スポーツ行為を厳に自粛していただきますよう山岳四団体としてお願いいたします。

山岳スポーツに係わる皆様の緊急事態宣言へのご理解とご協力で、感染症拡大阻止に寄与し、この未曽有の感染危機が一日も早く収束することを願っております。

近々事態が収まり、山で、岩場であるいはスポーツクライミング施設で皆様と再びお会いできる日を楽しみにしております。令和2年4月20日

山岳四団体

公益社団法人 日本山岳・スポーツクライミング協会

日本勤労者山岳連盟

公益社団法人 日本山岳会

公益社団法人 日本山岳ガイド協会


山岳関係四団体によって山岳スポーツ愛好家に向けての共同声明文が出されたので、転載しました。

マッターホルンに大きな日の丸

マッターホルンのスイス側の麓のツェルマットでは新型コロナウイルス感染症に打ち勝つエネルギーと希望の光を発するということでマッターホルンの北東壁にプロシェクションマッピングで「希望」「家にいよう」「連帯」とか国旗を投影する「マッターホルン・ライトプロジェクション」というプロジェクトが毎晩行われているということです。4月14日(現地時間)には日の丸が投影されました。

「スイスと日本は何十年もの間緊密な交流を続けてきました。 妙高と富士河口湖とともに、ツェルマットは日の出の国に2つの姉妹都市を持っています。 私たちは日本人の友人、パートナー、ゲストに挨拶し、この異常で困難な時期を乗り越えるための希望と強さのしるしを送ります。ツェルマット観光協会」

年末年始の山岳遭難事故2020

2019年年末から2020年年始の山岳遭難事故を報道されている記事から拾ってみました。

西穂高岳

・12月30日 西穂高岳山頂付近で道迷いで山小屋に連絡があり、31日朝から岐阜県警の山岳警備隊が捜索を開始、1日午前9時前に県警のヘリコプターが西穂高岳の山頂から南西に約300mの地点で遺体で発見された。

槍ケ岳

・12月31日 岐阜県側の飛騨沢で男女6人のパーティのうち3人が滑落する。岐阜県警のヘリが滑落した3人のうち負傷した2人を救助、いずれも軽傷の模様。残る1人は他のメンバーと自力下山。

八方尾根

・1月2日 八方尾根北側の斜面で雪崩が発生。山スキーをしていた3人のうち20代の男性が巻き込まれ、意識不明の重体。

伊那前岳

・12月30日 伊那前岳で2人パーティーで登山中の20代男性が稜線付近から約300m滑落、救助されるも翌日死亡。

宝剣岳

・12月30日 宝剣岳で30代女性が滑落し、右足の骨を折るなどの重傷を負う。

北岳

・12月31日 山頂付近で男性が滑落。2800m付近の沢で発見されたものの搬送先の病院で死亡が確認された。

甲斐駒ケ岳

・1月2日 山頂付近で、救助活動を行っていたヘリが長野県側の沢に30代男性が倒れているのを発見収容されたが、病院で死亡が確認。

小赤石岳

・1月2日 小赤石岳の登山道付近で40代男性が滑落し、胸の骨を折る大けがを負う。

雁坂峠

・1月1日 雁坂峠近くの登山道で男性が滑落したと同行の登山者が山小屋に救助を求め、救助に向かった別の男性も同じ場所で滑落し2人とも死亡が確認された。

富士山

・1月1日 8合目付近で30代男性が滑落。県警のヘリが6合目付近の沢で発見したが、死亡が確認された。

・上記事故を通報した40代男性もその後滑落し、8合目の下山道付近で発見され翌2日に救助される。左足などを負傷するも命に別状なし。

・1月2日 警察のヘリコプターが6合目付近で男性を発見、救助するも心肺停止の状態。

八ケ岳

・12月30日 赤岳の地蔵尾根で30代女性が滑落し、右ひじの骨を折る重傷を負う。

・1月3日 八ケ岳連峰の標高2000m余りの登山道脇で倒れている人を登山者が発見。ヘリコプターで搬送されるも死亡が確認。死因は低体温症と思われる。

 

御嶽山の噴火から5年

死者58人を出し、まだ5人の方の行方が不明なまま御嶽山の噴火から今日27日で5年を迎えました。

山が好きで秋晴れの紅葉真っ只中の登山だったのに、さぞビックリしただろうし、怖かっただろうと思います。同じ山好きな者として心から冥福をお祈りしたいと思います。

御嶽山には去年の9月28日に登って来ましたが、やはり秋晴れでした。

「獨協祭」訪問記2019


9月22日(日) 獨協中学・高等学校の文化祭にOB会長の冨樫さんと手島で行ってきました。

目白駅は2000年に改修されたそうです。ホテルメッツが駅舎に隣接しています。駅前にはトラッド目白の茶色いビルがあり、1階、2階にはレストランやカフェ、地下にはクイーンズ伊勢丹、3階4階は結婚式場などがあります。

横断歩道を渡って新宿行きのバスで東京カデドラルの前で降りると白い壁とガラスが多様された明るい校舎がが見えます。

校舎は1998(平成10)年に地上5階、地下1階建のモダンな建物に改築されています。

獨協中学・高等学校のホームページはこちらから

下の写真は年配の諸兄にとっては懐かしい校舎です。(同窓会HPから画像を拝借させてもらいました)

現在の校舎は下の写真のような配置になっています。

いつもは正面玄関からではなく校舎脇の北門の守衛室の前に受付があります。今日は正面玄関から入っていきます。正面を入ったところに事務室があり、右手に職員室や図書室があります。

まずは4階までエレベーターで上がってみました。運動場の奥には音羽の講談社の高層ビル群が見えます。

獨協祭のパンフレット

展示はこんな感じでした。

3階にある同窓会室を覗いてみました。幹事の人たちが獨協学園の教師であった(1921  大正10年〜1929  昭和4年)ということからNHK大河ドラマで取り上げられている「金栗四三」さんの特集展示をしていました。

会合の補助金申請書もいただいてきました。

同窓会室は通常月曜日と木曜日の午後1時半から4時半まで事務の方が在中して対応しています。  Tel Faxは03-3946-6352

当時、金栗四三と生徒たちは学園から哲学堂までの往復のトレーニングを繰り返していたそうです。

残念ながらDWVによる展示はありませんでしたが、校庭でアイスを売っていたそうです。PTAのカレーライス(300円)を食べてから校庭に行った時にはもうやっていませんでした。

さて、校舎を離れて1階の運動場へ出てきました。

運動場と体育館は二重構造になっていて、運動場は坂上にあり、坂を下ったところに体育館の入り口があります。これは100周年記念事業として1983(昭和58)年に出来たようです。

練習のためにダッシュしていた日々を思い出し、こんなに急坂だったんだと懐かしく思いました。

建物に戻ったところ図書館前では古本市をやっていたので覗いてみたら、美品の高梨先生の著作「生者の繰り言」が1冊あったので50円で買ってきました。

校庭での模擬店の様子です。

DWVの生徒たちや顧問の先生方にはお会いすることはできませんでしたが、文化祭を通して懐かしい時間を過ごすことができました。

目白駅に戻って二人でホテルメッツ脇のイタリアンのFiorentinaでワインを1杯いただいて帰りました。

木曽駒ヶ岳のライチョウの雛は全滅か

乗鞍岳から採卵されて木曽駒ヶ岳のメスのライチョウに托卵させていた二ホンライチョウの6個の卵のうち5個は無事孵化したものの5羽とも天敵に食べられるたなどして全滅したとみられると環境省が見解を示しました。

調査した担当者によるとメスの成鳥は確認できたものの雛は発見できず、寒さや雨で衰弱したり、キツネやテンなどの天敵に食べられた可能性があるということです。

残念ながら今回のトライヤルは失敗でしたが、ニホンライチョウの生息範囲の拡大によって安定的な生存が図られればいいのですが。

エベレストの渋滞

エベレストの登山シーズンは4月から5月の「プレモンスーン」と9月から10月の「ポストモンスーン」というモンスーンをはさんだ2期になります。約4ヶ月のシーズン中でルート開通時期と気象状況を考慮すると登山可能の日数は1年に2ヶ月程度になってしまいます。

ルートはネパール側とチベット側にありますが、ネパール政府だけで今年は5月19日現在で381通の登山許可を発行しているそうです。

昨年のプレシーズンは天候が安定していたので、5月の登頂者数は過去最高の807人でした。ルートの内訳としてはネパール側から563人、チベット側から244人ということでした。

例年5月中の登頂可能日は10〜15日ほどのようでしたが、今年はサイクロンの影響でシェルパがロープをフィックスしての開通が遅れていて、さらに天候もよくなかったので登頂を目指すたくさんのパーティーが待機させられていたようです。

5月15日に8人のシェルパが頂上までのルートを開いたと同時に、30人以上が登頂したもようです。しかし、5月24日には天候が悪化するとの予報になったため、22日には250人以上が登頂し、サウスコルには同じかそれ以上の人が待機していたようです。

2時間待ちの渋滞状態で後ろにも50人が控えていたとの話も伝わっており、登ることも降ることもできずに身動きできない状態が何時間も続いていたようです。

8,000mを超える雪の山中で待機する時間が多いということは酸素ボンベの調整などもあり、高山病や体調悪化のリスクも高まるとことなります。以前にも大渋滞が発生していたことがあったようですが、今シーズンのエベレストでの死亡者数は11 人に及んでおり、まさに生死に直結した問題になります。

近年は公募登山(ツアー登山)が主流になっているので経験が浅く実力のない人も金を払えば行かせてしまう主催者やガイドのリーダーシップの問題、チベット政府の問題、気候の変動などもあり、エベレスト登山のあり方が問われています。

今回のエベレスト大渋滞については衝撃的な画像が配信されています。著作権の問題もあるので画像を添付することは避けますが、Face Bookの記事をシェアしましたのでご覧ください。

動画への外部リンク

平成30年の山岳遭難統計

警察庁から昨年全国で発生した山岳遭難についての統計「平成30年における山岳遭難の概況」が6月13日発表されました。

それによりますと全遭難件数は2,661件、遭難者数は3,129人で、ともに統計史上(1961年以降)最多であったことが分かりました。死者・行方不明者は計342人、無事救出されたのは1,586人でした。

発生件数が一番多かったのは長野県の297件で330(死者・行方不明は57)人、続いて北海道201件で243件(死者・行方不明は19)人、東京都147件で158人(死者・行方不明は7)人でした。新潟県、群馬県、神奈川県、富山県がそれに続いています。

遭難事例のうち入山目的で一番多かったのがやはり登山、ハイキングですが、山菜や茸採りなども1割を占めています。遭難の原因としては道迷いが40%程度で、滑落・転倒が30%程度、病気・疲労が15%程度でありました。年齢別では60歳維以上が50%を占め、60代、70代がそれぞれ20%程度を占めています。単独登山者が遭難したケースは全遭難数の4割近くでした。

外国人の遭難者は169人に上り、過去5年間で約5倍に増加した。このうち、111人が訪日観光客で、半数を超える61人はスキー場が管理していない雪山でのスキーやスノーボード目的だったということです。

発生件数の80%近くが遭難現場から携帯電話等によって救助を要請していたようです。携帯電話などの通信手段が有効であるものの、通信可能エリアに制限があることと、バッテリー切れに留意することが大切であると伝えています。報告書では万全な装備品の用意や登山計画書の提出などについても注意を促しています。

ライチョウの卵を移し替え

メールマガジンやHPでもお知らせしましたが、50年以上もライチョウの生息がなかった中央アルプスの木曽駒ケ岳で昨年メスのライチョウが1羽見つかりました。

環境省ではライチョウの絶滅のリスクを減らすべく乗鞍岳で採卵した有精卵と入れ替えて托卵させ中央アルプスでのライチョウの生息につなげようと計画が進んでいましたが、この度、木曽駒ケ岳のライチョウの無精卵10個が確認され、6月8日に乗鞍岳で採卵された有精卵との差し替えが実施されました。

うまくいけば木曽駒ケ岳生まれのライチョウが誕生するということです。