気象庁が噴火が予想される山に指定していた熊本県の阿蘇山が4月16日(2019年)噴火しました。
3年前の2016年の14日と16日に起こった震度7の熊本地震では死者267人、負傷者2804人と多大な被害を出しました。(ウィキペディア)
熊本放送が提供しているライブカメラをホームページにリンクしました。山のライブカメラ
気象庁が噴火が予想される山に指定していた熊本県の阿蘇山が4月16日(2019年)噴火しました。
3年前の2016年の14日と16日に起こった震度7の熊本地震では死者267人、負傷者2804人と多大な被害を出しました。(ウィキペディア)
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1969年以来中央アルプスでのライチョウは絶滅したとされていましたが、昨年木曽駒ケ岳でメスが1羽発見されました。その後も何度か目撃されており、12月にも冬毛になったライチョウが1羽確認されていることから環境省では中央アルプスでのライチョウの生息を定着させようという試みが計画されています。
環境省は発見されたメスのライチョウに自らの無精卵と乗鞍岳で採取したライチョウの有精卵(複数の巣から6個の採取を計画)を入れ替えて抱かせて孵化させようとするものです。ライチョウの産卵期は6月頃ですので、その頃また話題に上ってくると思われます。木曽駒ケ岳で発見された1羽がパイオニアとなって中央アルプスでの個体群として定着していったらいいですね。
長野県「乗鞍岳」の火山噴火警戒レベルの運用が3月18日から開始されることになりました。
乗鞍岳は「火山防災のために監視・観測体制の充実が必要な火山」として気象庁による24時間常時監視体制にあったものの自治体の安全避難体制の整備が遅れていたために導入できないでいた噴火警戒レベルの運用が開始されることになりました。
<本州で噴火の危険がある火山>
岩手山、吾妻山、磐梯山、日光白根山、草津白根山、御嶽山、富士山、箱根山
<本州で上記以外24時間常時監視体制にある火山>
秋田焼山、秋田駒ヶ岳、那須岳、浅間山、新潟焼山、焼岳、蔵王山、安達太良山、白山、箱根山、伊豆東部火山群、岩木山、鳥海山、栗駒山 乗鞍岳、八甲田山 弥陀ヶ原
上記の火山のうち火山噴火警戒レベル体制がまだ運用されていない火山は下記の3つになりました。
栗駒山 八甲田山 弥陀ヶ原
栃木県高体連の那須岳で行われた冬山安全合宿での雪崩遭難事故を起因としてスポーツ庁と栃木県教育委員会は高校生の冬山登山について関係先に通知し適正な対応を求めています。
スポーツ庁では「冬山登山」を主に積雪期における登山とし、時期に関わらず、気温の変化や降雪、積雪などの気象条件による凍結、吹雪、雪崩等伴う転滑落、埋没、凍傷、低体温症などにより遭難事故が発生する可能性のある環境下に行う活動と定義し、原則禁止としています。ただし、スキー場でのスノースポーツや条件付きで登頂を目的としない歩行やテントを張るといった雪上訓練を認めています。
それに対して栃木県教委は高度な技術を持つ指導者の確保が困難と判断し、雪上訓練を含めて冬山登山を全面禁止としました。一方「冬山登山」を積雪期にある山への登山とし、冬季であっても低山等の積雪期にない山への登山は時期に関わらず冬山登山ではないとしています。冬季でも標高約1,000メートル未満で積雪のない山については、専門家との協議の上、県内や近隣県の14ルートを指定し、登山を認めるとしています。積雪期以外の登山は、登山指導歴5年以上で指導員資格を持つ者、または県指定の研修などに参加した者の引率を必須とし、生徒10人当たり1人以上置き、難易度の高い山に登る場合は、アドバイザーの同行を推奨するとしています。
昨年12月29日から今年の正月3日までの山岳遭難事故は全国で30件、遭難者は40人だったそうです。そのうち1名が死亡、負傷者は12人でした。捜索救助に投入された人員は162名に及んだとのことです。
年齢別では40歳代が11人で、50歳代以上を合わせた中高年が半数以上を占めていたようです。そのうちゲレンデ外の斜面を滑るバックカントリースキー中の遭難が6件13人で、11人が外国人であったということです。日本はパウダースノーの新雪スキーが楽しめるので海外から滑りに来る人も多いようで事故も多くなっています。長野県の白馬乗鞍スキー場ではフランス国籍の男性5人が道迷いで遭難救助されています。
年末年始は比較的好天に恵まれたので登山事故は少なかったようですが、登山中の遭難事故では、12月29日に甲斐駒ケ岳で50歳代男性が下山中道迷いで遭難救助されています。12月31日には剱岳で男性2名が凍傷による行動不能で救助要請があり、6日振りに救助されています。1月2日には槍ヶ岳で登山中の40歳代の男性が滑落して救助要請があり、無事救出されています。唐松岳の八方尾根付近で登山中の40歳代の男女2人が荒天のため行動不能で救助要請があり無事救助されるなどの遭難がありました。
警察庁生活安全局の発表によると2018年の夏期山岳遭難(7月〜8月)は全国で721件(前年比110件増)、遭難者は793人(前年比88人増)で統計史上最も多かったということが分かっています。内訳では長野県が最も多く117件、富山県と静岡県が68人でそれに次いでいたということです。年齢別では40歳〜49歳が108人、50歳〜59歳が152人、60歳〜69歳が184人、70歳〜79歳が161人でした。死者は54人、行方不明が17名、負傷者が359人、無事救出された人は363人でした。原因では道迷いが179人、滑落が119人、転倒が169人、病気が120人、疲労が93人、その他が113人でした。
長野県木曽町は秋の紅葉シーズンを前に山頂へのアクセスを可能とする立ち入り規制の一部を解除する方針を固めたもようです。
紅葉シーズンの土曜日のお昼ということでたくさんの登山客が頂上にいた時間に起こっただけに58名が亡くなられるなどたくさんの方が被害に遭われた爆発的噴火から4年。昨年は噴火警戒レベルが1に引き下げられたものの、地元の自治体は剣ヶ峰を含む火口から1Km以内の立ち入りを規制していました。
そのうちロープウエイからのルートを持つ長野県木曽町はこの度、山頂の剣ヶ峰にあった山小屋を解体して、噴火が起きた場合におよそ90人が収容できる避難シェルターをほぼ完成させたほか、山頂につながる登山道の復旧も完了したとして剣ヶ峰に至るルートへの立ち入りを解除する方針を固めたとのことです。他の自治体の理解が得られれば9月27日前後から長時間の滞在をしないよう呼びかけるなど安全指導のもと規制が解除される模様です。
なお、地元の3自治体ののうち長野県大滝村、岐阜県下呂市は安全対策が十分ではないとして立ち入り規制は継続されるとうことです。
まだ5人の方が行方不明となったままであり、噴火当時の噴火警戒レベルは1だったということもあることを踏まえて登山は”自己責任”ということを意識してということなのでしょう。
本ホームページには小川さゆり著の「御嶽山噴火「生還者の証言」についての記事がありますので、参照ください。
https://dwvob.sakura.ne.jp/wp/2018/03/22/「御嶽山噴火%E3%80%80生還者の証言」から/
山梨県は安全な登山を求めていくことで登山者が登山届の提出に努めなければならな条例(山梨県登山の安全の確保に関する条例)を2017年度に公布していましたが、安全登山推進地域として富士山や八ヶ岳、南アルプスなどなどの3つの地域を指定し、2018年9月20日から施行されることとなりました。ただし、罰則規定は設けられていません。
対象地域は「富士山」はおおむね6合目より上で「御中道」などの散策エリアは対象外です。八ヶ岳は、周辺の赤岳や権現岳などを含むエリアで、南アルプスは、白根三山や甲斐駒ヶ岳などのエリアになります。登山届けは基本的には山梨県知事宛で登山口に設置された登山届けポスト、ファクシミリ、メールなどで対応可になっています。
http://www.pref.yamanashi.jp/police/p_tiiki/sangaku/teishutuhouhou.html
他県での状況については下記メールマガジンに掲載してありますので参照ください。
2018年8月10日、群馬県の防災ヘリが横手山北部の群馬県側県境で「ぐんま県境稜線トレイル」の全線開通にともなう登山道点検調査のため県防災航空隊員4名(内2名は東邦航空のパイロットと整備士)と吾妻広域消防本部の職員5名の計9名を乗せた群馬県防災ヘリ「はるな」が墜落し、搭乗員全員が死亡するという事故が起こりました。
群馬県では土合から白毛門、蓬峠を経由して谷川岳(いわゆる馬蹄形コース)から横手山・渋峠、四阿山を経由して鳥居峠に至る新潟・長野の県境に添ったロングトレイルを整備していました。
この度、未整備だった三坂峠~白砂山間が2018年11日の「山の日」に開通の運びとなり記念式典も予定されているところでした。(記念式典は中止になりました)
吾妻広域消防本部は今年1月に起こった本白根山の爆発的噴火の際にも負傷者の救助・捜索にもあたるなど群馬県の山岳救助の仕事も担っており、事故当日は翌日に開通するトレイルコースの安全確認のための飛行中の出来事でした。
吾妻消防本部隊員5名は今後本部を背負って立つことが見込まれた精鋭でもあったようです。山での安全を守っていただいている防災航空隊と消防本部の大切な職員を失ってしまったことはまことに残念なことです。
搭乗員9名全員が安全登山のための職務中での事故で死亡されたことに心からお悔やみ申し上げます。
ちなみに防災ヘリの「はるな」も群馬県の保有する唯一の防災ヘリで、今まで山岳救助を含めていろいろな仕事を担ってきたので今後どうなるかも心配するところです。
「ぐんま稜線トレイル」は白毛門 清水峠 蓬峠 谷川岳 平標山 三国峠 三坂峠 白砂山 横手山 渋峠 白根山 毛無峠 四阿山 鳥居峠を結ぶ100Kmのロングトレイルになります。
昨年の山岳遭難についての概況が警察庁から発表
21日の警察庁の発表によると昨年に全国で発生した山岳遭難は2,583件で昨年に比較すると88件増え、遭難者は3,111人で182人増えたということです。うち死者・行方不明者は354人で35人増ということでした。一昨年は前年より減少したものの昨年は増え、統計が残る1961(昭和36)年以降で最多となったということです。10年前の平成20年と比較すると発生件数は58.3%増、遭難者数は60.9%増、死者・行方不明者数は26%増ということでした。
発生件数を場所別でみるとやはり最も多いのが長野県で292件、次いで北海道の236件、そして山梨県の161件でした。態様別では1位が道迷いで40.2%、2位が滑落で16.8%、3位が転倒で15.1%ということでした。特に昨年は雪崩による遭難者が65人、野生動物襲撃が63人と例年より突出していたようです。
年齢別では40歳以上が2,419人と77.8%で、そのうち60歳以上が1,588人で51%ということで、半数以上を占めています。死者・行方不明者では40歳以上が315人で89%、そのうち60歳以上が229人と64.7%を占めています。中高年の登山ブームを背景として判断ミスや体力不足があるように思われます。
また、インバウンドの増加に伴ってバックカントリーのゲレンデ外コース滑走での遭難をはじめとした外国人の山岳遭難も増えており、昨年は集計を始めた2013年の2.8倍にあたる121人(前年比28人増)だったようです。
警察庁では「体力や経験に見合った山を選び、低い山でも十分な装備をしてほしい。」「登山届は登山する仲間と共有すると共に、家庭や職場、登山口の登山届ポストに提出」「地図やコンパス、ストック、携帯などのGPS機能付きの連絡用通信機器(予備バッテリー)の活用」「信頼できるリーダーを中心とした複数人による登山」などを呼びかけています。