「行ってきました」カテゴリーアーカイブ

道志 御正体山(1,681.4m)

2017年11月2日(木)

道坂トンネル前 6:45——御正体山 10:45 11:00——-道坂トンネル前 14:20


メタボリック症候群の体が気になり、また、木曜日を休みとしたため、久しぶりに山を登る気になりました。暑い時期はメタボな体に良くないため寒くなった11月に以前より丹沢や箱根の山より見えて気になっていた山、御正体山へ行ってきました。

メタボな体には高低差のあるコースはきついので、道坂峠コースか山伏峠コースか迷いましが高速から近い道坂コースから登ってきました。

11/2  3:30に自宅を出発。途中、談合坂で食事とウダウダしながら休み、道坂トンネル前に6:30到着。先行者がいるようで横浜ナンバーの車が一台止まっていた。約7台位駐車できるスペースと今倉山への看板あり。ついつい対面の林道の方に惹かれて10分程登ったが、様子がおかしく地図を見直し、今倉山の看板の方が正解と分かり15分ロス。登る前に皆さん、地図を確認しましょう。

道坂峠へ緩々と上がり、稜線を右折して登りに入った。トレイルはしっかり踏まれているのですが、刈り払いがなされていないようで所々に藪があり分けて進んだところ、ズボンに茶色い何かが付いている。よく見ると“ヤマダニ”だ!ズボン前後を見てみると5、6箇所についており、慌てて振り落とした。藪を通る度、ヤマダニが付くのでスパッツをつけザックの中にあったユウカリの匂いがついた虫よけシールをズボン全体にべたべたと貼り、ズボンをチェックし振り落としながら進んだ。このような状況なので先行者はどうやら今倉山へ行ったようで、久しぶりの山なのに少し心が折れそうになる。

この尾根で唯一、ランドマークのある岩下ノ丸に到着。そこから右折して下降、その後、幅広い尾根を上下行しながら白井平分岐へ到着。コースタイムで後45分と書いてあり、もう少しと頑張るが、地図を見直すと標高差約350mあり約1時間強かかりやっと御正体山の山頂に着いた。

御正体山頂の社
山頂の指導標

山頂は平坦で、開けており、お社とテーブルが一つと簡素な処で木々が周囲にあり展望は皆無。自然林保護のため頂上付近は伐採していないとのこと。しかし、登山中、右側の尾根や谷でひっきりなしに林道工事の音が聞こえており如何なものか。

セブンのサンドイッチを食べ、早々と下山。また、ヤマダニのいる藪を通るのかと暗い気持ちで歩いていると道坂峠からの男女4人の登山者に出会う。ヤマダニのことを話すが気づかなかったとのこと。これはラッキー。その後、数カ所でヤマダニの付着はあったが少なく精神的には楽になった。三ノ塔のような岩下ノ丸の登りには久しぶり山行のため疲労しペースダウン。コースタイムよりやや遅れ、道坂トンネル前の駐車場へ到着した。駐車場到着後、着替えてヤマダニをチェックしたことは言うまでもない。このような状況ですのでこのコースは温かい時期は不向きか。行くならば休日に誰かの後で。

昭和49年卒 柳澤孝嘉

茅ヶ岳(1,704m) ・ 奥秩父山地

2017年11月19日(日)

中央線韮崎駅の市街地の先にある独立峰で、「日本百名山」の著者の深田久彌の終焉の地としても有名な茅ヶ岳に行ってきました。南アルプスも八ヶ岳も何日か前にまた雪が降ったらしく、雪をかぶっていました。

茅ヶ岳は抜けるような青空に白い雲をかぶってその端正の取れた山容をくっきりと写していました。

駅を降りてバス停に行くと、既にたくさんの人がバスを待っていました。バス停2番乗り場には瑞牆山荘行きのバスと深田記念公園行きに分かれて列が出来て来ていました。茅ヶ岳登山口になる深田記念公園行きの列にはたくさんの人が並んでいました。やってきたバスは「えっ、これか。」という感じの小さなバスでした。座れないどころじゃなく、ラッシュ時の電車のごとく押し合いの状態で20分間手すりにつかまって駐車場に到着しました。

深田記念公園駐車場にはたくさんの乗用車が駐車していました。20台以上でしようか。駐車場にはトイレもあり、入り口近くに登山口がありました。

広い坂道を上って真っ直ぐ行くと深田記念公園の入り口になりますが、登山道は右に曲がって行きます。落ち葉が敷き詰められたなだらかな広い山道をしばらく行くと、林道が現れます。林道を渡ったすぐのところが女岩経由の登山口になる分岐になります。この林道の先の右手には千本桜分岐経由の登山口があり、帰りにはこちらの登山口に下りて来ることになります。

女岩は崩落の危険からか現在通行止になっており、高巻きルートが出来ていました。落ち葉の積もった谷筋の急登をどんどん登っていきます。

これが女岩?眼下に岩の壁を見ながら登っていきます。

急な斜面には落ち葉がいっぱい溜まっていて、風でザザーッと大量の落ち葉が流れたりしていました。

尾根に入ってしばらく行くと、花が手向けられた「深田久弥先生終焉の地」の石碑がひっそりと立っていました。深田久弥は1971年3月に仲間と登っていて、この地で脳貧血で倒れて亡くなったそうです。68歳ということでした。頂上まではあと15分くらいのところです。

茅ヶ岳頂上到着。頂上からは鳳凰三山から甲斐駒ケ岳の南アルプスの連なり、その先には八ヶ岳、手前には南峰と金ヶ岳。右には瑞牆山と金峰山。後ろには大きな富士山、という具合に四方に雪をかぶった清々しい名峰がぐるっと一回りしていました。特に甲斐駒ケ岳が立派で、鳳凰三山、地蔵岳のオペリスクも見て取れました。

いつの間にか山頂は人がいっぱいになってしまいました。さすが日曜日です。人気の山でもあるのでしょう。風がとても冷たく、昼食をとるには寒すぎるので、途中の暖かい陽だまりを探して昼食にしようと下山することにしました。

帰路は千本桜分岐経由の尾根道を下るコースで、行きのコースとは違って岩場もなく比較的のんびりとしたコースでした。

平らな陽だまりがあったので、カップラーメンとなめこの味噌汁で昼食。

分岐に到着。林道を少し下って、行きに通った山道に入ります。駐車場到着しました。

行きのバスについては調べておいたものの、帰りのバスは調べておらず、1時間に1本くらいはあるだろうとたかをくくっていました。調べてみると駅から8時51分発の1本と帰りの駅行きの16時20分発の1本しか出ていないということが判明しました。バス停の案内板に書いてあった「茅ヶ岳登山口」というバス停の時刻表はこの深田記念公園の登山口のことではなく、韮崎駅と瑞牆山荘間のルート上にあるバス停で、金ヶ岳から下りて来た先にあるバス停のようでした。

4時過ぎまで待っているわけにもいかず、しかたなくバス停の看板に記してあったタクシーを呼ぶことにしました。タクシーは20分くらいでやってきました。3,500円ほどの予定外の出費でした。                      (S47年卒 手島)


コースDATA

新宿駅7:00発(あずさ1号)    韮崎駅8:37  8:51    深田記念公園駐車場9:11  9:18    分岐(09:37)    女岩(10:10)    女岩のコル(10:48)    深田久弥終焉の地(10:55)    茅ヶ岳 (11:12-11:41)    千本桜分岐11:50     昼食(12:05-12:23)    分岐(12:57)    深田記念公園駐車場(13:10)

飯盛山1,643m(長野県)

2017年11月9日

列車よりも車の方が登山口まで時間がかからないが、ピストンだとつまらないので、小海線の車窓を楽しみながらのんびり行くことにした。中央線の小淵沢駅経由だと野辺山駅に着くのが10時半になってしまうので、北陸新幹線で佐久平駅まで行って小海線に乗り換えて行くことにした。

新幹線から見えた浅間山には雪がなく綿雲がかかっていた。
佐久平駅の新幹線駅からは通路の先に改札なしに待合室経由でホームへとつながっている。

小海線ははじめは車掌さんが乗っていたが、途中からワンマン列車になった。乗降客の多い駅では2車両の扉が全て開閉し切符は駅で処理すが、乗降客の少ない駅では1両目しかドアは開かず、切符は運転手に渡して降りるシステムになっているようだ。スイカは一部の駅間でしか使えない。

車窓からは刈り取った稲の藁ぼっちが綺麗に並んでいたり、のどかな秋の景色が広がっていた。けだし、野辺山駅まではけっこう長い。

千曲川沿いの山の中を列車は進んで行くが、明るい高原が広がってくると野辺山駅は近い。

平日なので乗降客はたった2名だけだった。

トイレを済まし、141号線を南下する。右手に南八ヶ岳連峰の主稜線がよく見える。はじめは赤岳には雲がかかっていたが、次第に取れてきて、権現岳、赤岳、横岳が青空に聳えて見えた。こちらからの赤岳は比較的大人しく見える。

スマホの「AR山ナビ」のスクリーンショット画面

小海線の踏切を渡って左に行くと、左手の林の奥に大きなパラボラアンテナが見えてくる。少し行くと観測所の入り口があり、時間もあり見学が出来そうなので寄ってみることにした。国立天文台野辺山宇宙電波観測所には大きなパラボラアンテナがいくつも設置されていて、それが台車に乗ってはりめぐられた線路の上を移動して位置を変えながら宇宙線を適宜観測するという壮大な施設である。(受付を済ませて携帯を機内モードにして見学開始)

見学を短く終えてベジタボールウィズという南牧村の複合公共施設を横目に見ながら真っ直ぐ道路を進んでいくと、つきあたり山道に入る。

ゲートが設置されていた

山道を少し行くと、左に道路が現れてすぐ脇を行くが、途中から道路とは別れる。しばらく行くと右手に平沢峠展望台駐車場が見えてくる。手前にゴツゴツした溶岩のちょっとした岩山である「しし岩」がある。八ヶ岳の眺めがとてもいい。

岩山から戻って駐車場を見渡すと10台程度の車が駐車していた。登山口は登ってきた道のすぐ脇に道標がある。下りてくる人、登っている人など20人ぐらいと出会っただろうか。

平沢山頂上
飯盛山の向こうに富士山が見えてきた
振り返った平沢山
八ヶ岳の上に雲はすっかりない

三沢分岐

風がどんどん強くなり、ジャケットを着込んで手袋を着ける。

天気も良く八ヶ岳をはじめ南アルプス、富士山など360度のパノラマが楽しめた。

頂上下でも風が強かったので、持参したカップラーメンはパスして、早く下山して清里駅で蕎麦でも食べて帰ることに決めた。

こちら側にあるゲート

道路に出たら右に回り込んで下って行く。

清里からの登山口

川に沿って道は左にカーブして川を渡り登り坂になる。左手に千ヶ滝へ向かうの道があるが、早く駅に向かいたいのでそのまま上がって行く。141号線を横断して清里駅方向に直進する。

国道を横断して清里駅方面に進む

清里駅に着いたものの、食べる所を探してうろうろするも平日のためか食べられる店が一軒も空いていない。しかたなく駅のベンチで持参したカップラーメンにポットのお湯を注いで食べることにした。山で食べるのと違って、極めて味気ない。

清里駅からは飯盛山の頭がチョットだげけ見える
清里駅から小淵沢駅まではスイカが使える

清里を後にして、再び小海線に乗り込む。小淵沢駅までは30分程度だ。

小淵沢駅では一度改札を出て、特急「あずさ20号」の切符を買って新宿へ。

佐久駅から小淵沢駅までの秋の小海線の8割を乗り通し、秋晴れの南八ヶ岳の展望を楽しみながらのハイキングは楽しいものだった。            S47年卒 手島


コースDATA

上野駅発6:58 佐久平駅8:31着    8:55発 野辺山駅9:55着

野辺山駅10:00発    国立天文台野辺山宇宙電波観測所着10:25(見学)10:35 飯盛山登山口10:45    しし岩(駐車場)11:05  しし岩登山口11:13     平沢山11:45    三沢分岐11:56    飯盛山頂上12:05   登山道終点12:45    国道横断13:10    清里駅13:15着

清里駅発13:55    小淵沢駅着14:20  14:36発 新宿駅16:34着

蓼科山(2,531m) 八ヶ岳連峰

2017年10月26日

妙義山越しの浅間山

雨ばかり続いている中だったが、定休日に秋晴れの予想が出ていたので百名山に数えられる八ヶ岳の最北端の蓼科山に行くことにした。関越道を走っていると正面に真っ白い浅間山が現れた。この時期にもう雪山?とちょっと思ったものの、これから行く蓼科山も同じ状況になっていることには思いあたらなかった。

上信越道に入り佐久小諸ICから中部横断自動車道で佐久南ICで降り、全線舗装された鹿曲川林道を大河原峠へ。

途中から道には雪が現れ、4WDといえノーマルタイヤなのでどんどん積雪量が増える道を慎重な運転でやっと峠に到着。天気がいいので午後にはある程度溶けていることを期待して登山口に向かった。

雨がたっぷり染み込んだせいだろうか、峠から見た佐久市は一面雲海の下にあった。

佐久平に広がった雲海
三角屋根の大河原ヒュッテ

蓼科山への登山口は三角屋根の大河原ヒュッテの脇にある。始めはなだらかな笹原を登って行くが、笹原が終わると急登になる。思いがけずの一気に冬の装いとなった蓼科山は空気も冬のそれになっていた。

大河原峠の蓼科山登山口

急登が終わり、2,300mを超えるとシラビソなどの樹林帯に入り、蓼科山荘のある将軍平まではなだらかな登り下りなる。

積もった雪や溶けた水や雪の塊がが雨のように落ちてくる。足元は雪と泥んこのようになっている所が混在していて、歩きづらい。

佐久市の最高地点の表柱

縞枯れ地帯

縞枯れ現象のエリアが断続的に現れる。

赤谷分岐

北横岳と南八ヶ岳

 

鞍部まで降りてきた所
2,353m付近の蓼科山荘
2,353m付近の蓼科山荘

大河原峠から登山者は一人も見かけなかったが、将軍平からはロープウェイ駅や七合目の駐車場方面から結構登山者が多く上がってっていた。

将軍平から蓼科山頂上へは大石がゴロゴロとした急登になる。途中1箇所鎖がついているところもあるが、傾斜はかなりきついものの距離はあまりなかったので、休まずに登り切れた。

前掛山

頂上直下に蓼科頂上ヒュッテがあり、その先には大きな火山性安山岩が海のように広がったが独特の地形が広がっていた。

蓼科山頂上の標柱
北横岳と南八ヶ岳

何人もの人に「え、半袖!」と言われたりしたが、汗かきの自分としてはほぼ登山中のノーマルスタイル。

青空のもと、八ヶ岳をはじめ、浅間山、御岳山、南北アルプスなど360度の眺望を楽しむ。

ポットのお湯でリフィルのカップラーメンとコーヒーで昼食をとる。食事後、道路の雪が溶けていることを期待して下山する。

無事、下山。幸い鹿曲川林道の雪は結構溶けていた。中部横断自動車道の佐久南IC入り口からも真正面に浅間山がきれいに見えた。途中渋滞に巻き込まれるが、無事帰着することができた。


コースDATA

大河原峠登山口(大河原ヒュッテ)発9:41 佐久市最高地点10:40 赤谷分岐10:46     将軍平(蓼科山荘)10:57 蓼科山頂ヒュッテ11:38 蓼科山頂10:45    山頂発12:20    蓼科山荘頂12:57    赤谷分岐13:07 佐久市最高地点13:14 大河原峠登山口(大河原ヒュッテ)着14:00

本仁田山(1,224.5m) 奥多摩

2017年10月12日

秋雨前線の影響でこれからしばらく各地とも天気が悪い予想で、仕事が休みのこの日、雨マークがないのは南関東だけだった。半日程度で登ってこられる山ということで、まだ行ったことがない奥多摩の本仁田山に登ってきた。

青梅線 奥多摩駅
駅を出て右に道を進んで橋を渡る

橋を渡って右手に行き、川に近い方の道を進むとまた橋が現れる。
橋の下には国際ます釣り場
しばらく林道を登って行く。

舗装された林道を20分ほど登った安寺沢集落が登山道入り口である。

本仁田山周辺のスギの森はとても美しく、手が行き届いていた。

登山道を少し進んで行くと乳根観音との分岐に至る。本仁田山の登山道は右手だが、乳根観音は左に1〜200mくらい行った所にあるようなので行ってみ.ることにした。

乳房観音は鎌倉時代にこの地に来た落人が持参していたイチョウの実を蒔いたということで、巨木に育ったイチョウ(樹齢6百年)が2mにもなる乳根が無数に垂れてきたことを祝って観音さまを祀ったものだそうだ。(イチョウは巨木になると枝から老婆の乳のような枝が垂れ下がってくる)

そのイチョウはその後伐採されてしまったそうだが、現在そのイチョウの株元から育った2本の新しい芽はすでに巨木になっている。高さはあるものの、枝はまだ細いので乳根が垂れ下がってくるのはまだ先のようだ。

登山道入り口近くにはキンミズヒキが多数自生していたが、登山道の其処彼処にいろいろな秋の花が咲いていた。残念ながら、名前はよく分からなかつた。

綺麗に植栽されたスギが切れて、左手には明るい広葉樹の樹林帯が広がってくる。登山道にはいろいろなドングリがどっさり落ちていた。

落ちていたドングリは形や大きさもいろいろ違っていて、ミズナラ、クヌギ、コナラなどと思われた。ドングリは樹種によって形や大きさの違うので、見上げた樹木と照らし合わせてみるのも面白い。

クリスマスリースに付けるために少し拾っておいた。ドングリはそのままだと虫が入っていることが多いので、電子レンジで加熱して保存しておこうと思っている。

登り進んで行き、根が露出した急登を登って行くことになる。

11時20分。本仁田山、山頂到着である。

登山道には蜘蛛の巣がたくさん張っていたので、今日初めての登頂者だと思う。途中1名を追い抜かし、下山時に川苔山からと思われる登山者2名に会ったので、この日山中であったのは3名だけだった。

頂上の丸太のベンチでアルコールバーナーでお湯を沸かして、早めの昼食をとる。アルコールバーナーは軽るいので試してみようと用意していたもの使ってみようとバーナーとシェラカップの組み合わせで持って来ておいたものだ。軽かったのは良かったが、沸騰するまで思いの外時間がかかり、ちょっとイラつく。使用後、バーナーが冷えるまで時間がかかるのもマイナスポイントか。魔法瓶でもインスタントラーメンやスープ、コーヒーなどだったら十分の暖かさが確保できるので、魔法瓶の方かポイントが高そうだ。

赤松の巨木

林道との出合は少し広く開けていて、少し下がった杉林の中に祠が安置されていた。大根ノ山の神の祠である。

林道と別れ、再度登山道を下山して行く。鳩ノ巣駅まではあと30、40分ほどである。

ちょっと前に電車が通り過ぎていく音が聞こえていたが、上り電車だったことは後で分かった。もう少し早く歩いていれば50分近くも待たされなかったのに・・・。

蕎麦でも食べたいと思っていたが、駅前の2軒の茶屋は平日だったためか開いていなかった。とりあえず、駅前のベンチで汗びっしょりになった上着を着替えて、電車の時間まで時間で待つことにした。

まだ2時過ぎなのに空は暗くなってきて、今にも雨が降り出しそうだった。

暗く展望もあまりない奥多摩の低山ではあるが、じっくり歩いてみると季節のいろいろな花を見つけられたり、整えられたスギの植林と広葉樹の自然樹林が混在した里山の風情を楽しむことができてよかった。

これから、花の名前も調べなくては・・・。

S47年卒 手島


コースDATA

青梅線奥多摩駅8:40 安寺沢集落9:15 乳房観音9:20    本仁田山11:20 瘤高山11:50 大根ノ山の神12:50 青梅線鳩ノ巣駅13:25

三本槍岳(1,917m) 那須連山

2017年10月1日

秋晴れを狙って那須の三本槍岳を登ってきた。”槍”と名がついているのでとんがった山なのかと思ったが、山の形からついた名ではなく、山頂が会津藩、黒羽藩、芦野藩の三藩の境であったことから各藩で頂上に槍をたてことが由来のようだ。

東北自動車道の那須高原SAのスマートICで降りて登山口の「マウントジーンズ那須」スキー場へ向かう。茶臼岳や朝日岳などの那須連山が青空にくっきりとした姿を見せていた。

今回は「マウントジーンズ」スキー場からロープウェイを使って往復する標準4時間の紅葉お手軽登山である。

駐車場は無料で、駐車場からは道の下のガードをくぐって行くとスキー場の入り口があ。通路にテーブルが置かれ登山者に対しては登山届けを書くスペースが設けられており、書いた登山届けはロープウエィ切符売り場に提出することになっていた。登山届けは受付で管理されており、往復の場合は帰着を申し出て登山届けを外すシステムになっている。

ロープウェイ山頂駅にはカフェレストランがあり、上は広場になっており、ドックランや周回散策路などもあり、左に行くと展望台がある。展望台からは三本槍岳は見えないものの、茶臼岳や朝日岳などがよく見渡せた。

展望台からリフト方向に戻り、そのまま右手に進んで行くと新展望台があり、左に曲がりながら先に行くと北湯に向かう周回コースと分れ、清水平、三本槍への登山が始まる。

ゆるやかな登りのブナやミズナラなどの樹林帯を10分ぐらい行くと左に鬼面山、茶臼岳、朝日岳などの那須連山を見ながらの真っ直ぐに続く明る大倉尾根の気持ちの良い登りになる。

左手には紅葉した朝日岳の山容を眺めながら右手に前岳を経由して赤面山方面への分岐を過ぎるとスダレ山への登りになる。

スダレ山を越えて下って行くと、清水平への分岐になる。

分岐を左に清水平方面に行くと、木道がある清水平の湿地を経由して朝日岳、茶臼岳への縦走路と熊見曽根を経由して三斗小屋温泉に至る登山道になる。

どんな感じなのか、ちょっと清水平が見渡せる地点まで行ってみた。鞍部に木道が続いていた。

ルートに戻ると、いよいよ三本槍の頂上への登りとなる。

三角点のある那須連山の最高峰、三本槍岳頂上の到着である。

30人くらいの女性のグループが上がってきて、頂上は溢れんばかりの賑わいになってしまった。ゆっくりコーヒーを飲んでいる雰囲気ではないので、眺めを楽しんでからそそくさと退散する。

秋晴れの中、そこそこ紅葉も楽しめた山旅だった。1,500mから上はすでに紅葉が楽しめるようた。

時間が早かったので那須高原のステンドグラス美術館を見学して帰路に着いた。                                 (S47年卒)  手島達雄


DATA

マウントジーンズ駐車場9:20 マウントジーンズ山麓駅9:25 マウントジーンズ頂上駅9:40 展望台9:45 登山口9:50 中の大倉尾根  赤面山分岐10:50   大岩11:10    清水平分岐11:15  三本槍岳頂上11:35    ロープウェイ山頂駅13:05


付録 那須ステンドグラス美術館(セント・ラファエル礼拝堂)

那須町高久丙1790   Tel0287-7111

 

 


三本槍岳(1,917m) 中の大倉尾根からの眺め     2017年10月1日

白馬岳(2,932m)

2017年8月27日〜29日

公共交通機関を利用する場合、東京23区から白馬駅まで中央線・大糸線を利用すると早くても11:27になってしまう。しかし、北陸新幹線で長野駅まで行き、特急バスの長野白馬線を利用すると白馬駅には9時半に着き、アルピコバスの白馬猿倉線に乗り換えると猿倉には10:07に着くことができる。大雪渓を経て、その日のうちに白馬岳山頂に立つことが出来るのである。

村営 猿倉荘

大雪渓を行列して登るのはいやなので、お盆明けの晴れ間を狙って白馬岳に登ってきた。猿倉線は8月は27日の日曜日が最終で、それ以降は10月上旬まで土日のみの運航となる。

日曜日だからなのだろう長野白馬線のバスの乗客は多く、1台では乗り切れなかったので2台目を出すということになったようだ。しかし、白馬駅で降りた乗客は2人だけで、あとの乗客は八方尾根か栂池が目的だったのだろう。

猿倉に着くと白馬岳から下りてきた登山者が帰りのバスを待っていた。今日は白馬岳の山頂は雲で見えない。

白馬尻小屋

大雪渓ケルン

白馬雪渓のケルンから10分くらいのところからアイゼンをつけて大雪渓に上がる。最盛期はアリの行列のように登山者が続いているのだろうが、この時期になると潮が引いたように登山客はとても少なくなるので登山をゆったりと楽しむことができる。下りてくる人とはあったが、登る人ははるか上にぽつんと見えるくらいだった。

雪渓に取り付いて5分も経たないうちに雪渓いっぱいにクレバスが広がっていた。一度アイゼンを外し、左の高巻きを上がることになる。アイゼンは6本爪の軽アイゼンである。

雪渓いっぱいに広がったクレバス

再度雪渓に降りて、アイゼンをつけ直して登り出す。時折ガスってホワイトアウトする中をアイゼンの雪を踏む音を聞きながら、上にだけに意識を持って登っていく。

左斜面の杓子岳からはガラガラと不気味な落石の音が時折聞こえてくる。気が許せない。

雪渓に取り付いてから1時間ぐらいだろうか、アイゼンを外し雪渓から右斜面の巻道を葱平方向に上がっていく。不安定に石が重なっているので、石を落とさないように注意して登る。ジグザクに斜面を高巻き、高度を上げていく。食事をとっている時間と場所がなく、機会を失ったままだったので「しゃりバテ」でフラフラになってしまった。「葱平までは座るな」「白馬尻までは座るな」という標識が目につく。

足場が危ういところには足場板が設置されていた

大赤石

上部の小雪渓はすでなくなってしまっていた。それでも、今年は結構遅くまで雪が残っていたようだ。

避難小屋

避難小屋からは杓子岳の岩峰(天狗菱)が雄壮に聳え立っているのが見える。

杓子岳の天狗菱

避難小屋を過ぎると辺りは比較的なだらかな地帯に入り、先には杓子岳と白馬岳を結ぶ吊尾根のような稜線が見えてくる。林野庁の国有林の立派な看板が真ん中に鎮座している。まだ高山植物も結構咲いていた。

国有林の看板

枕木の頑丈な階段状の木道は急登で、喘ぎながら抜けていくと白馬岳頂上宿舎の白い建物が見えてきた。

枕木が設置された急登

白馬岳頂上宿舎が見える
村営白馬岳頂上宿舎

今日の泊まりは頂上宿舎と白馬山荘とどちらにしようかと思っていたが、ロケーションはやはのこの上の白馬荘の方が良さそうなので、先を行くことにした。

杓子岳と白馬鎗が岳
上から見た村営白馬岳頂上宿舎
頂上宿舎から望む白馬山荘

稜線に上がると10分足らずで白馬荘に到着。受付を済ます。今日宿泊する登山客は山小屋の規模からするととても少ないようだった。ほぼ2号館だけで捌けてしまう人数だったようで、1号館は相部屋の1室に8人程度の宿泊者だけだったようだ。相部屋の方が人口密度が低そうだった。

白馬山荘宿泊受付
白馬山荘 スカイブラザ(レストラン)

白馬山荘相部屋

白馬山荘1号館トイレ
1号館洗面所

指定された夕飯の時間までは間があったので、レストランの「スカイプラザ」で生ビールを飲んでから外で景色を見ながら過ごした。

スカイプラザの生ビールは800円だったか。

白馬山荘から見る白馬頂上宿舎
白馬山荘 夕食
2号館自炊場

旭岳に沈む太陽

正面には剱岳や立山がきれいに眺められた。8月中で晴天が見込まれた日を狙っての山行だったが、本当に狙い通りの天気になってくれた。

剱岳立山遠望

翌朝は5時から食事が用意できるということで、5時20分ごろに食堂に並んだ。

白馬山荘 朝食

食事を済ませ、荷物を整理して5時50分に頂上に向けて出発した。

山荘から見た白馬岳山頂(この写真は前日夕方のもの)

白馬山荘から白馬岳頂上までは20分くらいで到着。雲が多くなってきたものの、富山湾、剱岳や北アルプス南部の山々や八ヶ岳、遠くに富士山の頭も見えた。

白馬岳山頂

三国境

三国境は越後(新潟)、信濃(長野)、越中(富山)の三国(県)の境になるようだ。

三国境、小蓮華山、白馬大池までは快適な稜線歩きが続く。

双耳峰の鹿島槍の奥に槍ヶ岳が見えた
白馬大池

コマクサ
白馬大池山荘
チングルマの綿毛

白馬大池の周りにはたくさんの高山植物が群生していた。なかでもチングルマが一面に広がっていた。しかし、その多くはすでに綿毛になっていたが、雪解けが遅れた所だろうか今が花盛りになっていた所もあった。

チングルマの花
白馬大池のテン場

白馬乗鞍への道は大石がゴロゴロしたところを登るので結構疲れる。白馬大池から天狗原にかけての道は歩きにくいところが多く、思っていたより体力の消耗が激しい。少なくとも登りでは使いたくないコースだ。

白馬乗鞍岳山頂

途中、20〜30mくらい小雪渓を横断する。

この辺りから空気が生ぬるくなった感じで、下界の空気に入れ替わったようだ。

天狗原

銀嶺水

梢から唐松岳、不帰ノ劍や天狗の頭などの山々が見えた。

栂池自然園

栂池自然園に到着、登山終了である。ここからロープウェイとゴンドラを乗り継ぐパノラマウェイで1,100mを一気に下界の栂池高原まで連れて行ってくれる。

ロープウェイ駅

リフト駅 イブ

栂池高原では長野駅行きのバスの出発まで時間があったので、信州そばを食べ、温泉で汗を流すことが出来た。パノラマウェイの半券かモンベルの会員券を見せると割引を受けられる。

栂の湯

バス停

もう今年の夏山もこれで終わりか。


コースDATA

1日目 長野駅 特急バス長野白馬線8:20 白馬駅9:30   9:40 猿倉バス停10:07 猿倉荘10:10 白馬尻小屋11:10 大雪渓ケルン11:30 大雪渓取付11:40 右斜面13:05 葱平 避難小屋14:40 林野庁看板15:10白馬頂上宿舎15:45 白馬山荘16:10

2日目 白馬山荘5:50 白馬岳頂上6:10 三国境6:40 小蓮華山7:15 白馬大池8:30 白馬乗鞍岳9:10  天狗原9:55 銀嶺水10:25 栂池自然園駅10:50 =栂池ロープウェイ= 栂大門駅 栂池高原駅 =栂池ゴンドラリフト(イブ)= 白樺駅(中間駅) 栂の森駅 栂池高原バス停11:45 長野駅


北アルプス 白馬岳 2017年8月27日〜28日

S47年卒 手島

八甲田山 大岳(1,585m)

2017年8月21日

岩木山と同じように百名山に数えられる八甲田山は明治35年に対ロシア戦を想定した陸軍の冬期訓練で210名中199名が遭難死した雪中行軍の舞台となった山であり、新田次郎の小説「八甲田山死の彷徨」や高倉健の代表作映画の「八甲田山」でも有名になった山でもあります。緯度が高いので標高は低い山いものの冬期積雪量も多くブナやアオモリトドマツ、ハイマツなどの美しく深い森と高層湿原を伴った高原など豊かな自然に恵まれた山です。


青森駅から新青森駅を経由する十和田湖行きのJRバス「みずうみ号」に乗車し、八甲田ロープウェイ駅から田茂萢岳の自然探索路を通り、赤倉岳、井戸岳を縦走し、八甲田山の最高峰の大岳をビストン、毛無岱という湿原を通って湯治の一軒宿で有名な酸ヶ湯温泉に至るコースを歩いて来ました。前日登ってきた岩木山から比べるとハイキング気分で楽しめました。

青森ベイブリッジ
駅前ロータリーにあるバス停
切符は待合室に自動販売機があります。

「みずうみ号」は大型のバスで、途中「三内丸山遺跡」を通り「かやの茶屋」でトイレ休憩が設定されていました。「かやの茶屋」では3杯飲めば死ぬまで長生きできるという長生きの麦茶「三杯茶」を無料で提供してくれます。

八甲田ロープウエイは101人乗りのロープウェイで、冬期はスキー客をたくさん乗せているようです。2台が中間地点で交差するようになっています。

前夜、弘前のホテルでテレビを見ていた時に、十和田湖周辺の山林でクマに襲われて怪我をした人が出たという地方局のニュースが流れていました。当日は平日で、比較的登山客も少なそうなので少し心配でした。乗客には鉄砲を担いだ?客もいたので、クマ対策なのかと思ったらますます気になってきていました。しかし、ケースに入れた状態で担いでいては間に合うのかどうか。お守りにしては重たそうではあります。

ロープウェイは10分くらいで山頂公園駅に到着。山頂公園駅は田茂萢岳の山頂台地に位置しており、アオモリトドマツやクマザサなどの比較的低い植物が広がる開放感のあるなだらかなで地形です。

これから登る赤倉山、井戸岳、大岳の三山が連なって眺められます。

田茂萢岳の自然研究路の周遊ルートから分かれて先を行くと、直接毛無岱に行くコースと赤倉山へ行くコースに分岐します。

ウメバチソウ

深く切れ落ちた崖を左に見ながら赤倉岳を目指します。

途中、祠があり、少し行くと赤倉岳頂上に到着しました。

赤倉岳から井戸岳の爆裂火口を右に見ながら縁に沿って緩やかな登山路を進んで行きます。

白花のタルマイソウ

正面にこんもりとした山容の大岳、そして井戸岳と大岳のコルには避難小屋があります。ベンチなども多く休憩地としても多く利用されているようです。

大岳鞍部避難小屋
避難小屋内部の様子

ホシガラスが食べ散らかしたのか、登山道脇にハイマツの実らしきものが散らばっていました。

20分程度で八甲田山の最高峰1,585mの大岳山頂に到着しました。

頂上のケルン近くでコーヒーブレイク。

イワギキョウ

コルまで戻って、避難小屋近くのベンチで昼食をとりました。

昼食後、毛無岱方面に下山開始。

キンコウカの広がる上毛無岱を行きます。すでに花の見頃は過ぎ、湿原には秋の気配が感じられました。

上毛無岱を越えてしばらく低い樹林帯を行くと、唐突に眼下に湿原が広がる絶景ポイントが待っていました。下毛無岱の眺めです。上下の毛無岱を結ぶ木造階段は280段の入り口です。階段上から眺める湿原はまるで整備されたどこかのゴルフ場のようでもありました。

下毛無岱から酸ヶ湯方面に下って行きます。

酸ヶ湯温泉が右眼下に見えてくるとあと少し。予定より早く着いたので、ゆっくり温泉に入れました。酸ヶ湯温泉は思っていたよりもモダンな感じで、ちょっとした旅館と変わらないようでした。

玄関先に日帰りの入浴の自動販売機が置いてあり、そこで入浴券を買います。名物の「ヒバ千人風呂」は基本混浴で玉の湯」にも入れるタオル付きの共通券は1,000円でした。受付を済ませてタオルを受け取り、ロッカーにザックを預けてお風呂へ。

「千人風呂」は写真で見た感じよりも小さく、「熱湯」と「四分六分」「冷の湯」「湯滝」などがありました。洗い場はなく、流しみたいな所の蛇口?からは冷たい水だけが出ていました。とりあえず汗だらけの体をお風呂の湯を桶で汲んで風呂脇で体を流して入りました。右側が空いていたので入りましたが、あとで右半分は女性エリアになっているということ知りました。女性は誰も入っていなかったので分かりませんでした。

風呂内の写真は撮れなかったので「酸ヶ湯温泉」のHPから画像を借用させていただきました。(上の写真)

http://www.sukayu.jp/inside/bathroom.html

湯宿から出て、バスの時間まで外のテーブルに座って待ちました。行きのバスと同じ十和田湖方面から来る「みずうみ号」です。

バスは新幹線「はやぶさ号」で帰るので、途中の新青森駅で下車します。

弘前を起点とした岩木山、青森を起点とした八甲田山という2つの百名山をめぐる山旅の終了です。

1日目の岩木山へ


コースDATE

八甲田ロープウェイ山頂公園駅9:30 赤倉岳分岐10:00 赤倉岳10:50 井戸岳火口11:00 大岳ヒュッテ11:10 大岳11:35 大岳ヒュッテ12:10 上毛無岱12:50 下毛無岱13:10 酸ヶ湯温泉13:50

岩木山(津軽富士) 1,624m

2017年8月20日

岩木山は本州北端の津軽平野にある独立峰で、信仰の山でもあります。「津軽富士」とも呼ばれ、演歌にもよく登場する山です。

遠路青森まで行くので1日目を八甲田山にして酸ヶ湯温泉近くのキャンプ場に泊まり、2日目を岩木山に登り岳温泉近くのキャンプ場に泊まる計画(ともに温泉入浴が可能)をしていましたが、天候の都合で1日目と2日目を入れ替えたところ交通機関の関係からキャンプ泊は不可能になり、駅近くのビジネスホテル泊になりました。

岳温泉先のスカイライン入り口からつづら折れの自動車道路が8合目まで通っており、その先リフトで岩木山頂上まで50分くらいのところまで行くことが出来ます。しかし、せっかく青森まで行くので岩木山神社から百沢を詰めて登り、帰りはリフトとスカイラインで下りてくることにしました。


岩木山の登山口まで弘前駅から10分くらいの所にある弘南バスターミナルから枯木平行きのバスに乗って「岩木山神社前」で降ります。

この日は「お山参詣」という地域の集団登拝に繋がる小学生対象の行事が予定されていたようで、沿道ではお祭り装束の小学生たちが岩木山神社まで鳴り物とともに参詣する準備をしていました。お山参詣という集団登拝は津軽地方に古くから伝わる行事で、3日間に渡り繰り広げられます。最終日の旧暦8月1日の夜に白装束に身を包み、登山囃子に鳴り物と幣や幟を立てた集団が岩木山奥社(山頂)に登拝、ご来光を拝むというものです。

岩木山神社の鳥居からは天気が良ければ岩木山山頂が望めるということでしたが、残念ながら曇っていて岩木山の姿は見られませんでした。岩木山神社は飾りっ気はないものの風格のある立派な作りの神社です。

ユーモラスな感じの狛犬が出迎えてくれました。登山の無事を祈って参詣。登拝門は左手奥にあります。

岩木山の登拝門。

神苑桜ヶ丘の桜並木を進んで行き、スキー場の建物のピロティーを潜って行きます。熊注意の表示が玄関先に出でいました。

まだかまだかと思いながらが汗びっちょりになり、やっと姥石に到着しました。汗をかきすぎて足が重たく、調子が出ません。

すでに20分遅れで焼け止まりヒュッテまで来ました。

その先の石ころだらけの山道に来て、ふくらはぎがつり出しました。去年のちょうど今頃に会津駒ケ岳の登りに汗のかき過ぎのミネラル不足と熱中症で時間切れで登頂を断念した時の再来か。

一度つりはじめるとなかなか戻らず、痛さで倒れ込んでしまうほどでした。やっと起き上がったら、今度は太ももがつリ出す始末。塩あめをなめていたのですが、疲れもあり汗のかき過ぎが原因と思われました。

塩のサプリを大量に摂ってマッサージをして様子をみました。予定のバスには乗れなくなりそうなので、2時間遅れの次のバスに乗ることにして、だましだましゆっくり登ることにしました。

7月までは百沢には雪渓が残っているそうですが、既に雪は残っておらず、石がゴロゴロした沢を登りつめて行くことになりました。

ミネラルの補給が効果あったのか、足がつるのは治まってきて、調子が良くなって来たところで視界がひらけ、錫枝清水に到着しました。清水は7月くらいまでは雪に埋まっているということですが、冷たい清水が勢いよく管から出ていました。とても冷たく美味しい水で、気分もリフレッシュしました。

この清水付近にはミチノクコザクラが群生していました。

先を行くと、岩木山のシンボルにもなっている大倉石と呼ばれる槍のような岩山が見えてきます。

カルデラに水が溜まった小池の種蒔苗代に到着。鞍部には鳳鳴ヒュッテが見えます。

鳳鳴ヒュッテは秋田県立大館鳳鳴高校の生徒4人が冬期この地で遭難死したことからその翌年に作られたという避難小屋です。

ここで、スカイラインとリフトで上がって来た観光客と合流します。急にたくさんの人が現れて来て、頂上を目指して行列になっていました。ここから頂上までは30分くらいでなので、荷物をヒュッテ脇にデポして登って行くことにしました。混雑することから、上りと下りの登山道が分かれて設定されていました。

岩木山頂上到着。晴れていれば眼下に広がる津軽平野、津軽・下北半島、白神山地、明日登る予定の八甲田山、そして遠く岩手山なども眺められるということでしたが、残念ながら何も見えませんでした。

すでに予定時間より1時間以上遅れてしまっていましたが、コルに戻りリフト駅の方に道を分けました。

大倉石を回り込んで行くと、鳥海山のカルデラの下に少し雪が残っているのが見えました。リフト駅までは15分くらいで着きます。

リフトを使って8合目駅に到着。ここから岳温泉までシャトルバスが出ており、弘前行きのバスに乗り換えます。

津軽平野から見る岩木山と岩木山から見える津軽平野を眺めたかったのですが、今回はその両方とも叶わなかったので残念でした。

明日は八甲田山に登る予定なので、弘前駅から青森駅に移動してホテル泊になります。

八甲田山に続く


コースDATA

岩木山神社 桜苑桜並木 姥石 焼けどまりヒュッテ 鳳鳴ヒュッテ 岩木山頂上 鳳鳴ヒュッテ リフト ロープウェイ頂上駅

北アルプス 唐松岳(2,696m)

2017年8月9日〜10日


なかなか進まないノロノロ台風5号にやきもきしたが、8月11日の山の日を前に北アルプスの唐松岳に行ってきた。

上野駅から北陸新幹線の6時34分発の「はくたか551号」に乗車し長野駅で下車。長野駅からは東口発の白馬乗鞍行きのバス「特急長野白馬線」で白馬八方バスターミナルで下車。ゴンドラとリフトを2本乗り継いで八方池山荘までのアプローチは4時間。(バスの切符はバス停手前の(おみやげ店科の木東口のレジで購入)

八方白馬バスターミナル 9:40

白馬八方バスターミナルからオレンジ色に塗られた道を15分ほど歩いて行くとゴンドラ「アダム八方駅」に着く。JAFかモンベルの会員ならば割引があるとのことだった。

9:58

台風一過の晴れを期待していたが、雲行きは怪しい。ゴンドラに乗り込んだ時には青い空が見えていたが、途中からガスってきてしまった。

10:08
アルペンクワッド 4人乗り
10:18
グラートクワッド 3人乗り

リフトを2本乗り継いで八方池山荘に到着。やはり、はっきりしない天気である。

10:25
トイレの入り口には協力金のボックスがある。
石が敷かれた道や木道のなだらかな登りが続く。

道の脇にはいろいろな高山植物が咲いていた。

キンコウカ
オヤマソバ

タテヤマウツボグサ

ミヤマアズマギク
10:58
第2ケルン 11:00

八方ケルン  11:07

八方池に着いた頃には9割がた曇ってしまい、白馬岳や不帰ノ嶮は下1/3を見せるだけだった。それでもたくさんの人が池の周りに集まっていた。観光客はここで引き返して行くようだ。

八方池 11:21

タカネマツムシソウ
ホソバツメクサ
クガイソウの群落

ハッポウウスユキソウ
ミヤマダイモンジソウ

ひらけた尾根を登って行くと樹林帯「下の樺」に入る。この樹林帯は一度とぎれ、ひらけた斜面をトラバースしてまた樹林帯「上の樺」に入ることになる。

下の樺の樹林帯 11:49
くねったダケカンバが美しい。

「扇の雪渓」で休憩するが、雨が結構降ってきたので雨具を着ける。気温もかなり低くなってきている。

扇の雪渓上部  12:26
チングルマの群落
チングルマとコイワカガミの群落

丸山
丸山ケルン  13:09

丸山ケルンを過ぎると頂上山荘まではあと少し。

13:42

2時に唐松頂上山荘に到着し、受付を済ませる。本館は個室の南館と2階の相部屋があり、本館を出てすこし離れた所には2段になった相部屋の北館がある。それぞれ料金が異なる。個室は予約制で、すでに満室のようだ。どこがすいていそうかと聞いてみたら「北館の方ほうですかね。」と言うので北館にした。

別館の北館は2段ベットを広くしたような作りだが、思っていたより綺麗だった。指定された上の段に90度のはしごで登って入室。そこには既に「せんべい布団」が敷いてあり、布団1枚に2.5枚の「せんべい枕」がセットされていた。「個」ではなく「枚」と数えるのがぴったりの枕である。区画はカーテンで仕切られていたが、どれくらいの人が入室しているのかよく分からなかった。4時過ぎまでその「かいこ棚」に一人だけだった。外はガスっていて小雨が降っており、しかも寒い。天気が悪いので唐松岳登山は明日に回すことにした。部屋には誰もおらず、何もすることがないのでしかたなく指定された夕食の時間まで部屋で過ごした。

夕飯の時間になったので本館の食堂に向かう。食堂前に並ぶと、座る場所も指定される。

夕飯 16:50

本館1階には食堂のほか個室の南館とトイレ、乾燥室、受付や売店などがあり、2階には相部屋と喫茶ルームがある。炊事用のコーナーは小さなテーブル1つ程度のの広さしかない。

食事時間は初めの受付の際にすでに指定されていた。ご飯と味噌汁はおかわり自由ということで、おかずは大抵こんな感じのようだ。

夕食後、部屋に戻ったら部屋には山岳部だという高校生が新しく4人入って来ていた。部屋はあっという間にいっぱいになってしまった。しばらく休んでいたら「少し晴れて来た」ということで外に出てみた。しかし、あたりはまだガスっており、一瞬だけ剱岳が見えて、また霧の中に消えていてしまった。

しばらくして、「雲が晴れて、劔岳が見える」という声が聞こえてきたので、また部屋から出てみたら、ガスはすっかり飛んでいて青空に夕映えの五竜岳、唐松岳をはじめ剱岳がきれいに見えていた。

18:21
17:00
唐松頂上山荘から見る剱岳
頂上山荘下テント場

下には今まで見えなかったテン場も見えるようになった。初めはテン泊も考えており、狭く高低差もかなりあるということで面倒かと思って小屋泊まりにした経緯もあり、どんな所か見ておきたかった。下の方のテン場から小屋までは10分以上かかりそうだ。

朝焼けの五竜岳

翌朝の天気は上々。五竜岳から遠見尾根を行くか、唐松岳だけにして下山するか迷っていた。

天気がもつのは午前中だけという予報ており、遠見尾根はかなり長そうなこと、携帯電話の予備のバッテリーは持って来ていたもののケーブルを忘れてしまっていて残り20%を切ってしまっていたので、結果、唐松岳だけにすることにして最低限の荷物だけ持って6時10分、唐松岳に出発した。

不帰の嶮

山頂には6時35分に到着した。

不帰の嶮方向  6:35

頂上からのパノラマを堪能し、下山。途中、山頂山荘上のヘリポートがある稜線に上がってみた。

稜線には何やらの糞がありました。
唐松頂上山荘上の稜線から見た五竜岳  7:14
コマクサ
唐松岳頂上山荘付近のコマクサの群落
チングルマの実

7時半に頂上山荘を出発して下山開始。

頂上山荘発 7:31

「雷鳥がいる!」という声に振り返って下のハイマツ帯を見たら雷鳥が飛び立って飛んでいってしまった。

不帰の嶮II峰から天狗の頭
不帰の嶮II峰とI峰
天狗の頭から白馬三峰
八方池を見下ろす稜線でコヒータイム  8:51

八方池を下に見渡せる稜線上でコーヒーブレイク。「山の日」を明日に控えているせいか荷揚げのヘリコプターが天狗山荘や唐松山頂山荘方面にひっきりなしに往復して飛んでいた。

荷揚げのヘリコプター

第3ケルンからは不帰の嶮から白馬三山まで見渡せます     9:09
ポスターのような1枚です

ハッポウワレモコウ
9:26

八方ケルン 9:38
八方山ケルン 9:43
10:27
八方池山荘前に到着
「山の日」前日とあって観光客も含めてたくさんの人でした。 10:16

来た時と同じようにリフトとゴンドラを乗り継いで白馬八方BTまで戻った。バスターミナルで着替えをし、11時45分発の長野駅行きの特急バスに乗り込む。BTのすぐ近くに「八方の湯」なるものを車窓から見つた。チェックしておけばよかったと。

悪い天気が続く中の唯一の晴れ間だったようだ。


コースDATA

白馬八方バスターミナル9:40 アダム八方駅9:58    (兎平)10:08 アルペンクワッドリフト駅(黒菱平)10:17 八方池山荘10:25 八方山ケルン11:00 第2ケルン 八方ケルン (第3ケルン)    八方池11:20 下の樺11:50 扇の雪渓11:25 丸山ケルン13:09 唐松頂上山荘13:55

唐松頂上山荘6:10 唐松岳6:30 唐松頂上山荘7:30 丸山ケルン8:00 下の樺8:38 第3ケルン9:09    八方池    八方山ケルン9:43 八方池山荘10:16

咲いていた高山植物のDATE

タテヤマウツボグサ キンコウカ ミヤマアズマギク ミヤマキンポウゲ タカネマツムシソウ ホソバツメクサ クガイソウ ハッポウウスユキソウ ミヤマダイモンジソウ チングルマ コイワカガミ コマクサ ハッポウワレモコウ チングルマ  イワオトギリソウ ミヤマトウキ ハクサンシャジン エゾシオガマ ミヤマアキノキリンソウ ウサギソウ シモツケソウ コイワカガミ ハッポウアザミなど

昭和47年卒 手島達雄