「行ってきました」カテゴリーアーカイブ

岩櫃山(802.6m) 群馬県

2018年11月15日 岩櫃山

岩櫃山はNHKの大河ドラマの「真田丸」のオープニングのタイトルバックの映像にも登場した群馬県東東町にある岩峰が印象的な山である。真田氏ゆかりの岩櫃城跡や潜龍院跡(古谷御殿跡)などの史跡も残る。


駐車場は東側の古谷登山口と西側の平沢登山口にある。今回は古谷集会所にある登山者用駐車場に車を駐めて、蜜岩通りから岩櫃山に登り、岩櫃城本丸跡まで行き登り返して赤岩通りを経由して潜龍院跡、赤岩登山口に下山して古谷駐車場に戻る計画だ。

集会所のトイレは外部に独立していて自由に使うことができる。この駐車場は岩櫃山の2合目にあたるということのようだ。コースは短いものの山中での表示は丁寧すぎるほど設置されていた。

左手に蜜岩神社の表示があるが登山道は岩櫃山の表示通りに道を進んで行く。

ポイントごとに真田氏の六文銭ののぼりが立っていた。

古谷T字路

左手は蜜岩登山口方面、右手は赤岩登山口方面になる。今日は蜜岩登山口から登り、時計回りぐるっと回って赤岩登山口に下りてくる予定である。

町指定の大隅桜

鞍部まで登って岩壁の裏に回って頂上を目指すことになる。

蜜岩登山口からのルートは「天狗のかけ橋」をはじめ鎖場や梯子がある比較的険しいルートなので登山口にはレーティングの表示や危険な場所がある旨の注意書きの札がたくさん立てられていた。

鎖場は使わなくても済む程度から始まる。新しく設置された鎖は頑丈で、よく整備されていた。

岩櫃山は中世期の火山活動によって形成された山で、上部は安山岩質凝灰角礫岩と安山岩溶岩などの肌理細かいベースにゴツゴツした石が混ざって飛び出している火成岩のようです。

いくつか鎖場や梯子を越えて行くと、いよいよ「天狗のかけ橋」の表示が出てきました。大岩を回り込んで行くと石のブリッジの「天狗のかけ橋」が現れました。

両端が切れ込んでいてゴツゴツした岩が盛り上がっており、部分的にはまさに石のブリッジになっていました。この1m弱が怖くて立ちつくしてしまいました。壁ならば多少高度感があっても登り下りできますが、こういうのが極めて苦手としているので、足がすくんで進めません。引き返して迂回路に逃げてしまいました。

上から見た「天狗のかけ橋」です。

鷹ノ巣遺跡はよく分からず通り過ぎてしまいました。

真下に集落が見える壁をトラバースして行きます。

写真を写すの忘れてしまいましたが、頂上直下には丸く膨らんだような大岩があり、それを越えて行きます。鎖が2本かけられていて結構高度感があります。鎖で囲まれた岩櫃山、頂上到着です。

先には尖塔のようなビークが聳えていて、その頂上には何人かの人が座り込んでおしゃべりをしているのが見えました。

ビークを越えるとあとは険しいところはありません。沢通り、尾根通りを通って本丸跡に向かいました。

まっすぐな大木がどかっと橋のように倒れていました。

一本槍
天狗の蹴り上げ石

天狗岩

岩櫃城本丸址に到着です。

赤岩十二様通りを下りて行きます。

途中、シチューとカップヌードルで昼食をとりました。

 

途中に郷原城址を通ります。

平らな広場に出ました。ここが真田昌幸が武田勝頼を迎えるために3日間で建てたといわれる古谷御殿跡になります。後に潜龍院というお寺があったことから、潜龍院跡と呼ばれています。

十二通り登山口

赤岩登山口

起点となる古谷T字路まで戻ってきました。

駐車場到着です。雲ひとつない青空に紅葉と岩山が綺麗でした。

S47年卒 手島


コースDATA

古谷登山者用駐車場9:55 (密岩通り)    古谷T字路10:05 密岩通り登山口11:15 尾根鞍部10:40 天狗の架け橋10:45 鷹ノ巣遺跡分岐10:55    御厩11:00 岩櫃山頂上11:05 (沢通り)    天狗の蹴り上げ岩11:30     沢通り6合目 櫃ノ口11:35 天狗岩11:47    尾根通り5合目 赤岩通り分岐 岩櫃城本丸分岐   岩櫃城本丸跡11:55      (尾根通り) 赤岩通り分岐12:35      旧道分岐12:38 (十二様通り) 郷原城跡13:10 潜龍院跡13:15      赤岩登山口13:17      古谷T字路13:23      古谷登山者用駐車場13:25

「三頭山の地質と植生」

「山の自然学講座」現地研修会に参加して

2018年11月3日(文化の日)

山の自然学クラブが主催する山の自然学講座2108の「三頭山の地形と植生の観察/ブナ林の現状」をテーマとした現地研修会に参加してきました。講師は学芸大で小泉武栄先生に指導を受けた増澤直さんによるものです。増澤先生はブナを始め三頭山の地質と植生について1980年代から研究されている方です。

秋の連休ということで武蔵五日市の駅はたくさんのハイカーやサイクリストで溢れかえっていました。数馬行きのバス停には既に長い行列が出来ていました。定期便のほかに3台臨時バスを出すということでした。先に並んでいる人から順に4台に分乗して座らせ、残りの人は好きなバスに立ち席で乗り込みました。

運よく途中で降りた人がいたので途中から座わることができました。通常ならバスは数馬で乗り換えのはずですが、「都民の森」まで直通で行けました。

都民の森の駐車場で受付を済ませたところ本日の研修会の参加者は18名ということでした。

森林館へ向かう道は途中で二手に分かれます。左は階段の急登、右はスロープを上がってからトンネルをくぐります。

森林館で講師の増澤先生が待ってぃて、オリエンテーションがありました。先生は病み上がりということでまだ体が本調子ではないとのことでしたが、長靴ばきで他を圧倒するスピードで登り下っていました。

三頭山をはじめ奥多摩の山は急斜面が多いのが特徴だということでした。駐車場から続く左の山側の斜面は大石がゴロゴロとした急斜面は重力により上部から崩れてきた土砂が堆積した構造で、35度程度の安定した斜面で崖錐(がいすい)という地形ということでした。崖錐は下部ほど大きな岩が堆積するようになるということでした。通気性があり適当に保水性もあるのでトチノキ、カツラなどが好む地形だそうです。

森林館から三頭大滝に向かってチップが敷かれた道(大滝の路)を進んでいきました。

はじめに現れた露頭の岩石は中生代に形成された「砂岩」でとても硬い石だそうです。硬砂岩地域は全般的に急傾斜で、痩せた尾根と深い谷がくり返し、岩がちの険しい地形を作っているということでした。尾根筋ではイヌブナやミズナラ、モミやツガなどが自生し、谷筋ではカエデなどの樹木によって構成されているということです。

次に現れた露頭はちょっと砂岩とは様子が違っていました。目は細かいですが、表面に細かい摂理があり触るとボロボロと崩れる泥岩ということでした。三頭山の下部は砂岩や泥岩が互層ををなしているということでした。

杉などの常緑針葉樹が植林された林の中をしばらく進んで行きます。

山側がコンクリートブロックで保護された擁壁が現れます。そこは元々は谷で何らかの理由で土砂等によって埋まってしまった「埋積谷」という地形とのことでした。昔の人はそれが分かっていて、埋積谷の部分にはスギを植林し、他の部分はヒノキを植林したということです。スギは水気が多く、直根性で土質が深い所に育つ樹種で、ヒノキは土質が浅く、広がる根を持っているということから地形に基づいて樹種を選んで植栽したことが伺われるということでした。

先を行くと、落葉樹が現れ始めます。

植林エリアから自然林のエリアに入ってきました。落葉樹が綺麗に紅葉していました。三頭山のエリアは秩父多摩甲斐国立公園の中にあって特に自然が多く残されたエリアだそうです。東京都の水源涵養林ということですが、古くは江戸幕府の御林(留山)であり、その後も宮内省御料林として管理保護されてきたので、植林も進んで入るものの、自然がよく残っているということでした。また、太平洋岸では数少ないブナ林が自生している地でもあり、国立公園の中でも特別保護地域に指定されています。

ケヤキの大木です。ふだん街路樹で見られる箒を立てたような樹形とは異なるダイナミックで力強い樹形です。

ケヤキの種子はエリアによって数年ごとに異なって実るそうでする。先端の数枚の普通の葉より小さい葉にはタネが形成され、他の葉より先に枯れて落葉するのだということでした。この辺りのケヤキは今年が成り年のようだということでした。

モミやツガの大木も尾根筋に見られました。

このカエデ(イロハモミジ)は植栽されたものですが、全山紅葉が綺麗でした。

しかし、「都民の森」エリアは自然林が多く残るエリアなの、残念ながら都市公園のように整備されたために本来の自然な植栽にはなっていないようです。

三頭大滝に到着です。三頭大滝には滝を見るためだけの行き止まりの吊り橋が設置されています。

この辺りに転がっている岩石は角が多少丸まっている岩石で、水の流れの中で削られたのでなく岩石の性質上角や表面が風化しやすい火成岩の閃緑岩あるいは石英閃緑岩ということです。閃緑岩は三頭山の上部を形成している岩石のようです。しかし形成後、熱せられたマグマが下から上がってきた貫入によりためにホルンフェルスという硬い変成岩になったということでした。

ホルンフェルスの河床は硬く削られず、比較的脆い閃緑岩が削らることによって段差ができて滝が形成されたということでした。

三頭大滝から「石山の路」を少し上がった所から登山道を離れ沢沿いに上がっていきました。

上部を歩いてみると現在の穏やかな流れの脇にこんもりと高くなった所があます。これは1991年の台風によって上流から流されてきた土砂が堆積して出来たものだということでした。台風による降雨は1時間に150mmもあったということで、洪水により2mも水位が上がったということでした。

この谷川沿いにはシオジとサワグルミが自生しており、よく見るとサワグルミは沢に近い所に自生し、シオジはサワグルミより少し高い所に生えていました。シオジやサワグルミは他の樹種と違い生長が早いということですが、それは洪水などによって倒れてしまうリスクが高いためより早く成長して子孫を残そうとする生き残り作戦のためということでした。

今度は右の急な尾根を上がって行きました。はじめは足元がビチョビチョでしたが、ブスブス、そしてカサカサに変わって行きました。乾いた比較的緩やかな斜面になった所からブナの大木が所々に見られるようになるということでした。ただ、個体数はそれほど多くはありませんでした。ブナは幹肌が白っぽヌメッとした感じの樹木です。

多くのブナ林は林床に笹が茂っていることが多いそうですが、三頭山のブナ林はにはササはあまり見られません。ブナは日本海側の豪雪地帯に多く見られますが、太平洋側のブナは雪が少なく夏場乾燥しているので葉が小型化していて幹肌も寒冷地ほど白くないということでした。丹沢のブナの方が個体数は多いようです。

頂上にかけてブナの大木は見られるものの、後継となる幼木は見当たりませんでした。三頭山のブナは日本海側のブナに比べて成長が遅く樹齢250年くらいということでした。ブナの成木は尾根に集中し、幼木は谷筋に集まっているものの個体数は極めて少ないということでした。

講師の増澤先生が調べた結果では、残っている成木がそもそも少ないので基本的に実生の数は少なく加えて冬場ネズミが実生を食べてしまうことで残っていかないそうです。基本的に関東地方の気候はにブナは合わなくなっていて、いずれ消滅してしまうのではないかということでした。

急な斜面でずり落ちないようにして昼食をとりました。数年前の研修では携帯を落とした受講生があり、見つからずじまいだったそうです。

昼食後、斜面を下りて道を引き返しました。

講師の先生から見せたいものがあるからと、ムシカリ峠と見晴小屋コースの分岐を野鳥観察小屋方面に進んで行きました。観察小屋の下から左の谷を少し上がってくと苔むした大岩がゴロゴロ積み重なった場所に行き着きました。ここは氷河時代に出来た岩塊流という地形だということでした。これは氷河時代には三頭山もアルプスの山頂部ような森林限界を越えるような位置にあったという痕跡だそうです。

最後に休憩所で1991年の台風の時の写真を見せてもらいました。駐車場あたりにも洪水により大量の土砂が流されてきて1年間もの間補修が必要になったということでした。自然災害だったのか公園として不自然な開発したためなのかと当時再び問題になったとのことです。車椅子でも通れるよう、またトイレの設置にともない汚物の回収のため軽トラも通れるよう道の拡幅工事が必要ということで自然が削られ、土砂が谷に投げ捨てられたそうです。自然と親しむためにどこまで自然への負担が認められるのか考えさせられます。

あずまやから旧道を通って駐車場に戻りました。

駐車場にはバスを待つ人がたくさん並んでいました。

現地研修はこれで終了。解散の挨拶のあとバスの列に並びました。帰りのバスはなんとか座って五日市駅まで戻ることができました。(3月に登った三頭山の記録はこちらからご覧ください。)

S47年卒 手島


コースDATA

新宿 7:44発    ホリデーかきがわ号    武蔵五日市着 8:48 数馬行き 9:00    数馬 9:56    9:59    都民の森着  10:15

駐車場 森林館 大滝の路 あずまや 大滝休憩小屋 三頭大滝 石山の路 ブナ原生林 大滝休憩小屋 野鳥観察小屋 岩塊流ポイント 大滝休憩小屋 あずまや 奥多摩周遊道路 駐車場

武蔵五日市直通バス 15:30   武蔵五日市     ホリデーあきがわ号 17:21発 新宿着18:22

西吾妻山(2,035m) 吾妻連峰

2018年10月4日

深田久弥の「百名山」にも入っている山形県にある吾妻連峰の最高峰である西吾妻山に登ってきました。


山形新幹線で米沢駅まで行き、米沢駅から白布(しらぶ)温泉・湯本駅前行きバスで40分、湯本駅前駅からロープウェイで大きなグランドや宿泊施設もある天元台高原、そこからリフト3本を乗り継いだ北望台が登山口になります。

車窓から見える磐梯山
車窓から見える吾妻小富士や東吾妻山

東吾妻山、一切経山、吾妻小富士エリアは現在大穴火口を中心に噴火警戒レベルが2に引き上げられており、火口を中心に1.5Km以内の立ち入りが禁止されています。御嶽山にも似た雰囲気山域です。

8時10分発のバスが始発駅ですが、いつまでたっても来ません。10分遅れでやっと到着。車両の乗り換えというアナウンスがあったものの何だったんだかよく分かりません。

米沢は上杉の城下町。ポールには「義」と「愛」の旗が掲示されていました。上杉景勝と直江兼続が現在でも米沢の精神文化のベースになっているのでしょうか。もちろんブランド牛の米沢牛のサインも至る所で目にしました。

ロープウェイとリフトの往復切符は3,500円ですが、モンベルの会員証を見せると350円安くなります。

連休などは賑わうのでしょうが、ロープウェイは貸切状態でした。

天元台高原から見た紅葉です。白布大滝も小さく見えます。

紅葉は最盛期ということでしたが、山域は大シラビソやコメツガなどの針葉樹が多く、色づいているのはこの辺やリフト周り程度でした。

ロープウェイからは朝のうちは飯豊連峰や朝日連峰がはっきり見えたということでしたが、この時間にはかすかに見える程度でした。

3本目リフト終点の北望台からいよいよ登山道になります。

蔵王、朝日、飯豊、月山、鳥海の5峰が観望できる五名峰展望台からは残念ながらもう5峰を確認することはできませんでした。

リフトを降りると直ぐに大きな岩を乗り越える急登が始まります。しばらく行くと、石が積み重なった広い斜面のかもしか展望台に出ます。

ロープウェイとリフトを使ってアプローチを端折ったので、元気よく休憩もあまり取らずにひたすら飛ばして歩きました。

木道が続く、大凹(おおくぼ)の池塘群に到着です。

少し登った湿原の端に大凹の水場がありました。

大凹の水場

急登を登っていくと真上に梵天岩が見えてきます。大岩に立つ登山者もよく見えました。

見晴らしの良い梵天岩に到着です。

大岩に立ってみようと岩に乗るには乗れましたが、怖くてなかなか膝が伸びません。眼下には湿原がよく見ました。

少し休憩し、先を急ぎます。次は天狗岩を目指します。

天狗岩はかもしか展望台のように石が積もったゆるやかな広い斜面で、右奥の端には吾妻神社の祠が見えます。帰路に神社の脇を通ることになるので、まずは頂上を目指します。

西吾妻山山頂

西吾妻山の頂上に到着。西吾妻山の山頂は樹林帯の中にあり、展望はありません。三角点もなく、標柱があるだけです。

そのまま先を進み、回り込んでいくと避難小屋の赤い屋根が見えてきます。左の道を少し行くと吾妻小屋の入り口になります。

そのまま道を進んで行くと、すぐ目の上に神社の社が飛び込んできす。先ほど通った天狗岩で奥に見えた祠です。意外なところに立っている感じでした。

無事登頂を感謝してお参りしました。

再度、積み重なった岩のなだらかな斜面の天狗岩を縦断していきます。

梵天岩、大凹を経由して人形石とかもしか展望台との分岐に出ます。

直接北望台に向かう方が時間は短縮できるようですが、とりあえず急いで人形石方面に向かいました。

人形石は平らな広場で大きな岩が並んでいました。急げばバスに間に合いそうなので、フルスビードで下山です。

ロープウェイは20分間隔なので、2時20分発のロープウェイに乗れないとバスに間に合いません。次のバスに乗り損ねるとその次は2時間後になってしまうのでので、最後のリフトを降りたらすぐさま坂をハアハアいいながら駆け上がり、かろうじてロープウェイに滑り込むことができました。

バスに乗って米沢駅到着。在来線を走る山形新幹線「つばさ」の自由席に乗り込んで帰京です。

S47年卒 手島


コースDATA

上野 6:18  つばさ121号 米沢 8:20  バス9:10(10分遅れ)   湯本駅前 9:50  ロープウエイ(5分) 天元台高原 リフト3本乗り継ぎ  天元台高原 しらかばリフト(6分)  しゃくなげリフト(9分)  つかもりリフト(15分)    北望台10:45    分岐10:47    かもしか展望台11:00    大凹の水場 11:24    梵天岩11:50     天狗岩 西吾妻山12:10      西吾妻小屋12:20     吾妻神社12:20    人形石13:15    北望台13:40    天元台高原14:20 湯本駅前14:25    14:30  バス 米沢15:14  15:40    上野17:42

御嶽山(3,067m)

2018927日〜28


死者58名、行方不明者5名という被害を出した爆発的噴火から4年が経ち、ロープウェイのある黒沢口から剣が峰山頂までのルートが9月27日から10月8日正午までの期間限定で開かれた。

小川さゆり著の「御嶽山噴火 生還者の証言」(ヤマケイ選書)を読んでで噴火の状況はおおよ分かっていたが御嶽山にはまだ登ったことがなかったので行こうとってみようと思った。(本ホームページに掲載の生存者の証言の記事はこちらから参照ください。)

大型台風が来ている事もあって天気が安定せず、唯一28日が晴れということだったので前日泊になるため仕事をサボっての山行になった。

上野駅13時30分発の新幹線の「はくたか565号」で長野まで行き、長野から名古屋行きの「しなの18号」で木曽福島まで。

木曽福島駅
木曽福島駅前

木曽福島に宿を取った。素泊まりで6,500円のプランが1室だけあったので、朝食1,000円の加算でお願いした。

木曽川沿いの値段の割にはまあまあの部屋。豪華な施設を売り物にする旅館が多い中、質素ではあるが安い割には一定のサービスを提供出来る施設が生き残って欲しい。

駅から20分くらい歩いた所だったが、行き帰りに木曽福島の観光も出来たのでよかった。

木曽福島 上の段集落の街並み
大昔から使われていたという井戸

駅前から御嶽ロープウェイ行きのバスが出る。駅前のインフォメーション事務所であらかじめ2日間のフリー切符を購入した。ロープウェイの割引券も付いてきた。

制限解除以降で天気もいいということでロープウェイ駅の駐車場にはすでに驚くほどの車がとまっていた。電車で来る人より車で来る人が圧倒的に多いようだ。

登山規制の案内

ロープウェイを降りると花壇が広がり、御嶽山も綺麗に見えた。

平坦な道を少し行き、登り下りして直ぐに行場山荘の脇を通る。「力もち」に唆られ横眼で見ながらも通過。

8合目の女人堂までは50分ほど。木階段の急登で消耗する。

紅葉はピークのようだ。ナナカマドが真っ赤に色づいていたが、今年の紅葉は何処もいまいちパッとしないようではある。

いろいろな所に石仏が並んでいて、チョット異様な雰囲気。山岳信仰と仏教が混ざり合った独特の雰囲気が色濃く、現在もなおそれが継続されている山でもあるようだ。(御嶽教)

女人堂を過ぎると森林限界になり、ハイマツの中を暫く進む。ハイマツを抜けるると礫がゴロゴロとした岩稜帯となる。

積もっていた火山灰のためか少し硫黄?の臭いがする。今日はロープウェイの始発には登山規制前よりも多くの人が並んでいたということで、すでにその第一陣が下りかかってきていた。

履いている靴が初めから窮屈で少し広げるように整形しながら使っていたが、今日は左小指が当たって痛くてたまらない。仕方なく靴下を脱いで登ることに。足裏が痛いものの小指に当たるよりましたった。

そんなこともあって、下から上がって来た人に結構抜かれた感がある。

石室山荘

下に8合目からの登山道が見て取れる。

覚明堂

9合目を通過して、二の池と王滝との分岐になる十字路からは三の池や二の池の火口が見渡せる。

二の池上から覚明堂間も通行可能のようだった。

剣が峰に向かって火口の縁になる稜線を登っていく。

頂上直下にある頂上小屋の跡地には新たに分厚いコンクリート製のシェルター3基と献花台が設けられていた。

剣が峰山荘は現在撤去作業が進んでいたが、火山弾によって穴の開いた屋根はひしゃげていた。撮影禁止だった。

最後の石段登りはヘトヘトで喘ぎながら。

登り終えて休んでいる最中の噴火では、状況も分からずなすすべなく災難にあった人もいたのだろう。

頂上奥社の社はなく、石像の頭は落ちたままだった。社務所(祈祷所)は新しく建て替えられたようだが、閉められたままだった。

噴火当時、この剣が峰山頂では33名の方が亡くなられている。

御嶽山山頂を示す標柱は資材の中に埋もれていた。

剣が峰に次いで多くの死者を出した八丁だるみでは噴石を避ける場所もなく16名が亡くなっている。さぞ怖い思いをしたのだろう。冥福を祈るばかりだ。

同じコースをロープウェイ駅の飯盛高原まで戻っていったが、登下山者が集中し所々で渋滞も発生していた。

今回ヘルメットを持参していったが、登山者の半数はヘルメットを持参していなかったようだ。頂上へはヘルメットが必要とのことで、小屋でもヘルメットの貸し出しはしているようだがみんなが被ったり持っていたかどうかは判然とはしていない。

無事下山できてよかった。                                                     S47年卒 手島


コースDETA

9月27日 上野13:30  はくたか565号  長野14:52  15:00  しなの18号  木曽福島16:30

9月28日 木曽福島駅前8:40    鹿瀬駅9:32    飯森高原駅(ロープウェイ)9:55   10:00    女人堂11:00    剣ヶ峰13:10    女人堂14:30    ロープウェイの駅     鹿瀬駅15:30     16:20    木曽福島17:13    17:26  特急  しなの19号  長野18:58  19:08    新幹線あさま630号  上野20:46


参考資料

空撮・御嶽山 : 山頂26日規制解除 14年の噴火後初  毎日新聞 9月26日公開 Youtube動画

雨飾山(1,963m) 頸城山塊 

2018年9月19日〜20日 雨飾山

雨飾山は新潟県と長野県の県境にある百名山に数えられる火打山や妙高山、焼山が属する頸城山塊の山である。


9月に入って天候不順が続く中、唯一2日だけ天候が安定していたので、予て行きたかった雨飾山に行ってきた。

北陸新幹線で糸魚川駅まで行って、上りの糸魚川線で南小谷駅まで戻ってからバスで雨飾高原まで行った。

雨飾山の登山口は新潟県側の雨飾温泉と長野県側の雨飾高原からのルートがあるが、長野県側からのルートからは迫力あるドーム型岩峰の雨飾山が望め比較的登りやすくもあるということで雨飾高原の雨飾荘に前泊した。

車でなら駐車場のある登山口のキャンプ場まで行けるが、宿のある雨飾高原から登山口までは歩いて1時間ほどになる。村営の雨飾荘では登山口まで車で送ってくれ、朝食の替わりにパンと幕内弁当が付き、登山用イラスト地図が付くという13,000円の登山プランがあったのでそちらにした。(1人の場合は15,000円)

宿には露天風呂が併設された内風呂があるが、宿のすぐ近くに誰でも利用できる露天風呂があったのでそちらにも入ることができる。

料理は食堂になるが、懐石風に料理の説明とともに運ばれてきた。

翌朝、宿前に6時に集合して車で登山口のキャンプ場まで送っていただいた。10分ほどで到着。

登山届けを出して出発。

頂上までは400mおきに11分割されたプレートが設置されていている。はじめは平らな山道を行くが徐々に急登に変わって行く。

 

荒菅沢近くになると谷川の一ノ倉沢にも似た雨飾山の岩峰が見えてくる。荒菅沢まで一旦下りる。

荒菅沢を渡渉する。布団菱(荒菅沢奥壁)と呼ばれる雨飾山の岩峰が望める。

荒菅沢からは頂上に向けてどんどん急登になっていく。

いよいよ、このコースの核心になる急登が始まる。

急登が一旦終わり、なだらかな笹原が続く笹平に到着。この先が新潟県雨飾温泉からの登山道との分岐になる。

新潟側と長野側からとルートの分岐

いよいよ山頂へ向けての最後の登りとなる。

頂上は30mほどの間に南峰と北峰とに分かれていて、南峰には標柱と三角点が、北峰には石仏が並んでいた。

北峰到着である。天気は予報通りの快晴で、360度の展望。

向かいには白馬岳をはじめ北アルプスの後立山連峰、眼下には糸魚川の町や続く日本海、はるか遠くには能登半島を見渡すことができた。

白馬連峰
笹平の雨飾の女神(登山道が女神のよう)

帰路は新潟県側の雨飾温泉を経由して大糸線の根知駅や糸魚川に出ることもできたが、あまり調べていなかったので同じコースで雨飾高原まで降りることにした。行きと違って車の送迎はないので登山口からバス停まで40分歩くことになる。

アケビ

   途中、露天風呂で汗を流してからバスで南小谷駅へ向かう。

南小谷駅からの電車の接続が悪く、大糸線で信濃大町で乗り換えながら松本まで出て、スーパーあずさで帰ることになった。

白馬駅や信濃大町駅あたりからバスで長野駅まで行って北陸新幹線で帰った方が早かったかもしれない。

ちなみに南小谷駅からだとJR東日本の「大人の休日倶楽部」会員になっていると乗車券や特急券が3割引になるので時間がかかるが割安なのである。

S47年卒 手島



コースDATA

上野駅10:38    北陸新幹線(はくたか559号) 糸魚川駅12:48    13:13 南小谷駅14:15 14:20    雨飾高原バス停15:00 雨飾荘(泊)15:05

雨飾荘6:00 雨飾登山口(雨飾高原キャンプ場) 6:10   1/11ポイント   6:18     3/11ポイント6:37    4 /11 ポイント6:55    荒菅沢出会い7:30    7/11ポイント7:58    8/11ポイント8:24      9/11ポイント8:52      笹平9:05    分岐9:11 10/11ポイント9:15    雨飾山頂上9:35    10:10 荒菅沢11:50 雨飾登山口13:00 雨飾荘13:40 雨飾高原バス停14:25 南小谷駅15:10 信濃大町駅 松本駅18:35 新宿駅21:09

立山室堂 雷鳥沢から別山乗越

2018年8月29日〜30日 北アルプス 立山連峰


この夏はお盆前後の天候が不順で、なかなか出かけられずに夏の終わりになってしまいました。8月30日はなんとか天気が良さそうなので、アクセスが良く1泊で行かれる涼しそうな山ということで立山を登ろうと決めましたた。

新幹線で長野駅、バスで扇沢まで行き、立山黒部アルペンルートで黒部ダムを経由して室堂へ行き、雷鳥沢露営場に1泊して別山、真砂山、立山三山(雄山、大汝山、富士の折立)を一回りすることにしました。

長野駅東口 バス停
信濃大町駅を経由
扇沢駅から電鉄富山駅までの通し切符は9,490円

扇沢 (関電トンネルトロリーバス)    黒部ダム    黒部湖 (黒部ケーブル)    黒部平 (立山ロープェイ)    大観峰 (立山トンネルトロリーバス)    室堂

関電トンネル 破砕帯

トロリースバスは今年限りで来年以降は電気バスに変わることになります。

黒部ダムは既に小雨。でも、天気は回復に向かう予報でした。

黒部ダム
トンネルをくぐってケーブル駅へ

黒部平から大観峰まではロープウェイ

何も見えない雨の大観峰からは再度トンネル内をトロリーバスで室堂へ。ルートで聞こえて来た声は中国語が圧倒的でした。

立山玉殿の湧水

霧と小雨で周りの景色もほとんど見えず、火山ガスが濃いためか目がピリピリしました。

すでに秋の気配の立山です。

チングルマの綿毛

今日のテン場、雷鳥沢野営場に到着です。

雷鳥沢露営場
露営場管理棟

管理棟で1張り500円を払い、受付を済ませました。雷鳥沢野営場は水洗トイレや水場もよく整備されています。。

夏も終わりなのでテントの数は少なく、逆にどこに張ろうか迷ってしまいました。でも、一番良さそうな所を確保できました。

お隣さんに挨拶したら、「ちょっと前までザーザーぶりの雨で、しっかり濡れてしまいました。」とのことでした。こちらは小雨程度でラッキーでした。

しばらくしたら霧もどんどん上がって、稜線の雲はとれなかったものの時々晴れ間も見えていました。時間はたっぷりあってどこか登ってこようかとも思ったものの、明日はいい天気の予報だったので半日のんびりと過ごすことにしました。

この夏50日もこの地にテントを張って、いろいろと歩き回っている雷鳥沢野営場の主のような方やお隣さんたちとおしゃべりをしながら過ごしました。

夜中、風向きが変わったのか火山ガスの匂いで目が覚めました。ガスの噴出するジェット音も聞こえ、ちょっと嫌な感じでした。星が出ているかと期待してテントの入口を開けて外を見ると、あたりは霧が立ち込めていて真っ白でした。

朝になっても状況は変わらず。天気予報は午前中のみ晴れに変わり、午後からは雨マークになっていました。早出すれば雨になる前にぐるっと一回りして室堂に戻れるのですが、天気はまだ回復の兆しがみられませんでした。このまま雨になってしまう可能性もあり、判断が延び延びになってしまいました。

7時近くになってやっと霧が上がってきたので、別山に向かって出発しました。

木橋を渡って雷鳥坂を登ります。

下に雷鳥沢のテン場が見えます。

ナナカマドの実はもう真っ赤

天気はよくなるかと思ったら、だんだん悪くなってきました。

劔御前小舎のある別山乗越まで来たところで、ますます霧が濃くなってホワイトアウト状態。劔岳はもちろん、別山方向もまるで見えない状態になってしまいました。

無理して景色もない中を歩いて行ってもつまらないので、今回はこれまでと判断。小舎でコーヒーいただき、冷えた体を温めました。

そうそうに下山開始。雷鳥沢野営場を経由して室堂まで戻ります。行きには周りの景色は全然見えませんでしたが、今日はみくりが池も地獄谷もよく見えました。

みどりが池
血の池
みくりが池

室堂の手前から急に雨が降り出し、雨脚は次第に強くザーザー降りなったころで室堂ターミナルに駆け込むことができました。

帰路は雨の中、室堂から立山高原バスで美女平へ。

電鉄富山駅からJR富山駅へ移動して新幹線に乗り込み平成最後の夏の山旅は終了。また今度来たいと思っています。

昭和47年卒 手島達雄


コースDATA

1日目

上野駅6:34  (北陸新幹線) 長野駅8:06     (アルピコ特急)  8:15 扇沢10:00 10:30    黒部ダム10:46        黒部湖    11:05    11:10 黒部平  11:15    11:30    大観峰11:37 11:45    室堂11:55 雷鳥沢野営場12:58

2日目

雷鳥沢野営場6:50 別山乗越(劔御前小舎)8:25    8:45    雷鳥沢野営場9:45 室堂10:57    12:00 (天狗平 弥陀ヶ原 弘法) 美女平12:50 13:00    立山駅13:07 13:38    富山駅14:49

火打山(2,462m) 頸城山塊

2018年7月23日  火打山 笹ヶ峰ビストン


43年卒の田中廣明氏と44年卒の木村泰樹氏は2人で4月中旬の残雪期に火打山に挑戦したものの積雪の多さに黒沢出合いまで行ったところで断念していた。

黒姫に別荘を持つ田中氏はすでに何回も火打山と妙高山へは登っているものの夏には登ったことがないということで、まだ火打の頂上を踏んだ経験のない木村氏との再挑戦であった。

木村氏の日産リーフで東京を立って黒姫に前泊し、早朝笹ヶ峰まで車で行き4時半に登山口を出発した。高谷池で小屋泊ができるなら妙高山ということもありとも考えていたようだが、結局日帰りで下山して黒姫へ戻った。

田中廣明氏
北アルプス
高谷池到着

キヌガサソウ
高谷池ヒュッテ
火打山へ
ロックガーデン
コイワカガミ
イワイチョウ
ハクサンコザクラ

ミヤマキンバイ

カラマツソウ
ミヤマシシウド

タテヤマアザミ
天狗の庭

木村泰樹氏

ミヤマタケブキ
ヒメシャジン

 

ライチョウ平

火打山頂上到着

下には高谷池の湿原が広がります

妙高山を見ながら下山開始。

高谷池に着き、同じコースで笹ヶ峰に下山。笹ヶ峰には5時近くになってしまった。

S43年卒 田中廣明  S44年卒 木村泰樹

写真は木村泰樹氏(田中廣明氏)撮影 NIKON  COOLPIX  P310

(この記録は写真とデータをもとに掲載させていただきました。)


コースDATA

笹ヶ峰4:20    黒沢橋5:30    十二曲り5:30  6:05    富士見平7:30    高谷池ヒュッテ8:30    天狗の池9:20    ライチョウ平10:13    火打山11:25  12:00高谷池H13:20  13:40    富士見平14:20  14:30    黒沢橋15:50  16:05    笹ヶ峰16:50

火打山(2,462m) 妙高山(2,454m) 頸城山塊

2018年7月24日(火曜日)〜7月25日(水曜日)


S44年卒の木村泰樹さんと43年卒の田中廣明さんが偶然にも同日に笹ヶ峰から火打・妙高を計画していているということを知り、高谷池で会えるかと楽しみにしていました。

しかし手島の大失敗で予定していた当日、起きる時間を1時間間違えて予定していた電車に乗ることは出来ないことが判明し、急遽翌日に順延することになってしまいました。

木村さんからの連絡では高谷池に泊まることは出来ず、12時間かかって日帰りで火打山をピストンしてきたということでした。

翌日は無事に北陸新幹線で長野駅まで行き、信濃鉄道北信濃線に乗り換えて妙高高原駅からバスで笹ヶ峰まで行きました。

笹ヶ峰から高谷池に行き、テントを設営後に火打山を往復し、翌日は妙高山を登って赤倉リゾートのスカイケーブルを使って下山する計画です。久しぶりのテント泊で荷物も12Kgくらいになってしまいました。

観光案内所

バスは「いもり池」に行く5〜6人のグループと黒沢ヒュッテ泊の2人連れと私くらいでした。妙高高原から笹ヶ峰行きのバスは午前中2便、午後1便だけで東京から電車で行く場合は1便には間に合わせることは出来ません。

妙高高原はブルーの紫陽花がたくさん植えられており、まだ綺麗に咲いていました。東京より2ヶ月近く時期が違うようです。

バスの乗客は少なかったものの、笹ヶ峰の駐車場には車がたくさん駐車しており、笹ヶ峰をベースにして火打山と妙高山を登る人が多いようでした。

登山口のゲートには登山届け用のポストが設置されており、あらかじめ書いておいた登山届けを投函してゲートをくぐりました。

登山口ゲート

黒沢橋までは緩やかな1時間ほどの山道を行きます。

黒沢橋

黒沢橋からしばらく行くと、ジグザクの「十二曲り」の急登が始まります。日陰ではあるものの気温が高く体力が消耗します。

十二曲り 1/12
十二曲 12/12

「十二曲り」が終了した所には休憩タイムをとっている人が集まっていました。

富士見平

富士見平

「十二曲り」から富士見平までの急登に苦労して予定より30分遅れになってしまいました。急登を登りきると黒沢岳をトラバースするなだらかな開けた山道になります。

クルマユリ

高谷池ヒュッテの三角屋根が見えてきました。高谷池ヒュッテは現在改装中ということで完全予約制で1日20人しか受け入れていないということでした。

高谷池ヒュッテの三角屋根

ウォシュレット付きバイオトイレ

ヒュッテでテン場の受け付け(1張410円)を済ませ、テン場、水場、トイレの説明を受けてから移動。トイレは別棟になっているウォシュレット付きのバイオトイレでした。

高谷池に着いたのは既に14:30になってしまいました。テントを設営してから火打山をすると6時近くになり、まだ明るいはずではあるもののそれから夕食の準備をするのも面倒なので、今回は火打山踏破はあきらめ「天狗の庭」までとすることにしました。

高谷池水場
高谷池テント場

テント場はさほど混雑していませんでしたが、高校の山岳部が来ていてにぎやかでした。テントを張り終わってから「天狗の庭」まで行ってきました。

高谷池湿原

モミジカラマツ
タカネニガナ
イワイチョウ
ミヤマキンポウゲ
ハクサンコザクラ
ロックガーデン

木道に沿ってロックガーデンをしばらく行くと「天狗の庭」に到着。

天狗の庭

火打までの稜線に想いを残しつつ、テント場に引き返しました。

そして、夕飯の準備です。

テン場に戻って夕食の準備

夜は長袖のシャツを着込んで3シーズン用シュラフにすっかり入っても寒いくらいでした。

翌25日は3時ごろから高校生の食事準備が始まってうるさかったので、予定より早くこちらも行動を開始しました。

涼しいうちに妙高山の登りを終えようと食事を終え、テントの撤収を済ませ5時には高谷池を出発しました。

黒沢池への分岐

ウサギギク

キヌガサソウ
茶臼山

茶臼山を過ぎてしばらく行くと黒沢ヒュッテが下に見えてきます。

黒沢池ヒュッテが見えてきた

黒沢池ヒュッテ

高谷池ヒュッテでは早かったせいか小屋番がちょうどいなくて水が買えなかったので、黒沢池ヒュッテでペットボトルの水を2本購入しました。1本400円でした。

大倉乗越
妙高山
ロープ場
ヒメシャジン自生地

途中の雪渓は少しだけ残っていました。

谷にはまだ雪渓が残っている

はるか左手下には長助池の湿原が見え、先を進むと長助池方向への分岐点になります。

長助池分岐

ヨツバシオガマ

北峰下の岩窟の中の祠

頂上直下には岩窟の中に祠がありました。

妙高山北峰

妙高山北峰(2446m)到着です。北峰は南峰より標高は低いものの三角点がある頂上になります。

白馬岳や立山などがよく見えました。眺めを楽しんで、北峰から南峰に移動です。

南峰へは「日本岩」と命名されている岩をはじめ大岩が起立している地帯を通って行きます。

日本岩

そして、妙高大明神のある妙高山南峰(2,454m)に到着です。

妙高山南峰

下山を始めてしばらく行くと長い鎖場とロープ場になります。

鎖場とロープ場が続く

ロープ場が過ぎると結構長い下りが続きます。

光善寺池

燕温泉とスカイケーブル頂上駅の分岐になる天狗堂の祠。

天狗堂

天狗堂からしばらく行くと林道に変わります。水が足りなくなっていたので5分くらい下がったところにある水場で水を補給しました。左上には南地獄谷の水蒸気の出ている崖が見えました。

南地獄谷

避難小屋の大谷ヒュッテを通過してしばらく行くと再び林道から赤倉方面の山道に入ります。

避難小屋 大谷ヒュッテ

しばらく林道を歩いていくと再び山道に入ります。

滝沢付近の崩落している箇所

長かった下りもやっと終わり。赤倉リゾートのスキーゲレンデを下りると右手がスカイケーブル頂上駅になります。

妙高山登山道入口
スキー場ゲレンデを下る
スカイケーブル頂上駅

駅にトイレはないというので、左に少し下がったところにある「エートル」という休憩所で着替えをしてからソフトドリンクでゆっくり休憩です。

休憩所 エートル

出発が早かったので予定より早く到着したので、新幹線の上越妙高駅まで行くバスの時間まで1時間近く待つことになりました。上越妙高駅からなら長野の手前なので新幹線の自由席は余裕があると思って上越妙高駅まで行くことにしました。案の定、新幹線自由席はゆとりで座って行くことができました。

火打山の頂上は踏めませんでしたが、1泊2日のテント泊を楽しむことができました。

赤倉リゾート駐車場

S47年卒 手島達雄


コースDATA

上野駅6:28  はくたか551号    長野駅8:06    8:13   信濃鉄道北信濃線    8:56  妙高高原駅9:35  妙高高原駅    笹ヶ峰直通バス10:25     笹ヶ峰(  ¥1000)

登山口10:35    黒沢橋11:20    十二曲り1/12    11:40    十二曲り12/12 12:05     分岐13:30    高谷池14:30    テント設営15:05    ロックガーデン15:25    天狗の庭15:35  高谷池テン場16:00

高谷池テン場5:00  茶臼山5:25    黒沢池ヒュッテ5:50  大倉乗越6:25  長助池分岐8:10  妙高山北峰9:30  妙高山南峰9:40  天狗堂11:00  大ヒメシャジン6:50    雪渓7:05    長助分岐7:25    妙高神社8:45    妙高山北峰8:45    妙高山南峰9:15    光善寺池10:25    天狗堂10:35    林道10:50    大谷ヒュッテ11:05    新赤倉分岐11:12    妙高登山口12:10    スカイケーブル山頂駅12:20  

休憩13:20   ケーブル山麓駅13:30    赤倉リゾート駅(上越妙高駅行きバス ( ¥1100)14 :28   定慧妙高駅東口15:10    15:53    上野駅17:52

芳ヶ平湿地群(群馬県)

2018年7月18日(水)

チャツボミゴケ公園1,200m 大平湿原1,600m 芳ヶ平湿原1,800m


ラムサール条約登録湿地になっているチャツボミゴケ公園から水池、大池、大平湿原、芳ヶ湿原に至る芳ヶ湿地群を歩いてきた。

チャツボミゴケ公園は草津から天狗山スキー場経由して国道55号線をさらに上がって別道から北に15分ぐらい行った所にある。

草津白根山は現在も入山が規制されていて、299号線の万座や渋峠から先と草津殺生河原から先が交通止めになっている。渋峠や白根山から草津方面の群馬県側に広がっているのが芳ヶ平湿地群である。渋峠から草津方面にルートを取ればほぼ下りのルートになるわけだが、今回はチャツボミゴケ公園まで車で行って芳ヶ平湿原までピストンで歩いてきた。およそ5時間のコースである。

公園の入り口で受付をする。開園時間は夏季は9時から時半までで入園料は500円。5分間隔くらいでスポットまでの5分間をシャトルバスで運んでくれる。

かつては露天掘りの鉄鉱山だったそうで、現在は中之条町でチャツボミゴケ公園として所有管理している。強酸性の水の中で生育できるめずらしいコケが流れの中にあった。季節的なものか、思っていたより鮮やかな緑ではなかったのは残念である。

遊歩道の途中に水池、大池方面への分岐があるので、そちらに進んでいく。

水池

水池は底は見えない小さな池だった。

大池

大池は池と言っても水も澄んでいて、湖といった風情の池だった。

カラマツ林
大平湿原

大平湿原は周りを山で囲まれた開けた所で、乾燥が進んでいる湿原であった。奥に白根山も見える。

芳ヶ平湿原へは1箇所渡渉しなければならない地点があり、真っ直ぐ対岸を渡る。

ナナカマド

裸地が現れてくるとヒュッテは近い。

白根山方面へのコースは通行禁止
白根山
橋を渡って芳ヶ平ヒュッテ
芳ヶ平ヒュッテ

ヒュッテは土日だけ営業しているのか、平日だったので営業はしていなかった。ただし、トイレは使えるようだった。ヒュッテの先を行った所に周遊コースへの分岐がある。

ワタスゲがまだ結構咲き残っていた。誰もいない湿原で、のんびり景色を楽しむことが出来た。

ベンチで昼食をとり、下山にかかる。途中、平兵衛の池によって別ルートでチャツボミゴケ公園に戻った。

平兵衛の池

芳ヶ平登山口
チャツボミゴケ公園

あまり知られていないせいか公園には観光客は来ていたものの、山では誰にも会うことはなかった。

車で帰らなくてはならないのでビールという訳にはいかないので、ジェラートとアイスコーヒーで火照った体を冷やしてから車に乗り込んだ。


コースDATA

関越自動車道  渋川伊香保IC    草津 チャツボミゴケ公園9:10     穴地獄9:30    水池10:00    大池10:20     大平湿原11:10     渡渉11:15    横笹分岐11:20     芳ヶ平ヒュッテ12:10 芳ヶ平湿原12:15   芳ヶ平ヒュッテ12:40 横笹分岐13:10    大平湿原13:20     平兵衛池13:40   ゲート14:10    チャツボミゴケ公園14:30    草津 関越自動車道  渋川伊香保IC

歩行距離15Km  最低高度1,143m    最高高度1,856m    移動高度830m

国師ヶ岳2,591.9m 北奥千丈岳2,601m

2018年7月16日(海の日)

奥秩父山塊  国師ヶ岳 北奥千丈岳


塩山から予約制の乗合バスで自動車で通れる最高地点の峠と言われる大弛(おおだるみ)峠から短時間ながら標高2,500mを超える国師ヶ岳と北奥千丈岳の2座を登ってきた。天気も良く、広々とした展望のよく整備されたコースを歩くことができた。

大弛峠線の乗合バスは土日祝日だけ運行されていて、柳平を中継して大弛峠と焼山峠に分かれる路線で塩山発は午前中3便、大弛発は午後2便出ている。塩山からのバスはマイクロバスかと思つていたが、よくクーラーの効いた大型バスだった。

前日の15日は満席で予約できなかったが、当日の便には少し空席が残っていた。前日は大菩薩嶺などもたくさんの人出だったようだで臨時便を何本も出していたと運転手さんが話していた。

柳平でマイクロバスに乗り換え、大弛峠に到着。峠の駐車場はすでに満杯で、手前の路肩にも車が駐車していた。

大弛山荘

金峰山の五丈岩もよく見えた。
夢の庭園

シャクナゲもまだ咲き残っていた。

北奥千丈岳
前国師ヶ岳

北奥千丈岳と国師ヶ岳の分岐点になる三繋平

国師ヶ岳山頂

丁度お昼の時間だったので、日陰になっている頂上から少し下がった樹林帯で昼食をとった。

富士山が正面にチョットだけ顔を見せていたがいつの間にか隠れてしまった。
北奥千丈岳山頂

頂上でのんびりしたあと、まだ、バスの時間までたっぷりあったものの下山開始。

大弛峠到着。バスの発車時刻まで1時間近くあったが、また構えていたバスの係りの人が「9人揃ったから出発します。」と直ぐにマイクロバスに乗り込むことになった。

中継地点の柳平ではバスが来る本来の時間まで待たされることになつたので、金峰山荘でビールを飲んで待つことにした。

バスは満員の状態で、予定通り塩山駅に到着。

特急の指定席はすでに満席、自由席券を購入して乗り込んだものの自由席も満席。八王子まで立ち席だった。


コースDATA

往路    新宿7:30  (あずさ3号)  塩山駅8:53    北口 栄和交通乗合タクシー9:30    大弛峠10:50 大弛小屋10:05 夢の庭園11:05 前国師ヶ岳11:40 三繋平11:45 国師ヶ岳11:55(木陰で昼食) 三繋平12:35 北奥千丈岳2,061m 11:39(大休憩)  三繋平13:23 前国師ヶ岳11:25 分岐13:39    分岐13:44    大弛峠 14:00  柳平14:40    15:20    塩山駅16:10 16:25(かいじ118号)

距離2.9km   最低高度2,355m  最高高度2,605m    移動高度325m

栄和交通大弛峠線WEB予約 0553-26-2344


S47年卒 手島