紀行「スペイン巡礼の旅」ロングトレイル踏破 3/3 打矢之威

3回/3回 最終回 「ロングトレイル踏破」

10月2日 (月)   汗だらけの下着は前夜手洗いしておいたので、今朝は快適。調子も戻り、今日は距離を稼ぐと勇躍出発。CASANOVA-AZURA(30キロ) 今日も独り歩き。3ヶ目で快調になってきた。休憩場所ではいろいろな国籍の巡礼者と声を交わす。アメリカ、ドイツ、デンマーク、オランダ、カナダ、パナマ、スペイン等々世界中のキリスト教徒が聖地を目指す。相当な高齢者から若い男女まで千差万別。今日は韓国の若い女性二人と道ずれになったが置いて行かれた。途中のバルで追いついたので、伊藤氏など先行組に何とか歩いていると伝言したが伝わったか不明。彼女たちとは最終日サンチャゴに入る前に再会した。道に迷って迂回していた由。今日の行程はCASANOVAからARZUAの5キロほど先の寒村ACALZADAにあるアールベルグCamino Dos Ocas。全行程33キロ。電話で連絡すると山中わかり難いところにあるので途中まで迎えに来るという。しかし到着が遅いので夕食はない。それでは手前のアールベルグで食べようとしたが其処も不可。困り果てていたら宿前に休んでいた若い男女(イギリス人、スイス人、デンマーク人の混成部隊―途中で3人仲良くなった由)がなけなしのでかいフランスパンを恵んでくれた。巡礼のよしみで皆親切。ところが、宿に着いたら夕食を出すという。女将らしき小母さんがてきぱきとご馳走を作ってくれた。どうもスペイン人は江戸っ子と同じ性格で辛口だが根はお人好のようだ。

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10月3日(火)今日は最終日何としてもサンチャゴの大聖堂に着かねばならない。約33キロの長丁場。しかしサンチャゴ・デ・コンポステーラに近づくにつれ、人家も多く、市街地らしくなってきた。古い落ち着きのある家並みが散在する。遠方には通過地の教会の屋根があちこち見える。なんだか日本の奈良か京都の風情である。前夜泊まった宿を明るくなってから出発。SALCEDA 8:50分、SANTAIRENE 10:45分、AMENAI 13:10分、VIRAMAIOR 15:33分、MONTE DEL GOZO 17:00分、SANTAGO DE COMPSTELAサンチャゴ・デ ・コンポステーラ大聖堂前の広場近くのホテルPazo De Altamira着18:45分到着。ところが3人が到着していないという。どこで追い抜いたかあるいは彼らは道に迷い遅れているのか心配になった。夜9時になっても投宿しない。腹は減るし、全行程120キロ走破の虚脱感からロビーでぼうーっとしていると、レセプションの女性が目の前にうまい魚料理を食わせるレストランがあると教えてくれた。空腹に耐えきれず一人シャングリラで乾杯。生ハム、パエリヤ、魚のムニエルなどスペイン料理を盛大に食べた。後で聞くと巡礼終了証明書(クレデンシャル)を一刻も早く入手するため2時間も待って大聖堂裏のPILGRIM’S OFFICEで待機していた由。私は翌4日早朝、巡礼事務所に行き1時間ほどで無事入所した。

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10月4日(水)午後3時のマドリッド行き急行に乗るまで市内見物。大聖堂、広場前のマーケット、土産物屋、青天井の魚レストラン(ガリシヤ州は魚が旨い)どれも珍しい。夜遅くマドリッドのホテルでポートランドから来た家内と合流。後半はイタリヤのCOSTA ラインの地中海船旅(バルセロナ マルセイユ サボナ ナポリ シシリー島 マルタ島)を楽しんだ。1年ぶりの家内との長旅である。来年は若いころ駐在した中近東、特にイエルサレム巡礼を計画している。キリスト教3大聖地巡りをすれば神様も生前の不善行もお許しになるであろう。

終わり

 

打矢 之威  2017年10月27日 記

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