エベレストでも新型コロナ感染が拡大

エベレスト登山の渦中にある4 月下旬、ネパール側のベースキャンプでノルウェイの登山家とシェルパが新型コロナウイルスに感染し、複数人がヘリコプターでカトマンズの病院に搬送されています。30人から100人が感染したとの報道もあります。

中国政府は新型コロナの感染拡大防止の観点からネパール側から中国側に感染が及ばぬように「隔離線」を設けるなど予防策の強化を表明していましたが、中国側からの今季の登山を禁止する措置を発表しました。ネパール政府は現在までのところ禁止の措置はとっていないようです。

インド同様ネパールでも1日の新型コロナウイルスの感染者が8000人を超えるなどしており、医療物資も不足している状態で、エベレスト登山に使われる登山用酸素ボンベは持ち帰えって医療用に転用できるよう要請していたということでした。

ただでさえ酸素が薄い極度の高地であるため、呼吸器への影響が大きく、キャンプで感染が発生すればクラスターとなって感染が拡大し、重症化する懸念も高いので極めて深刻な状態となっています。

GW中の山岳遭難事故 / 2021年

警察庁の発表によると、4月29日から5月9日までの大型連休中に起きた山岳遭難は157件あり、191人が遭難し、そのうち死者は26人、負傷者は54人、行方不明者は3人ということでした。

都道府県別の遭難件数は、新潟(16件)、長野(14件)、神奈川、静岡、滋賀(各8件)で、ヘリコプターの出動回数は48回、投入された警察官は山岳遭難救助隊員らのべ1150人だったということです。

天候が不安定だったこともあるのでしょうが、過去5年でみると、死者・行方不明者は2017年と並び最多だったということです。

 

長野からの便り

田中廣明(S43年卒)さんから長野便りをいただきました。

飯綱山に登ろうと思っていたところ、グズグスの雪で撤退したそうです。翌日、斑尾なら大丈夫だろうと行ったところ、やはりグズグズて下りてきたそうです。

残雪の山は見た目はいいけど、登るのは・・・ということでした。

愛川展望台からの北アルプス
いもり池からの妙高山
あづみの公園からの常念岳
戸隠からの高妻山

S43年卒 田中廣明

訃報 金 有一氏がお亡くなりになりました

共に長らくDWVのOB会活動に参加され、1999年から2006年までDWVの顧問としても指導されてきた金有一先生が2021年4月12日未明に急逝されました。

DWV.OB会の60周年記念に掲載された先生の寄稿文を載せ、偲びたいと思います。ご冥福をお祈り申し上げます。


ワンゲル顧問の頃の思い 金 有一

長い教員生活の中で定年になるまでの最後の十数年間、新村三千夫先生とワンゲル部顧問として子供達に同行し20座に及ぶ百名山へのアタック、里山歩きの楽しさや苦しさを共有してきた。若い彼らは登るのが速い。日帰りの奥多摩などの引率は結構しんどい思いをしたが、宿泊を伴う山行の方が私にとっては楽であった。理由は一つ、背負う荷が彼らより軽いからである。日帰り山行ではザックの重さはほぼ同じだが、夏合宿などでは子供達はテントや食料など多分30kg以上を背負っていた筈である。顧問の私は身の回りの品だけで随分と軽くなる。その差で歩く(登る)早さは同じになるのである。こうして定年になるまで子供達と一緒に朝日、吾妻、大雪、南ア、北アの奥まで足を踏み入れることができたのも新村先生や同行したOB諸君、子供達の協力があってこそと感謝している。合宿当時、登山道や山小屋で出会った人たちとの思い出を幾つか記してみたい。

「白馬岳・朝日岳」合宿(1999年7月、3泊4日、猿倉~大雪渓~白馬岳~雪倉岳~朝日岳~五輪尾根~蓮華温泉~平岩):白馬尻で早めの昼食を済ませ、行動を開始したのは12時少し前、縦走用の重い荷物を背負い斜度のきつい大雪渓に難儀していた。突然の夕立ちで近くの岩場の陰で雨宿りを余儀なくされ、小降りになるのを待って6時までにはテント場につかなければならないと雨の中を再び歩き始めた。小雪渓手前で避難小屋を見つけまた小休止、中を覗くと暗いため人相は判らず、ただ一人軽装の男がいるというのが第一印象だった。突然、「先生!」と、驚くばかりだった。ここに教え子の関井君がいるとは予想だにしなかった。聞くと、山頂の昭和大学医学部診療所のスタッフの一員として奉仕活動し、今日の仕事は最後の登山客を見届けてから頂上の宿舎に戻るとのこと。彼に励まされテント場に着いたのは夕方6時を回っていた。翌朝、彼に別れを告げて朝日岳を目指す。鉢岳を巻き強風を避けて雪倉岳避難小屋での昼食は単独行の女性と一緒、言葉を交わすうちに彼女の壮大な計画を聞き、我が耳を疑った。日本海の親不知から北アルプス・八ケ岳・南アルプスを縦走し静岡県の大浜まで歩くとのこと、無事と完全踏破を祈らずにはいられなかった。時折り記憶が蘇り計画は完遂できただろうか気になっていた頃、年が明けて雑誌「山と渓谷」3月号に完全踏破達成の手記が目に止まり、彼女であることが直ぐに分かった。手記には住所の記載もありお祝いの手紙を書いた。彼女からの返信には『先日はお便りありがとうございます。風の強い7/23の雪倉岳避難小屋でのこと、よく覚えています。あの時頂いたスイカは本当においしかったです。・・・日記に毎日の食事のメニューも書いていたのですが、7/23のお昼のメニューには「スイカ(高校のワンゲル部に頂いた)」と書いてあります。・・・』とあった。この合宿は歩く距離が長く毎日10時間以上のアルバイトを強いられた。

「雲ノ平」合宿(2004年7月、4泊5日、折立~太郎兵衛平テント場~薬師岳~太郎平小屋~薬師沢小屋~雲の平キャンプ場~祖父岳~岩苔乗越~水晶岳~野口五郎小屋~真砂岳~湯俣岳~湯俣温泉~高瀬ダム):毎日が歩く距離の長い山行だった。薬師峠のテント場を早朝に出発し薬師岳をピストンして太郎平小屋で小休止後、北アルプスの秘境と呼ばれる黒部川本流との出会いに建つ薬師沢小屋までジグサグ道を下り、さらに雲ノ平の溶岩台地へ登り返す強行軍だった。水晶岳のピストンを終え東沢乗越のあたりから風も強くなり雨模様、午後3時を回っていただろうか、ずぶぬれになりながら野口五郎岳のテント場に着くとそこは閉鎖、幕営できないとのこと。止む無く野口五郎小屋で素泊まりとなる。献立はカレーライス。幸いに登山客もなく、小屋の方々のご理解を得て自炊が始まる。お手伝いに来ていた小屋のご主人の高校生のお嬢さんと子供達は意気投合、高校生同士楽しそうに和気藹々とカレーを作っている。完成したカレーを口にした小屋のご主人は、小屋のカレーよりも美味しいと褒めてくれた。この夜は心温まる小屋の方々との交流の場となったことは云うまでもない。

「荒川岳・赤石岳」合宿(2005年7月、4泊5日、椹島~千枚岳~荒川岳東岳~赤石岳~椹島):山行の途中から赤石岳で百名山完登を目指す富良野の獣医さん(テレビ番組・倉本聡「北の国から」で獣医役としても出演)と出合い99座目の荒川岳東岳、100座目の赤石岳に同行、子供達が立会い人となり百名山完登のお祝いをしたことは感慨深い経験だった。赤石避難小屋では獣医さんからお世話になったお礼にと子供達にジュースの差し入れもあった。この夜の登山者は獣医さんと我々だけ、小屋番氏が食後に面白い場所に案内するからシュラフをもって来るようにと云う。小屋から山頂近くまで行くと小屋番氏はシートを拡げシラフにくるまって仰向けに寝るようにと指示。漆黒の闇の中に都会では決して見ることが出来ない満天の星空、目が慣れてくると一つ二つと流れ星が多方向から流れる、人工衛星の赤い糸のような航跡に歓声が上がる。小屋番氏の解説を聞きながら獣医さんと一緒に壮大な宇宙の神秘さに想いを馳せたひと時だった。秋になって獣医さんから学校宛てに段ボール箱いっぱいの富良野産新ジャガイモが子供達に送られてきて、部室で分けたことも懐かしい思い出である。

「三頭山」送別山行(2007年2月、日帰り):私が定年を迎えた年の2月、送別山行・三頭山を企画してくれた。武蔵五日市駅に着くと駅前に、ハリウッドの映画スターが乗るような『大きな黒塗りのリムジン』が出迎えているではないか。何人が乗れるだろうか、対座のシート、車内の調度品に目を見張る。都民の森の駐車場に横付けすると大勢の登山者の視線がリムジンに向けられて、下りる時は少し気恥かしかったが、新村先生と子供達の心遣いが嬉しかった。新村先生、山行を共にして今はOBとなった諸君、ご一緒させていただいた数々の山行、原稿を書きながら懐かしく思い出しております。お世話になりました。

DWV元顧問    金  有一

今年の富士登山は?

3月24日、富士山の標高2100mの大沢崩れで降雨によって雪が溶けて土砂を巻き込んで流れ下るスラッシュ雪崩が発生し、山梨側の麓と5合目を結ぶ有料道路「富士スバルライン」の4~5合目間4カ所の計325メートルに土砂が流入しました。

雪解けとともに例年発生しているスラッシュ雪崩ですが、急に暖かくなったせいでしょうか、今年のような複数回の目立ったスラッシュ雪崩は2018年以来ということです。

さて、昨年は新型コロナの感染防止のために全ての山小屋が休業し登山道が閉鎖されてしまいましたが、今年はどうなるのでしょうか。

富士山の山小屋や関係団体は今年は夏山を開く事で準備を進めいるようですが、夏山シーズンに向けて国や山梨と静岡の両県、それに富士山のふもとの市町村などで構成する「富士山における適正利用推進協議会」はコロナ禍にあっての富士山を登る際のマナーを策定しました。(With コロナ時代の新しい富士登山マナー)

  1. 発熱・症状のある時は登山を行わない
  2. なるべく住居を共にしている少人数で登山
  3. 混雑する日や時間帯を避ける
  4. 山小屋は必ず事前予約
  5. 宿泊をともなわないご来光目的の夜間登山は行わない
  6. 最新情報をよく確認し、安全に配慮した余裕のある登山計画を立てる
  7. 感染対策グッズを準備
  8. 同行者以外の人とはソーシャルディスタンスを確保
  9. 必要に応じてマスクや手ぬぐいなどで鼻と口を覆う
  10. 登山道の渋滞時には交互登下山に協力を
  11. 呼吸を荒げないよう、自分のペースを維持
  12. 同行者以外との物品の共有、杭やロープへの接触は避ける
  13. トイレや売店を利用した後は、必ず手指消毒
  14. ゴミや吐物は密閉式の袋に入れて持ち帰る
  15. 体調不良時等は速やかに登山を中止して下山

それぞれの山小屋ではコロナ禍での開業に向けて、人数制限と予約の徹底、各所へのアルコール配置、食堂や寝床などの各部屋内を分けるためのパーティションの設置、使い捨てシーツの活用、換気システムの導入、寝床のスペースの改良など対策を進めているようです。

関係者はスバルラインの夜間営業停止や検温の周知徹底、観光バスやタクシー、マイカー利用者はスバルライン料金所で検温や体調確認の書類提出し、協力しない場合は通行させないことを求めるなどの要望を山梨県に求めているようです。

富士山の開山については5月に決定するということのようです。

「ナラ枯れ」が深刻になっています

コナラやコナラをはじめマテバシイなどドングリを実らせるナラ、シイ、カシなどのブナ科の樹木にカビの仲間である「ナラ菌」が入り込むことにより枯死する現象を「ナラ枯れ」と呼んでいます。

この「ナラ枯れ」は日本海側で顕著だった現象ですが、温暖化の影響もあると言われていますが、今や日本全国の里山や奥山に広がりを見せています。令和2年度には、42都府県で発生し、被害量は令和元年度から13万立方メートル増加して18.5万立方メートルとなってい流という事です。
実はこのナラを枯死させる原因菌になる「ナラ菌」はカシノナガキクイムシという5mmくらいの甲虫が元々持っていて、この虫がナラの木に穴を開けて住み着き、木の中でナラ菌を増殖させそれを食物にして生きているのです。


ナラに入り込んだカシノナガキクイムシはフェロモンで仲間を大量に招き寄せ、卵を産んで集中攻撃を開始します。穴を開けられたナラは樹皮から樹液を流し、次第にナラ菌自体によって水枯れを起こして夏場に枯死してしまうことになります。
次から次へ、山全体が茶色く枯れてしまうとうことにもなっています。また、大木ほど集中攻撃を受けることが多いようです。


多摩市などの都市部でも去年までに公園緑地の樹木で293本、街路樹で15本、学校の樹木9本の被害が報告されています。「明治神宮御苑」の森でも被害が出てきており、対策としてストラップを設置したり、ラップで包んで虫が入り込まないような対策を講じていますが、森林などでは十分な対策が取られないこともあって被害は深刻化しています。


以下の画像は「明治神宮御苑」の森に仕掛けられた捕殺用ストラップの様子です。

ラップで包んでキクイムシの侵入を防ぎます
キクイムシの捕殺用ストラップ
一番下の容器に集められます

「明治神宮御苑」はたくさんの人がお参りに訪れる賑やかな明治神宮の一角にあって、静かで落ち着いた佇まいのオアシス的な庭園です。

もともと熊本藩主の加藤家、後に彦根藩主の井伊家の下屋敷があった庭園で、明治時代になって宮内省の所管になりました。池や菖蒲園もあり、最奥には清正が作ったとされる珍しい横穴方式の井戸があり、バワースポットとしても有名になっています。

清正の井

メールマガジン2月号 / 2021

獨協中学・高等学校ワンダーフォーゲル部OB会メールマガジン 2021/2/28

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DWVのOBを山の話題で結ぶメールマガジン2月号/2021の配信です。

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【1】インドで大規模な氷河崩壊

【2】苦境に立つシェルパたち

【3】打矢之威のヒマラヤトレッキング紀行

【4】日本山岳会会報が創刊号からHPに掲載

【5】富士山の入山料が義務化

【6】韓国ではコロナ禍の中、登山者が急増

【7】行ってきました Now

【8】編集後記

【9】記事の募集とマガジンについて

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【1】インドで大規模な氷河崩壊

2月7日インド北部で発生した大規模な氷河崩壊による鉄砲水は、水力発電所の工事現場にいた作業員など60名が死亡したほか、150人以上が行方不明になっているとAFPは伝えています。

ヒマラヤだけでなく、世界各国で温暖化の影響で氷河が融解し、氷河が後退(喪失)していっていることが問題になっています。また、氷河が融解したことにより、氷河湖が増えたり、氷河湖の水位がどんどん上昇して決壊する事例も増えてきているそうです。

1990年から2010年にかけて、アジアの高山地帯では氷河を水源とする氷河湖が新たに900カ所以上も形成されているようです。湖の水位が上がると、土手のようになっている湖の端のモレーンを越えてあふれ出したり、最悪の場合にはモレーンが決壊したりすることが起こっているということです。これが科学者の言う「氷河湖決壊洪水」(GLOF)で、地元の少数民族であるシェルパは、同じ事象を「チュ・グマ」(壊滅的な洪水)と呼んでいるそうです。今回の災害の原因の詳細はまだ明らかにされていませんが、今回のインドの氷河決壊も温暖化が原因ではないかと考えられるようです。

ヒマラヤの氷河は急速に融解しており、中央部と東部の氷河が2035年までに完全に消えるとする専門家の指摘もあります。また、アフガニスタン、パキスタン、中国、インド、ネパール、ブータン、ミャンマーにまたがる地域では地球温暖化のペース次第では、およそ5万6000カ所ある氷河の3分の1から3分の2が、2100年までに消滅するという研究結果もあります。

2019年にコロンビア大学のマウアー氏は1975年に撮られた衛星画像と、2000年、2016年の衛星画像を比較した研究を発表しているそうで、それによると、2000年以降に1年間で解けた氷河の量は83億トン、2000年以降は毎年1%の割合で消失、その量はオリンピックサイズのプール300万個の水量に匹敵し、2000年以降の年間融解量は、1975年から2000年の年平均の2倍になっているそうです。

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【2】苦境に立つシェルパたち

打矢之威氏(S31年卒)は後述する2015年のネパール大地震の前後に2度ヒマラヤトレッキングを行っていますが、新型コロナの影響で山岳観光に依存しているネパールのシェルパたちは生活物資や収入に困窮している実態が出てきているそうで、お世話になったシェルパ達を救援する活動をしてるという事です。DWV.0B会のホームページにも記事をアップしていますので、まだ、見ていない方はご覧ください。

このコロナ禍に先立って、ネパールでは2015年の4月25日に東日本大地震規模のネパール大地震が発生し、日干し煉瓦などで出来た軟弱な建物が多い現地は多大なる被害を受けていました。余震も続いていたので、観光客も激減するなど、ネパール経済は危機的状況に陥っていました。その影響をやっと克服し、観光客も戻ってきている中でのコロナ禍はシェルパたちにとって極めて深刻のようです。

帰路に立つシェルパたち」の記事はこちらからご覧いただけます。

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【3】打矢之威のヒマラヤトレッキング紀行

打矢之威氏(S31年卒)は2011年には熊野大社から釈迦ヶ岳を登って十津川へ下りるなど5泊6日の大峯奧駈道のロングトレイルを、2015年には2回にわたるヒマラヤトレッキングを、2017年にはスペイン巡礼の旅(サンチャゴ・デ・コンポスティラ寺院まで120Km)iを行なっています。

「スペイン巡礼の旅」については本ホームページ上でも既に掲載されていますが、この度、前項の「苦境に立つシェルパたち」の原稿と一緒にヒマラヤトレッキングの資料を送付していただいていましたので、ホームページに掲載させていただいています。

氏は2015年の地震発生の少し前の3月24日から地震の2週間前までと、11月5日からの2週間ヒマラヤトレッキングを行っています。

4月のヒマラヤトレッキング  11月のヒマラヤトレッキング

スペイン巡礼の旅I    「スペイン巡礼の旅II」 「スペイン巡礼のⅢ」

NHK でも登山家の山岳カメラマンの中島健郎と石井邦彦「グレートヒマラヤトレイル」(BS4K)「グレートヒマラヤ撮影日誌」(BSブレミアム)を放送していました。3月1日(月)午後10時からもBS4Kで「グレートヒマラヤトレイル」10が放送されます。

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【4】日本山岳会会報が創刊号からHPに掲載

日本山岳会は1905(明治38)年に小島烏水を初代会長として設立されましたが、会報「山」を1930年の10月から発行しています。また、翌年の明治39年からは機関誌「山岳」を発行しています。日本山岳会では創立120周年記念事業の一環として所蔵図書・資料をデジタル化して一般公開するという事業を進めています。本HPに掲載されている「小島烏水と日本山岳会の設立」の記事はこちらから

日本の近代登山を牽引してきた日本山岳会の歴史は日本の登山史を知る極めて重要な資料でもあります。誌面に掲載されている広告などからも当時の様子を窺い知ることもできます。特に機関誌は当時の個別な山岳やその登山について詳しく紹介されていて、じっくり読める資料だと思います。

両方ともPDFをプリントアウトしたり、保存することも出来ますので、オフラインでいつでも見ることが出来ます。一度覗いてみてはいかがでしょうか。

会報「山」はこちらから  機関誌「山岳」はこちらから  日本山岳会のHPはこちらから

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【5】富士山の入山料が義務化

昨年、富士山は新型コロナの感染防止から山小屋は一斉休業し、登山すること自体が禁止されていました。平成26年から始まった1人1000円の保全協力金(入山料)も登山者の60%台に留まっていて、不公平感の解消が課題となっていました。

山梨、静岡両県などでつくる富士山世界文化遺産協議会の利用者負担専門委員会は1年間の登山禁止を経て、5合目より上に入山する場合は講習と認定手続きを受けた上で法定外目的税を納める制度の導入を16日に打ち出しました。

専門委員会の上部組織の作業部会が昨年11月、登山者から任意で集めている保全協力金を法定外目的税として徴収する方針を確認し、専門委で徴収方法を検討していたものです。これにより、新制度は15日に開催される作業部会を経て3月下旬の富士山世界文化遺産協議会で審議されるということで、入山料は税金化にシフトが切られたようです。

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【6】韓国ではコロナ禍の中、登山者が急増

日本では昨年、新型コロナ感染防止の影響で一部山小屋や登山道が閉鎖されていることもあって、登山者やそれに伴う遭難事故が減少しました。しかし、同じコロナ禍の中にあって、隣国の韓国では昨年登山者がコロナ禍以前の2倍近くも増えているということです。

新型コロナの感染状況や対策が違っていることもあるのでしょうが、昨年韓国での新型コロナ感染者は9万人、回復者は8万人、死者は545人に対して日本では感染者は43万人、回復者は40万人、死者は7818人と感染者と回復者数は5倍、死者は14倍になっています。(いずれも概数です)日本の人口が韓国の約2倍あるということを考えてもかなり数の違いがあります。そのことからも登山に対する意識や対応に違いもあるようですが、韓国でもジムなどでの運動が難しい中で、登山は比較的安全だということでに人気が集中してきているようです。

ソウル市で昨年発生した山岳遭難は前年に比べ約30%増えていて、特に週末の20-30代の登山初心者が増えいるようです。若者がデートでレギンスにスニーカー、スカートのような軽装で山に登ってけがをしたり、道に迷ったりする事故がて増えているそうです。中にはSNSの”映え”を狙っての事故も発生しているということです。

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【7】行ってきました Now

筑波山(2018年3月4日) 梅祭りで賑わう麓をすり抜けて頂上へ

高尾山(2017年3月11日) ポピュラーコースでののんびりハイキング

鳴神山(2010年3月12日) 低山ハイキングではハナネコメソウのおまけが

沼津アルプス(2018年3月18日) 駿河湾を望みながらぐるっと縦走

赤城山(2020年3月19日) 残雪期の雪の中、頂上からは360度の展望が

北横岳(2016年3月21日) ロープウェイでスキーヤーと別れて頂上へ

三毳山(2018年3月25日) 道の駅から歩いていけば、圧倒的なカタクリの大群

天城山(2020年3月26日) 緊急事態宣言前に、駆け込みで天城山を往復

三頭山(2018年3月29日) 案外奥多摩では遭難が多く、この山行前にも事故が

角田山(2016年3月31日) 一面のカタクリが咲き、日本海の青い海と灯台を見下ろしながら

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【8】編集後記

今月のメールマガジンは油断していて、最終日での配信になってしまいました。関西地区などでは前倒しで緊急事態宣言が本日解除されます。解除後の感染状況は首都圏での解除にも影響を与えそうです。早く安心して韓国のように登山が出来るようになって欲しです。

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【9】記事の募集とマガジンについて

このメールマガジ ンは毎月1回(発行日は不定)、OB 会会員にお送りしているものです。次号以降配信が必要ない方は、メールでその旨お知らせください。また、記事はホームページにリンクしていますので、今後別のアドレスへの配信を希望される方はその旨連絡下さい。

本ホームページでは記事を募集しています。投稿・寄稿をどうぞお寄せ下さい。山行記録は当時のものでも個人の新しい記録でも結構です。当時の写真だけでも記録として蓄積したいと思っていますので、宜しくお願いします。山行記録のほかに、紀行文、コラム、近況報告などの直接投稿やメールでの寄稿もよろしくお願いします。

※投稿やお問い合わせメールは dokkyo.wvob@gmail.com 担当手島までお願いし ます。

韓国ではコロナ禍の中、登山者が急増

日本では昨年、新型コロナ感染防止の影響で一部山小屋や登山道が閉鎖されていることもあって、登山者やそれに伴う遭難事故が減少しました。しかし、同じコロナ禍の中にあって、隣国の韓国では昨年登山者がコロナ禍以前の2倍近くも増えているそうです。

新型コロナの感染状況や対策が違っていることもあるのでしょうが、昨年韓国での新型コロナ感染者は9万人、回復者は8万人、死者は545人に対して日本では感染者は43万人、回復者は40万人、死者は7818人と感染者と回復者数は5倍、死者は14倍になっています。(いずれも概数です)日本の人口が韓国の約2倍あるということを考えてもかなり数の違いがあります。そのことからも登山に対する意識や対応に違いもあるようですが、韓国でもジムなどでの運動が難しい中で、登山は比較的安全だということでに人気が集中してきているようです。

ソウル市で昨年発生した山岳遭難は前年に比べ約30%増えていて、特に週末の20-30代の登山初心者が増えいるようです。若者がデートでレギンスにスニーカー、スカートのような軽装で山に登ってけがをしたり、道に迷ったりする事故がて増えているそうです。中にはSNSの”映え”を狙っての事故も発生しているということです。

富士山の入山料が義務化へ

昨年、富士山は新型コロナの感染防止から山小屋は一斉休業し、登山すること自体が禁止されていました。平成26年から始まった1人1000円の保全協力金(入山料)も登山者の60%台に留まっていて、不公平感の解消が課題となっていました。

山梨、静岡両県などでつくる富士山世界文化遺産協議会の利用者負担専門委員会は1年間の登山禁止を経て、5合目より上に入山する場合は講習と認定手続きを受けた上で法定外目的税を納める制度の導入を16日に打ち出しました。

専門委員会の上部組織の作業部会が昨年11月、登山者から任意で集めている保全協力金を法定外目的税として徴収する方針を確認し、専門委で徴収方法を検討していたものです。これにより、新制度は15日に開催される作業部会を経て3月下旬の富士山世界文化遺産協議会で審議されるということで、入山料は税金化にシフトが切られたようです。

インド北部で大規模な氷河崩壊

この画像はカシミール渓谷のフリー画像
2021年2月7日インド北部で発生した大規模な氷河崩壊による鉄砲水は、水力発電所の工事現場にいた作業員など60名が死亡したほか、150人以上が行方不明になっているとAFPは伝えています。
ヒマラヤだけでなく、世界各国で温暖化の影響で氷河が融解し、氷河が後退(喪失)していっていることが問題になっています。また、氷河が融解したことにより、氷河湖が増えたり、氷河湖の水位がどんどん上昇して決壊する事例も増えてきているそうです。
1990年から2010年にかけて、アジアの高山地帯では氷河を水源とする氷河湖が新たに900カ所以上も形成されているようです。湖の水位が上がると、土手のようになっている湖の端のモレーンを越えてあふれ出したり、最悪の場合にはモレーンが決壊したりすることが起こっているということです。これが科学者の言う「氷河湖決壊洪水」(GLOF)で、地元の少数民族であるシェルパは、同じ事象を「チュ・グマ」(壊滅的な洪水)と呼んでいるそうです。今回の災害の原因の詳細はまだ明らかにされていませんが、今回のインドの氷河決壊も温暖化が原因ではないかと考えられるようです。
ヒマラヤの氷河は急速に融解しており、中央部と東部の氷河が2035年までに完全に消えるとする専門家の指摘もあります。また、アフガニスタン、パキスタン、中国、インド、ネパール、ブータン、ミャンマーにまたがる地域では地球温暖化のペース次第では、およそ5万6000カ所ある氷河の3分の1から3分の2が、2100年までに消滅するという研究結果もあります。
2019年にコロンビア大学のマウアー氏は1975年に撮られた衛星画像と、2000年、2016年の衛星画像を比較した研究を発表しているそうで、それによると、2000年以降に1年間で解けた氷河の量は83億トン、2000年以降は毎年1%の割合で消失、その量はオリンピックサイズのプール300万個の水量に匹敵し、2000年以降の年間融解量は、1975年から2000年の年平均の2倍になっているそうです。
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