八甲田山 大岳(1,585m)

2017年8月21日

岩木山と同じように百名山に数えられる八甲田山は明治35年に対ロシア戦を想定した陸軍の冬期訓練で210名中199名が遭難死した雪中行軍の舞台となった山であり、新田次郎の小説「八甲田山死の彷徨」や高倉健の代表作映画の「八甲田山」でも有名になった山でもあります。緯度が高いので標高は低い山いものの冬期積雪量も多くブナやアオモリトドマツ、ハイマツなどの美しく深い森と高層湿原を伴った高原など豊かな自然に恵まれた山です。


青森駅から新青森駅を経由する十和田湖行きのJRバス「みずうみ号」に乗車し、八甲田ロープウェイ駅から田茂萢岳の自然探索路を通り、赤倉岳、井戸岳を縦走し、八甲田山の最高峰の大岳をビストン、毛無岱という湿原を通って湯治の一軒宿で有名な酸ヶ湯温泉に至るコースを歩いて来ました。前日登ってきた岩木山から比べるとハイキング気分で楽しめました。

青森ベイブリッジ
駅前ロータリーにあるバス停
切符は待合室に自動販売機があります。

「みずうみ号」は大型のバスで、途中「三内丸山遺跡」を通り「かやの茶屋」でトイレ休憩が設定されていました。「かやの茶屋」では3杯飲めば死ぬまで長生きできるという長生きの麦茶「三杯茶」を無料で提供してくれます。

八甲田ロープウエイは101人乗りのロープウェイで、冬期はスキー客をたくさん乗せているようです。2台が中間地点で交差するようになっています。

前夜、弘前のホテルでテレビを見ていた時に、十和田湖周辺の山林でクマに襲われて怪我をした人が出たという地方局のニュースが流れていました。当日は平日で、比較的登山客も少なそうなので少し心配でした。乗客には鉄砲を担いだ?客もいたので、クマ対策なのかと思ったらますます気になってきていました。しかし、ケースに入れた状態で担いでいては間に合うのかどうか。お守りにしては重たそうではあります。

ロープウェイは10分くらいで山頂公園駅に到着。山頂公園駅は田茂萢岳の山頂台地に位置しており、アオモリトドマツやクマザサなどの比較的低い植物が広がる開放感のあるなだらかなで地形です。

これから登る赤倉山、井戸岳、大岳の三山が連なって眺められます。

田茂萢岳の自然研究路の周遊ルートから分かれて先を行くと、直接毛無岱に行くコースと赤倉山へ行くコースに分岐します。

ウメバチソウ

深く切れ落ちた崖を左に見ながら赤倉岳を目指します。

途中、祠があり、少し行くと赤倉岳頂上に到着しました。

赤倉岳から井戸岳の爆裂火口を右に見ながら縁に沿って緩やかな登山路を進んで行きます。

白花のタルマイソウ

正面にこんもりとした山容の大岳、そして井戸岳と大岳のコルには避難小屋があります。ベンチなども多く休憩地としても多く利用されているようです。

大岳鞍部避難小屋
避難小屋内部の様子

ホシガラスが食べ散らかしたのか、登山道脇にハイマツの実らしきものが散らばっていました。

20分程度で八甲田山の最高峰1,585mの大岳山頂に到着しました。

頂上のケルン近くでコーヒーブレイク。

イワギキョウ

コルまで戻って、避難小屋近くのベンチで昼食をとりました。

昼食後、毛無岱方面に下山開始。

キンコウカの広がる上毛無岱を行きます。すでに花の見頃は過ぎ、湿原には秋の気配が感じられました。

上毛無岱を越えてしばらく低い樹林帯を行くと、唐突に眼下に湿原が広がる絶景ポイントが待っていました。下毛無岱の眺めです。上下の毛無岱を結ぶ木造階段は280段の入り口です。階段上から眺める湿原はまるで整備されたどこかのゴルフ場のようでもありました。

下毛無岱から酸ヶ湯方面に下って行きます。

酸ヶ湯温泉が右眼下に見えてくるとあと少し。予定より早く着いたので、ゆっくり温泉に入れました。酸ヶ湯温泉は思っていたよりもモダンな感じで、ちょっとした旅館と変わらないようでした。

玄関先に日帰りの入浴の自動販売機が置いてあり、そこで入浴券を買います。名物の「ヒバ千人風呂」は基本混浴で玉の湯」にも入れるタオル付きの共通券は1,000円でした。受付を済ませてタオルを受け取り、ロッカーにザックを預けてお風呂へ。

「千人風呂」は写真で見た感じよりも小さく、「熱湯」と「四分六分」「冷の湯」「湯滝」などがありました。洗い場はなく、流しみたいな所の蛇口?からは冷たい水だけが出ていました。とりあえず汗だらけの体をお風呂の湯を桶で汲んで風呂脇で体を流して入りました。右側が空いていたので入りましたが、あとで右半分は女性エリアになっているということ知りました。女性は誰も入っていなかったので分かりませんでした。

風呂内の写真は撮れなかったので「酸ヶ湯温泉」のHPから画像を借用させていただきました。(上の写真)

http://www.sukayu.jp/inside/bathroom.html

湯宿から出て、バスの時間まで外のテーブルに座って待ちました。行きのバスと同じ十和田湖方面から来る「みずうみ号」です。

バスは新幹線「はやぶさ号」で帰るので、途中の新青森駅で下車します。

弘前を起点とした岩木山、青森を起点とした八甲田山という2つの百名山をめぐる山旅の終了です。

1日目の岩木山へ


コースDATE

八甲田ロープウェイ山頂公園駅9:30 赤倉岳分岐10:00 赤倉岳10:50 井戸岳火口11:00 大岳ヒュッテ11:10 大岳11:35 大岳ヒュッテ12:10 上毛無岱12:50 下毛無岱13:10 酸ヶ湯温泉13:50

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