メールマガジン11月号/2018

獨協中学・高等学校ワンダーフォーゲル部OB会 オンラインマガジン 2018 / 11/30
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【1】葱っ平」(ねぶかっぴら)はどうして平らじゃないの
【2】あなたは登山道何級?
【3】中高年登山の疲れない体づくり
【4】白神岳避難小屋改修工事
【5】丹沢山地の生い立ち
【6】行ってきました 山行Now
【7】編集後記
【8】記事の募集とメールマガジンについて
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【1】葱っ平」(ねぶかっぴら)はどうして平らじゃないの
 
白馬大雪渓を登りきり、右側の尾根の急な斜面の取り付きから小雪渓辺りを「葱っ平」(ねぶかっぴら)と言います。白馬岳の固有種であるネギボウズの形をした薄紫色の花をつけるネギ科のシロウマアサツキ(白馬浅葱)が自生していたことから葱平という地名になったということです。
しかし、”平”という名が付くのに、平らどころかかなり急なのはどうしてでしょうか。
実は”ひら”は日本語の古語では急斜面の地形のことを言うそうで、アイヌ語でも”びら”と言うそうです。今の使い方とは反対の意味があったようです。東北地方の北部の山中では、今でもその古語が残っていて、山の急斜面を「ひら」といい、それをフィラと発音しているそうです。
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【2】あなたは登山道何級?
江戸時代の武芸や武術は近代、山岡鉄舟(剣術)や嘉納治五郎(柔術)に代表されるように技術本位のあり方から修行を通して人間形成を目指す生き方としての”武道”として発展していました。茶道、書道、華道や香道も同様でしょうか。
同時に西欧からはリェクリェーションとしていろいろな近代スポーツが導入されました。また、その中で両者は際立って行った経緯があったようです。
”残心”や”礼儀”が象徴するように精神を磨くことを目的とした「道」と遊びを楽しむスポーツと、それを発展していつた競技などは同じようなスポーツでも若干?あるいは本質的に?方向性が違っているようです。
登山やワンダーフォーゲルはどうなのでしょうか。
山は「神の居る場」としての考えのもとに、その懐を修行の場としてとらえた山岳信仰と西欧から導入されたスポーツとしての近代登山と分けて考えることができます。
近代登山の導入によって登山はスポーツとして広く一般に受け入れられて発展していきました。
その中で、登山も「道」へと位置付けて階級を設けるような運動があったようです。
 
1940(昭和15)年に日本山岳会関西支部では登山に段級制度を導入していた時期があり、幹部は登山道二段など、一級から三級、初級、二段、三段など段級に制度化していたそうです。
しかし、長続きすることなく立ち消えになったようです。登山界も戦時色が強くなり、軍事教練や行軍登山的な登山が推奨されていたことも影響があつたのではないかと言われています。
今は、人ではなく登山ルートごとに入門者、初級者、中級者、上級者という大枠が設けられており、県別にはそれぞれの山やルートのレーティングが細かく示されています。
 
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【3】中高年登山のバテない体づくり
登山やトレッキングはゆっくり歩いている分には乳酸がたまることなく歩き続けることができるので、中高年のスポーツとしてはとても向いているそうです。
中高年登山の基本はスロースピード。1.5倍くらいの時間設定のもとに計画を立てることが必要なようです。
ただ、中高年でもトレーニング次第で1拍動で送ることのできる血量を増やしたり、心拍数を少なく調整出来ることによって疲れにくい体を作ることができるそうです。また、栄養の摂取や休憩の仕方などもバテない山行をする上で大事なポイントになるということです。
①筋トレによる最大酸素摂取量の向上とストレッチ
踏み台昇降や速歩を週3回程度、1日30分〜40分程度のオーバーロード(過負担)のトレーニングにより向上させることが出来るようです。また、山行の前と後にはストレッチに努めることが効果的なようです。
②効果的な栄養の摂取と休憩
日頃からタンパク質やビタミンなどをバランスよく摂取し、山行前には糖質を十分摂取して蓄積しておくとがバテないからだを作っていくことになるそうです。
また、登山中は糖質やナッツ類(マグネシウム)をこまめに摂取することがいいそうです。昼食としてまとまった食事は摂らず、行動食だけで済ませることも考慮できるということです。
小休止は立ったままで心拍数が平常値になるまで屈伸などをするなどしながら休むのがいいそうです。また、大休止は足を心臓より高くして座って休むようにし、疲れた場合は横になって休むと回復が早いそうです。昼寝も効果的なようです。
==出典は山歩きのサイエンス(中高年の健康と医学Q&A) 宮下充正著から==
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【4】白神岳避難小屋の改修工事
青森県深浦町では町所有になっている白神岳避難小屋が老朽化し、修復の必要ができたので修復費1,000万円のうち500万円を「ふるさと納税制度」を活用したいと呼びかけたところ、1ヶ月余りで目標額に達したということです。
引き続き寄付は募っているということですが、こういうのが「ふるさと納税制度」の本来の姿なのかもしれません。
牛肉目当ての寄付や「ふるさと納税制度」に頼らなくてはならない地方行政の収入源格差など「ふるさと納税制度」の問題はいろいろありますが、今後クラウドファンディングや「ふるさと納税制度」を利用した山の整備が進んで行くのかも知れません。
【5】丹沢山地の生い立ち
伊豆半島はかつて太平洋に浮かぶ火山島群で、プレートの移動とともに本州に衝突したということはよく知られています。
DWVでもボッカ訓練でよく登っていた丹沢山地も同じように太平洋上にあった海底火山の噴出物の隙間にマグマが上がってきて固まったものが火山島になり、ブレートに乗って本州に衝突、遅れて伊豆半島を形成する岩体に押し出されて隆起して山地となったということです。
マグマが深い所で冷えた深成岩の石英閃緑岩(トーナル岩)を基盤として、熱変性によってできた変成岩とによって形成されているようです。
NHKの「チコちゃんに叱られる」ではないですが「ボーっと、山登ってんじゃねいよ!」じゃなく地形や樹木・草花を意識しながら登ってみるのも面白いと思います。
ちなみにマグマが冷えて固まった火成岩は「新幹線は刈り上げ」で覚えられます。
「し:深成岩、か:花崗岩、せ:閃緑岩、は:はんれい岩、か:火山岩、り:流紋岩、あ:安山岩、げ:玄武岩」です。
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【6】行ってきました 山行Now
三頭山(地質と植生) 2018年11月3日
「山の自然学講座」という”山の自然学クラブ”が主催している山の地質と植生など中心に学ぶ講座に参加しました。
座学と年3回の現地講習がありましたが、今回は最終回で三頭山の地質と植生について増澤直先生からいろいろと教えていただきました。こんな風に自然をディープに楽しみながら登ってみるのも面白いものです。
岩櫃山(802.6m)群馬県 2018年11月15日
NHKの大河ドラマ「真田丸」のタイトルバックにも登場している群馬県の「岩櫃山」に登ってきました。OB会の月例山行でも度々登っていて記録も見ていただけるといいと思います。
壁の裏から登るので険しいというほどでもありませんが、「天狗のかけ橋」という両端が切れ落ちいてる岩のブリッジを通過しなくてはなりません。ひよって、迂回路に回ってしまいました。
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【7】編集後記 
先日、主管だった上林先生をお招きしての獨協中学校の同窓会に出席しました。いろいろ昔話で盛り上がりましたが、その席で当事校長だった天野貞祐先生の話がでました。
講話朝会でカントがどうだとか、目標を遠きにおいて・・とか話されていたことを覚えていますが、天野先生は獨協学園の徒競走が嫌いだったそうです。
それで、獨協の運動会では校長の話を早々に切り上げて、学校を抜け出して理事長をしていた「自由学園」の体操会?のマスゲームを見に行っていたそうです。
道徳的な天野校長と「自由学園」とはイメージが結びつきませんでしたが、そんなこともあったんだと思いました。
仕事が立て込んでいてこのメールマガジンも月末に送ることになってしまいましたが、なかなか山にも行く機会が持てません。運動もせず体は太る一方です。正月を前にシェイプアップのためにもどこか登ってきたいと思っています。
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【8】記事の募集とマガジンについて
 
このメールマガジ ンは毎月1回(発行日は不定)、OB 会会員にお送りしているものです。次号以降配信が必要ない方は、メールでその旨お知らせください。また、記事はホームページにリンクしていますので、今後別のアドレスへの配信を希望される方はその旨連絡下さい。

本ホームページでは記事を募集しています。投稿・寄稿をどうぞお寄せ下さい。山行記録は当時のものでも個人の新しい記録でも結構です。当時の写真だけでも記録として蓄積したいと思っていますので、宜しくお願いします。山行記録のほかに、紀行文、コラム、近況報告などの直接投稿やメールでの寄稿もよろしくお願いします。

※投稿やお問い合わせメールは dokkyo.wvob@gmail.com 担当手島までお願いし ます。

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