メールマガジン7月号 /2020

獨協中学・高等学校ワンダーフォーゲル部OB会メールマガジン 2020/7/25

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DWVのOBを山の話題で結ぶメールマガジン7月号の配信です。

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【1】 全国主要山岳の山小屋の4割が休業

【2】山小屋の存続危機

【3】中央アルプスのライチョウのその後

【4】富士山や八ヶ岳で山小屋荒らし

【5】御嶽山王滝ルートが規制解除

【6】「生き物の死ざま」稲垣栄洋 著

【7】行ってきました Now

【8】編集後記

【9】記事の募集とマガジンについて

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【1】全国主要山岳の山小屋の4割が休業

京都新聞の調査によると、この夏の全国の主要山小屋240軒のうち約4割に当たる95軒が休業することが分かったそうです。営業の判断をした山小屋も、ほぼ全てが「完全予約制」で宿泊者の定員を大幅に減らす予定ということです。

また、ルート上の山小屋が休業してしまったことにより、ルート上の整備や状況確認、トイレの整備、救助態勢が取れないことなどから登山道自体を閉鎖する措置が取られている所も出てきています。

京都新聞による 【一覧表】全国の山小屋の営業状況はこちらからご覧いただけます。

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【2】山小屋の存続危機

新型コロナウイルスの感染拡大により、どの業界でも経済的にも精神的にも危機的状況に陥っていますが、山小屋や山岳ガイドも危機的状況になっているようです。

夏山では今まで布団1組に数人が寝るという極めて密集状態にもなることから、宿泊定員を従来の半分から1/3程度にすることが必要とされています。そうなると経費との関係で今年は山小屋を閉めざるを得ないということも理解できる状況になっています。山小屋は休業補償もないのでしょうから、収入はほぼゼロ。人数を制限して開けている小屋にしても収入が激減することが予想されます。

白馬山荘では定員を800人から300人に減らすということですし、槍ケ岳山荘は定員を半数程度にするそうです。「もし来年以降も宿泊人数を絞るような状況が続けば、多くの山小屋が存続できなくなるかもしれない」ということです。

また、山岳ガイドは夏場のガイドが収入の年間収入の大半を占めているそうで、このような状況では仕事の依頼もなく、9割余りのガイドが経済的に逼迫しているということです。このままの状況が続くようならば、転職も余儀なくされることが予想されます。状況は逼迫しており、登山の有り様自体が問われて来ているようです。

山小屋エイド基金」のプロジェクトはこちらから

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【3】中央アルプスのライチョウ、その後

ニホンライチョウの復活計画が進む中央アルプスで、生息が確認されているメス1羽の巣に別の場所から有精卵を移し替えてひなをふ化させる取り組みが行われていますが、昨年はふ化したものの全滅してしまいました。今年も同じ取り組みをしたものの、残念ながらまたも、ひなは全滅してしまったそうです。

巣の近くに設置していたセンサーカメラの画像には複数のニホンザルが写っていたそうで、ひなが巣を飛び出し、寒さのために死んだのではないかと分析されています。

信越自然環境事務所(長野市)は、有精卵の移し替えだけではなく、ライチョウ家族を乗鞍岳から木曽駒ヶ岳に引越しさせる作戦を実施しているということです。乗鞍岳でライチョウ家族を丸ごとを保護して、木曽駒ヶ岳に引っ越しせる計画です。すでに、乗鞍岳で雌の親3羽とそれぞれのひな計15羽(うち3羽は衰弱死)を保護し、ゲージを設置して保護し、昼間は2回外に出して採餌させているということです。大雨被害が出た今月は乗鞍岳も悪天候の日が多く、ケージで保護していない雌7羽のうち、ひなを連れていたのは1羽のみだったということです。

保護しているライチョウの3家族の引っ越しは今月下旬に行われるということです。

長野県の「ライチョウ保護スクラムプロジェクト」はこちらから

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【4】富士山や八ヶ岳で山小屋荒らし

コロナの影響から休業中だった富士山五合目にある佐藤小屋では食堂のシャッターと窓ガラスが壊され、現金が盗まれるという小屋荒らしが5月に発生しました。盗まれた現金自体は2万円だったそうですが、修繕費など80万円以上の被害だそうです。

また八ヶ岳の行者小屋でも4月下旬に小屋が荒らされていたそうです。

以前には張っておいたテントと置いてあった荷物が盗まれるという事件が発生したことがありましたが、今回は休業中をいいことに小屋荒らしとは、世知辛い世の中になってしまいました。

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【5】御嶽山王滝ルートが規制解除

御嶽山(3,067m)の岐阜県木曽側の登山道は一昨年(2018年9月)から規制解除されていましたが、長野県の王滝登山道は整備が十分できていないということで登山道が規制されていました。しかし、整備が完了したということで、今月21日から山頂南側にある王滝頂上までの登山道の立ち入り規制が解除され、噴火後初めて王滝頂上まで登れることになりました。

当初7月11日の解除が予定されていましたが、大雨の影響で延期されていました。2014年の噴火では死者58人、行方不明者5人の被害を出しています。

 

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【6】「生き物の死ざま」稲垣栄洋 著

先日、筑波大付属小近くの公園を歩いていたら、今年初めてセミが鳴いていているのを聞きました。

夏も終わりになると、よくひっくり返ってジージー鳴いているセミを目にすることがあります。昆虫は硬直すると脚が縮まり関節が曲がるそうで、地面に体を支えていることができなくなり、ひっくり返ってしまうそうです。

“死ぬ間際に、セミの複眼はいったい、どんな風景を見るのだろうか。”と・・・。

農学博士の稲垣栄洋著の「生き物の死にざま」はセミ、ハサミムシ、カマキリなどの昆虫からチョウチンアンコウやマンボウなどの魚、ニホンオオカミやゾウなどの哺乳類など色々な生き物の限られた命を懸命に生き、命のバトンをいかに繋げ、愛おしいほどに死んでいく様に胸を打たれます。

「STAY HOME」の一日、そんな1冊を読んでみてはいかがでしょうか。 草思社 2019年 定価1,400円

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【7】行ってきました Now

8月の過去ログから

会津駒ケ岳(2016年8月19日)

唐松岳(2017年8月9日)

岩木山(2017年8月20日)

八甲田山(2017年8月21日)

白馬岳(2017年8月27日)

立山(2018年8月29日)

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【8】編集後記

連休に針ノ木岳の雪渓を登りに行こうかという計画があったのですが、コース上の山小屋が休業になってしまったため、登山道が閉鎖してしまったので計画が流れてしまいました。それで、今度は立山へでも行こうかと思っていましたが、雨ばかりが続き、家で停滞となってしまいました。結果的には良かったのかと思いましたが。

“GO TO TRAVEL”は東京を除外して始まりましたが、もはや感染拡大は東京だけではなく各地で再び感染の大きな波が迫って来ています。

“新型コロナが潜む日常”の中で、どう対処したらいいのか、一人ひとりが”自分の命を守る”行動をしていかなければならないようです。

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【9】記事の募集とマガジンについて

このメールマガジ ンは毎月1回(発行日は不定)、OB 会会員にお送りしているものです。次号以降配信が必要ない方は、メールでその旨お知らせください。また、記事はホームページにリンクしていますので、今後別のアドレスへの配信を希望される方はその旨連絡下さい。

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