獨協中学・高等学校ワンダーフォーゲル部OB会メールマガジン 2021/2/28
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DWVのOBを山の話題で結ぶメールマガジン2月号/2021の配信です。
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【1】インドで大規模な氷河崩壊
【2】苦境に立つシェルパたち
【3】打矢之威のヒマラヤトレッキング紀行
【4】日本山岳会会報が創刊号からHPに掲載
【5】富士山の入山料が義務化
【6】韓国ではコロナ禍の中、登山者が急増
【7】行ってきました Now
【8】編集後記
【9】記事の募集とマガジンについて
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【1】インドで大規模な氷河崩壊
2月7日インド北部で発生した大規模な氷河崩壊による鉄砲水は、水力発電所の工事現場にいた作業員など60名が死亡したほか、150人以上が行方不明になっているとAFPは伝えています。
ヒマラヤだけでなく、世界各国で温暖化の影響で氷河が融解し、氷河が後退(喪失)していっていることが問題になっています。また、氷河が融解したことにより、氷河湖が増えたり、氷河湖の水位がどんどん上昇して決壊する事例も増えてきているそうです。
1990年から2010年にかけて、アジアの高山地帯では氷河を水源とする氷河湖が新たに900カ所以上も形成されているようです。湖の水位が上がると、土手のようになっている湖の端のモレーンを越えてあふれ出したり、最悪の場合にはモレーンが決壊したりすることが起こっているということです。これが科学者の言う「氷河湖決壊洪水」(GLOF)で、地元の少数民族であるシェルパは、同じ事象を「チュ・グマ」(壊滅的な洪水)と呼んでいるそうです。今回の災害の原因の詳細はまだ明らかにされていませんが、今回のインドの氷河決壊も温暖化が原因ではないかと考えられるようです。
ヒマラヤの氷河は急速に融解しており、中央部と東部の氷河が2035年までに完全に消えるとする専門家の指摘もあります。また、アフガニスタン、パキスタン、中国、インド、ネパール、ブータン、ミャンマーにまたがる地域では地球温暖化のペース次第では、およそ5万6000カ所ある氷河の3分の1から3分の2が、2100年までに消滅するという研究結果もあります。
2019年にコロンビア大学のマウアー氏は1975年に撮られた衛星画像と、2000年、2016年の衛星画像を比較した研究を発表しているそうで、それによると、2000年以降に1年間で解けた氷河の量は83億トン、2000年以降は毎年1%の割合で消失、その量はオリンピックサイズのプール300万個の水量に匹敵し、2000年以降の年間融解量は、1975年から2000年の年平均の2倍になっているそうです。
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【2】苦境に立つシェルパたち
打矢之威氏(S31年卒)は後述する2015年のネパール大地震の前後に2度ヒマラヤトレッキングを行っていますが、新型コロナの影響で山岳観光に依存しているネパールのシェルパたちは生活物資や収入に困窮している実態が出てきているそうで、お世話になったシェルパ達を救援する活動をしてるという事です。DWV.0B会のホームページにも記事をアップしていますので、まだ、見ていない方はご覧ください。
このコロナ禍に先立って、ネパールでは2015年の4月25日に東日本大地震規模のネパール大地震が発生し、日干し煉瓦などで出来た軟弱な建物が多い現地は多大なる被害を受けていました。余震も続いていたので、観光客も激減するなど、ネパール経済は危機的状況に陥っていました。その影響をやっと克服し、観光客も戻ってきている中でのコロナ禍はシェルパたちにとって極めて深刻のようです。
「帰路に立つシェルパたち」の記事はこちらからご覧いただけます。
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【3】打矢之威のヒマラヤトレッキング紀行
打矢之威氏(S31年卒)は2011年には熊野大社から釈迦ヶ岳を登って十津川へ下りるなど5泊6日の大峯奧駈道のロングトレイルを、2015年には2回にわたるヒマラヤトレッキングを、2017年にはスペイン巡礼の旅(サンチャゴ・デ・コンポスティラ寺院まで120Km)iを行なっています。
「スペイン巡礼の旅」については本ホームページ上でも既に掲載されていますが、この度、前項の「苦境に立つシェルパたち」の原稿と一緒にヒマラヤトレッキングの資料を送付していただいていましたので、ホームページに掲載させていただいています。
氏は2015年の地震発生の少し前の3月24日から地震の2週間前までと、11月5日からの2週間ヒマラヤトレッキングを行っています。
4月のヒマラヤトレッキング 11月のヒマラヤトレッキング
「スペイン巡礼の旅I」 「スペイン巡礼の旅II」 「スペイン巡礼のⅢ」
NHK でも登山家の山岳カメラマンの中島健郎と石井邦彦「グレートヒマラヤトレイル」(BS4K)「グレートヒマラヤ撮影日誌」(BSブレミアム)を放送していました。3月1日(月)午後10時からもBS4Kで「グレートヒマラヤトレイル」10が放送されます。
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【4】日本山岳会会報が創刊号からHPに掲載
日本山岳会は1905(明治38)年に小島烏水を初代会長として設立されましたが、会報「山」を1930年の10月から発行しています。また、翌年の明治39年からは機関誌「山岳」を発行しています。日本山岳会では創立120周年記念事業の一環として所蔵図書・資料をデジタル化して一般公開するという事業を進めています。本HPに掲載されている「小島烏水と日本山岳会の設立」の記事はこちらから
日本の近代登山を牽引してきた日本山岳会の歴史は日本の登山史を知る極めて重要な資料でもあります。誌面に掲載されている広告などからも当時の様子を窺い知ることもできます。特に機関誌は当時の個別な山岳やその登山について詳しく紹介されていて、じっくり読める資料だと思います。
両方ともPDFをプリントアウトしたり、保存することも出来ますので、オフラインでいつでも見ることが出来ます。一度覗いてみてはいかがでしょうか。
会報「山」はこちらから 機関誌「山岳」はこちらから 日本山岳会のHPはこちらから
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【5】富士山の入山料が義務化
昨年、富士山は新型コロナの感染防止から山小屋は一斉休業し、登山すること自体が禁止されていました。平成26年から始まった1人1000円の保全協力金(入山料)も登山者の60%台に留まっていて、不公平感の解消が課題となっていました。
山梨、静岡両県などでつくる富士山世界文化遺産協議会の利用者負担専門委員会は1年間の登山禁止を経て、5合目より上に入山する場合は講習と認定手続きを受けた上で法定外目的税を納める制度の導入を16日に打ち出しました。
専門委員会の上部組織の作業部会が昨年11月、登山者から任意で集めている保全協力金を法定外目的税として徴収する方針を確認し、専門委で徴収方法を検討していたものです。これにより、新制度は15日に開催される作業部会を経て3月下旬の富士山世界文化遺産協議会で審議されるということで、入山料は税金化にシフトが切られたようです。
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【6】韓国ではコロナ禍の中、登山者が急増
日本では昨年、新型コロナ感染防止の影響で一部山小屋や登山道が閉鎖されていることもあって、登山者やそれに伴う遭難事故が減少しました。しかし、同じコロナ禍の中にあって、隣国の韓国では昨年登山者がコロナ禍以前の2倍近くも増えているということです。
新型コロナの感染状況や対策が違っていることもあるのでしょうが、昨年韓国での新型コロナ感染者は9万人、回復者は8万人、死者は545人に対して日本では感染者は43万人、回復者は40万人、死者は7818人と感染者と回復者数は5倍、死者は14倍になっています。(いずれも概数です)日本の人口が韓国の約2倍あるということを考えてもかなり数の違いがあります。そのことからも登山に対する意識や対応に違いもあるようですが、韓国でもジムなどでの運動が難しい中で、登山は比較的安全だということでに人気が集中してきているようです。
ソウル市で昨年発生した山岳遭難は前年に比べ約30%増えていて、特に週末の20-30代の登山初心者が増えいるようです。若者がデートでレギンスにスニーカー、スカートのような軽装で山に登ってけがをしたり、道に迷ったりする事故がて増えているそうです。中にはSNSの”映え”を狙っての事故も発生しているということです。
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【7】行ってきました Now
筑波山(2018年3月4日) 梅祭りで賑わう麓をすり抜けて頂上へ
高尾山(2017年3月11日) ポピュラーコースでののんびりハイキング
鳴神山(2010年3月12日) 低山ハイキングではハナネコメソウのおまけが
沼津アルプス(2018年3月18日) 駿河湾を望みながらぐるっと縦走
赤城山(2020年3月19日) 残雪期の雪の中、頂上からは360度の展望が
北横岳(2016年3月21日) ロープウェイでスキーヤーと別れて頂上へ
三毳山(2018年3月25日) 道の駅から歩いていけば、圧倒的なカタクリの大群
天城山(2020年3月26日) 緊急事態宣言前に、駆け込みで天城山を往復
三頭山(2018年3月29日) 案外奥多摩では遭難が多く、この山行前にも事故が
角田山(2016年3月31日) 一面のカタクリが咲き、日本海の青い海と灯台を見下ろしながら
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【8】編集後記
今月のメールマガジンは油断していて、最終日での配信になってしまいました。関西地区などでは前倒しで緊急事態宣言が本日解除されます。解除後の感染状況は首都圏での解除にも影響を与えそうです。早く安心して韓国のように登山が出来るようになって欲しです。
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【9】記事の募集とマガジンについて
このメールマガジ ンは毎月1回(発行日は不定)、OB 会会員にお送りしているものです。次号以降配信が必要ない方は、メールでその旨お知らせください。また、記事はホームページにリンクしていますので、今後別のアドレスへの配信を希望される方はその旨連絡下さい。
本ホームページでは記事を募集しています。投稿・寄稿をどうぞお寄せ下さい。山行記録は当時のものでも個人の新しい記録でも結構です。当時の写真だけでも記録として蓄積したいと思っていますので、宜しくお願いします。山行記録のほかに、紀行文、コラム、近況報告などの直接投稿やメールでの寄稿もよろしくお願いします。
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