メールマガジン2月号 / 2017

獨協中学・高等学校ワ ンダー フォーゲル部OB会 オンラインマガジン 2017/ 2/ 26
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【1】近ごろの山での行動食はどんなもの
【2】山岳遭難救助かかわる2つの動向
【3】行ってきました 山行Now
【4】編集後記
【5】記事の募集とメールマガジンについて
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【1】近ごろの山での行動食はどんなもの

自分たちが高校生の頃、山での行動食といえば、「氷砂糖」「甘納豆」「夏みかんやレモン」「板チョコ」「あめ」「チーズ」「粉末ジュース」などが定番でした。「酢昆布」なんかもあったでしょうか。さて、近頃の行動食はどうなっているのでしょうか・・・

近頃の山での行動食と言えば、次のような物が定番になっているようです。

「ソフトクッキー」「柿ピー」「ドライフルーツ」「炭水化物系ゼリー飲料」「エナジーバー」「ミックスナッツ」「グミ」などが多いようです。だいぶ様変わりしています。ペットボトルにいろいろなものをミックスして入れ直したものを行動食としている方もいるようです。飲料水も昔は練習時を含めて「飲みすぎると疲れるから」と制限されていましたが、今は喉が乾くのを待たず決まったペースで補給することが推奨されています。また、吸収がいいようにスポーツドリンクが多いと思います。

変わったところでは近頃羊羹(ようかん)が見直されているようです。昔ながらの井村屋の製品ですが、しっとりとして口に入りやすく、運動時などの高カロリーの糖質補給として、また長期保存もできるということで災害用としても利用されているようです。「えいようかん」「スポーツようかんプラス」などのランニングや自転車、登山といったスポーツに特化したより動きながらでも補給しやすい形状にした商品に人気が出ているようです。

また、運動する体づくりやコンディションのキープのための「アミノ酸系のサブリメント」も多く使われてきています。変わったものでは「ミニトマト」や「バナナ」なども結構多いということです。
【2】山岳救助にかかわる2つの動向

<救助に関わる救助ヘリの有料化>

先ごろ埼玉県では他県に先駆けて、防災ヘリによる山岳救助の場合に遭難者からヘリの燃料費を手数料として5万円程度徴収する条例改正案が2月定例県議会で議員提案され、可決される公算が大きいようです。埼玉県では2010年に秩父市の山中で沢登り中に滝つぼに落ちた女性の救助活動中に県防災ヘリが墜落、機長ら5人が死亡した事故が起きています。それにともなって防災ヘリの救助費用の有料化が議論されましたが「近隣県が行っていない」「海難救助や救急車との整合性をどう取るのか」といった懸念から提出した条例案は結局、費用請求に関する条項は盛り込まず、付則で費用請求の検討に「早急に対応」と言及するにとどめられていたという経緯があったようです。

埼玉県に限らず、今や中高年だけでなく山ガール、トレールランニングなど登山人気は近年盛り上がっており、それとともに遭難者も増えており、警視庁によると2015年の全国での遭難者は3043人で2005年の1.8倍になっているということです。遭難件数が多い長野県でも同様の議論が起こっているものの、調整が難しく制定には至っていないようです。安全に対する登山意識や技術の低下、遭難件数の増加、安易な救助要請、受益者負担の観点などから今後有料化の議論が進んでいきそうな気配ではあります。さて、どうなるでしょうか。

<救助隊の賠償責任が問われることに>

近年スキー場に接するコース外のバックカントリーと称する山岳スキーやスノボーでの遭難が相次いでおり、自己責任と救助のあり方が問題になってきています。

2009年11月に北海道の冬期積丹岳で起こった遭難救助にかかわり、死亡した遭難者の遺族が道警(山岳救助隊)に対して起こした損害賠償請求裁判で最高裁は救助隊側に3割の落ち度を認め1800万円の損害賠償を命じる判決が2016年11月に下り、救助活動のあり方が問われています。

警察にとって山岳救助活動は裁量によって行われる活動であり、山岳救助要請があったとしても必ずしも警察官が出勤し救助をしなければならないという法的義務はなく、特に冬山登山における遭難については自己責任であり、救助隊の落ち度を明確にして賠償責任を負わせることは救助活動を消極的にさせるものとなりかねないということで裁判の結果が注視されていました。
一般的には結果だけを見ると雪山に入山し天候悪化で道に迷って低体温症状態に至り、救助されなかったとしたら当然死亡していたと考えられ、遭難者が自ら招いた結果であって、救助隊の救助活動が完全なものでなかったとしても責められるべきではないと考えるところである。

しかし、原告である遺族の主張などを調べてみると日本の山岳救助体制の現状など別の側面も見えてくるのである。

続きはHPのトピックス 「積丹岳損害賠償裁判について」をご覧ください。

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【3】行ってきました 山行Now

この時期の山行を去年と今年のHPの記録からご紹介します。
丹沢 表尾根 (2017年2月)

去年の3月にも表尾根を歩いてきましたが、その折は山全体が樹氷に覆われていて丹沢とは思えないような幻想的な山容でした。今回2月に登った時には雪はほとんどありませんでした。その代わり天気は上々で、見晴らしが良く疲れはしましたが快適な縦走を楽しむことができました。DWVではお馴染みの表尾根です。近頃の表尾根の様子をご覧ください。

赤城連峰 黒檜山 (2016年1月14日 )

直近で降雪がなければ大沼畔までノーマルタイヤで行くこともできるでしょう。大きな駐車場に車を停めて駒ケ岳登山口から登るコースです。鉄製の階段が現れ、息が上がったところで広々とした稜線に出ればもう少しで駒ケ岳山頂です。気持ちのいい稜線を歩いて行けば赤城山の最高峰である黒檜山(1827m)。積雪の状況によって違いますが、アイゼンが必要となります。雪山の入門コースとしても近頃人気があるようです。
伊予ガ岳 (2017年2月)

房総のマッターホルン? 房総半島の岩井海岸近くに千葉県で唯一山の名前で「岳」の付いた「伊予ガ岳」があります。平群神社の駐車場に車を駐め、2時間程度で往復できます。北峰は大きな岩で形成され、頂上付近には鎖場などもあります。よく整備もされており、近くの国道沿いには「富楽里とみやま」という大きな道の駅もあります。早春の房総ドライブと合わせてファミリーで登ってみるのもいいかもしれません。

棒ノ折山 (2019年2月)

DWVではこの棒ノ折山と川苔山が新人歓迎の定番でした。その折は奥多摩の大丹波から百軒茶屋を経由したコースでしたが、この時は飯能の名栗湖から白谷沢を右に左に道を取りながら谷を登り、雪のたっぷり積もった急登の尾根を頂上まで登っています。雪の棒ノ折山は静かで趣のある山でした。
鎌倉アルプス (2016年3月)
北鎌倉から建長寺の山門をくぐり、半僧坊の石段を上がり、ぐるっと鎌倉市内を囲む鎌倉アルプスと呼ばれる山地を歩き、瑞泉寺、鎌倉宮、頼朝墓所、鶴岡八幡宮を詣で小町通り経て鎌倉駅まで行く鎌倉一周ハイキングコースです。鎌倉アルプスでは何回もリスを見つけられるでしょう。
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【4】編集後記

民間のヘリコプターを捜索や救助に使うと1分で1万円程度の費用がかかるそうです。現場が分かっている場合は1時間程度で済むということなので、およそ50万円の費用が発生することになります。広範囲の捜索になると地上から警察や消防団、山岳関係団体などたくさんの人が動員されることになります。救助活動は民間の場合では隊員の日当だけでも3万円から5万円になるということなので、行政の場合にしてもたくさんの人員と経費がかかっての活動になります。今、年齢性別を問わず山をフィールドにして多様なスポーツやネイチャー活動が活発に行われています。山で楽しく活動できるために関係者・団体が努めなければならないことは多いようです。
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【5】記事の募集とマガジンについて

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